ニホンミツバチとセイヨウミツバチの決定的な違い
このタイトルには間違いがある。正しくはニホンミツバチではなく、トウヨウミツバチとするべきだろう。何故ならニホンミツバチとは固有種でもなんでもなく、中国や韓国にも生息するトウヨウミツバチの1亜種でしか無いからだ。
よく巷では日本ミツバチは野生種で西洋ミツバチは家畜という事が言われるが、それは全くミツバチについてわかっちゃいない意見だ。
6亜種いる西洋ミツバチのうち1番良く養蜂に用いられるのはイタリアン種だが、これは家畜として改良されたからと言うよりたまたま養蜂に向いている性質を持っている亜種だったという事に過ぎない。すなわち逃去つまり、巣を捨てて逃げる事が少なくよく蜜を蓄え大人しいと言う事だ。
そして亜種という事から分かる様に、品種ではない。
家畜、つまり品種を生み出すという事は繁殖相手を人間が選び、近親交配や淘汰を重ね望ましい遺伝子、すなわち野生種には無い生態的特徴を持つようになって初めて品種と言う野生種と異なる家畜を生み出せたと言えるのだ。
これがあらゆる家畜や作物の定義と言えるだろう。
例えばアジアゾウがいくら大人しくて代々飼育されていても野生種と遺伝的にも形態的にも何ら変わらない為に家畜とはみなされない。
西洋ミツバチも所詮アジアゾウと同じである。
自由に自分達で空を飛び人間の手を借りる事なく交配相手を選び、飼われている個体も野生個体も遺伝的にも何ら変わる事はない。
近年ようやく品種改良も進んではきているがまだまだ猫未満のレベルの改良度でしかない。
では西洋ミツバチと日本ミツバチ…いやトウヨウミツバチとの決定的な違いは何か?
それはオオスズメバチに適応した種か否か?という違いだろう。
西洋ミツバチの全亜種の生息地にはオオスズメバチはいない。逆に東洋ミツバチの生息地はすっぽりオオスズメバチの生息地に重なっている。
東洋ミツバチの逃去し易い、プロポリスを集めない、神経質、スムシに弱いといった西洋ミツバチと異なる厄介な性質は全てオオスズメバチと言う強力無慈悲な捕食者に対抗する為の物である。オオスズメバチの生息地においてミツバチが巣に執着する事は即全滅に繋がる。だから巣にプロポリスを集めたり余計なコストをかけないし、都合が悪くなればさっさと逃げるのだ。