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第16話 ラノベの主人公タイプ


「待ってくれ! 別に俺はロリコンじゃあない!」


「酔っ払いが自分を酔っ払いだと認めないのと同じように、ロリコンの人はロリコンだとは絶対に認めないよねっ」


 このご時世に、20代社会人が女子中学生の彼氏に名乗り出るとか事案確定だよね。

 ポリスに連絡した方がいいかな。いいよね?

 ポケットに入れていたスマホを取り出して、いつでも警察に連絡できる体勢を取る。


『おめでとうございます。恋人ができて良かったですね。祝福致します』


「やめてよ! 私は将来、峰○二子ぐらいナイスバディになる予定なんだから! ロリコンの相手は無理!!」


『ぶっふぁ。あっと、余りにも笑えるジョークだったので、機械型モンスターの私が笑ってしまいました』


「ジョークではないからね!」


 人間の可能性は無限大なのだから、私が峰不○子のようなナイスバディになる可能性は0ではないはずだ!

 それに、胸に関してはマッサージしているから、きっと大丈夫、な、ハズ、だよね。


『では、冗談は置いておきましょう。

カムイといいましたか。ランと本気で交際するつもりですか?』


「……本気じゃあない。事情があって偽物の彼女をして貰いたいだけなんだ」


「偽物の彼女……。それで、なんで私なんですか。

神威さんって、割と顔面偏差値高めなので、彼女募集すれば、きっと集まるよ」


「一般人じゃあ駄目なんだ。氷華と烈華が相手をしても耐えきれるほどの戦闘能力がないと、物理的に別れさせられる。

実際に、ニセカノを頼んでいた相手は、実力行使と実弾(金)を掴まされて、別れるハメになってしまったんだ」


 それから神威さんの事情を少しは聞けた。

 神威さんは物心ついた時から、若神子わかみこ家で実子扱いで育っていたようだ。

 しかし数年前、大学進学する直前辺りに阿頼耶識さんが、神威さんを引き取ると言い出したそうだ。

 元々、神威さんが育つまで若神子家で育てるという契約だったそうで、神威さんも大学を気に上京して一人暮らしをしたいと言う希望もあり、問題無く話は進んでいたみたい。

 問題が発生したのはここからだ。

 神威さんとの血の繋がりがないという事実は、氷華と烈華の双子の姉妹にとって劇薬であった。

 今まで血の繋がりのある兄だと思い恋愛感情を心の奥底に封じ込めていた訳だけれど、この件が原因で血の繋がりがないと知ると、今までの反動が神威さんに1人の女性として見て貰えるように猛アタックを始め、寝ていると布団の中に潜ってきては、既成事実を作ろうとしてきたらしい。

 ちなみに当時は2人とも中学生である。


 神威さんも流石に夜這いをされ始めた辺りから危機感を募らせ、自分に彼女でも出来れば2人とも諦めると考えたようである。

 知り合いに頼んでニセカノを演じて貰ったそうだけど、どうやら姉妹が色々と暗躍したみたいで、初代ニセカノは半日足らずで真実を姉妹にゲロってしまったそうだ。

 また距離を置けば大丈夫だろうと希望を抱いたようだけど、どうやら高校へ進学をするタイミングで上京をしてきてからも、夜這いやら色々とあったらしい。

 更に厄介な事に、愛を拗らせすぎたことで、超能力と呼べるまでに魔力が特化したとか。


 ここまで聞いた神威さんから事情を聞いた私が言える言葉は単純で、


「神威さんってライトノベルの主人公みたいな顔立ちで、ライトノベルの主人公みたいな経歴持ちですね」


「……ここまで話を聞いた感想がそれかよ」


 そう呆れたように言われましても?

 正直、古今東西の恋愛話で他人の色恋沙汰に首を突っ込んだ場合は、面倒事になるというのがお約束。

 関わる道理は私にはない。


「それに! 今日は、神威さんのお願いを聞きに来たのじゃあなくて、阿頼耶識さんの所でアルバイトの正式採用される為の依頼を達成する為に来たんです!」


「この依頼を手伝うから頼む!」


「手伝って貰うほど難しい怪異ではないです。

そもそもこの程度の依頼で、神威さんの条件飲むと、私の方が損じゃあないですか

仮に! 仮にですよ。私と神威さんが逆の立場で、同じ事をお願いされたら受けますか」


「……」


「はい。その沈黙が答えです!」


 そもそも私にニセカノを依頼する発想が間違っている。

 拗らせた姉妹を物理的に分からせてくれという、単純かつ明確な依頼であれば受けたのに……。


『相変わらずの脳筋で安心します』


「……まだ超能力にまで到達した人と戦った事はないから、戦ってはみたいとは思うんだけど」


 私は少しだけ神威さんを見た。

 直感だけれど、この人、きっとシスコンだ

 仮にその姉妹とバトルになった場合、高確率で姉妹の方に味方しそうな気がする。

 シミュレーションとはいっても、12549回目で一撃貰った借りはあるので、倍返しする意味でも、それはそれで良いけどさ。


「……――。

あまり無理強いしても、意味ないか。

とりあえず依頼を達成して来いよ。俺は近くで視させてもらっている」


 そう言うと、手を振りながら去って行く。

 一瞬、神威さんの表情に変化があった。

 私は何も感じなかったけど、近くで何かがあったのかもしれない。気にはなるけど、何も言わずに去って行ったという事は、私には関係ないことだろう。

 とりあえず今は、目の前の依頼に集中しよう。

 そう心に決めた矢先。


「蘭!」


 きょーちゃんが現れた。



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