第5師団長スィーの日常(1)
第5師団長スィーの日常(1)
スィーは妖狐族四天王との戦いで
重傷を負っていた。
中司教による聖回復魔法で
動ける程度までは回復したが
まだ病院でおとなしくしている
状態である。
「はぁ~、ひまだなぁ......」
スィーは暇をもてあそんでいた。
「やっほ~!おみまいにきたよぉ~」
スカイとフライがお見舞いにやってきた。
「だいじょうぶぅ~?? シーッ!!」
スカイがそういった瞬間、
矢がスカイめがけて放たれていた。
「ガンッ!」
矢がはじき返される。
スカイの前に現れたのは
『可憐な稲妻がほとばしる』。
スカイの愛馬だった。
『可憐な稲妻がほとばしる』は
矛にも盾にもなる愛馬だ
その盾で主人を守ったのである。
「ちょっとひどくない!
せっかく見舞いに来たのに矢をいるなんて」
スカイがふくれっ面をしながらも
笑みを浮かべている。
「ひどいのはどっちよ」
スィーは本気で怒る。
「ところでもうすでに
団長はお見舞いに来てくれた?」
「団長は忙しいの。
アレグライトに来る時間なんてないの。
あなたたちじゃなくて
団長が来てくれたらうれしかったのに......」
「せっかく見舞いに来たのに
私たちは不要だって言うの」
「ごめんごめん。
いやいや、先に仕掛けたのはスカイでしょ」
「ねえ、フルゥイ」
フライの愛馬
『ラブリーライトニングバースツアウツ』が
スィーに攻撃を仕掛ける。
スィーは水聖魔法で水の障壁を張り回避する。
「ちょっとシーッの方がひどくない!
ぼくのことを『揚げ物』って呼ぶなんて!」
「僕の名前は飛ぶって発音のフライなんだから!
フルゥイじゃ揚げ物だよ!」
「スカイの仕返しだよ。
この手のことはフライしかバカにできないしね」
「せっかく団長の隠し撮りの写真
持ってきてあげたのにいらないのかなぁ」
フライはおちょくるように言葉を発する。
「団長の写真!それも隠し撮りの素の団長!」
「申し訳ございませんでした。
私は病人です。いち早く回復しなければなりません。
そのために鋭気を養う必要があります。
それにはその写真が必須です。
ぜひお見舞いの品にお受け取りをさせていただきます」
矢継ぎ早に前のめりに言葉を発するスィー。
「もう、わかったよ。はいどうぞ」
「だんちょぉ~♡ もう治りました。
すぐにおそばに向かいます」
このあと本当に2日である程度まで回復するスィーであった。