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犬小説・わんこ小説シリーズ

出会いの縁と犬

作者: リィズ・ブランディシュカ




 数日前に飼い犬が亡くなってしまったから、私は少し悲しい。


 ずっと沈んだ気分だ。


 私は学校帰りに、とぼとぼと家に帰る。


 家に帰ってももうあの子はいないから、それが足取りを重くしていた。


 帰りたくないな。


 そう思っていた時、そこにわんこが現れた。







 目の前にわんこがいた。


 とても可愛いわんこだ。


 白い毛のわんこ。


 こんな子、近所にいたかな?


 首輪つけてないから、野良犬?


 めずらしい。


 とりあえず私は撫でる事にした。


 もふもふ。


 ふっさふさだ。


 するとそのわんこは「わん!」と吠えてどこかに行ってしまった。


 何だったんだろう。


 今から走ってもおいつけない。


 あぶないから、今度会ったら捕まえてあげないと。


 なんか不思議。


 心の中、さっきまで悲しい気持ちであふれていたのに、今はちょっとあたたかい。







 次の日も、そのわんこはいた。


 家に帰る道の途中で、待ち構えるようにだ。


「わん!」


 私は、そのモフモフの毛並みをなでる。


 今度は逃がさないようにしないと、だって、外は車が走ってて危ない。


 けど、捕まえようとしたら、わんこがするっと逃げてしまった。


 そして「わおん!」と言って、どこかへ走り去ってしまう。


 早かった。


 おいつけない。


 でも、楽しみができた。


 また、明日会えるかもしれないと思うと、憂鬱な気分が吹き飛んだ。








 次の日もわんこは待ち構えていた。


「わおん!」


 私はいつものように撫でる。


 わんこは気持ちよさそうに目を細めた。


 毛並みには汚れが付いていない。


 ふわふわだから、もしかしたら誰かの飼い犬なのかもしれない。


 野良犬じゃなくて、近くの家から脱走してきたのかも。


 この時間だけ、誰かが放し飼いにしているのだろうか。


 危ないから良くない事だけど、飼い主がいる事にはほっとした。


 もう放し飼いにしないように言った方がいいかも、と思うけれど、わんこは「わん!」と鳴いて、またどこかへ行ってしまった。


 あいかわらず早い。


 でも、最後に角を曲がる時、ちょっとこっちを振り返った。


 そして尻尾を振りながら長く「わおーん」と吠えた。


 なんだか、最後にお別れを言っているように聞こえた。


 その体が一瞬だけ透明になったように見えたけど、気のせいだったかな。








 その日、家に帰ると小さな子犬がいた。


 近所で、段ボールに入れられて、捨てられていたらしい。


 近くには母親らしき犬もいたけれど、ずいぶん前に死んでしまっていたらしい。


 でも子犬たちは元気だった。


 ちょっとお腹をすかせていたみたいだけど。


 その子犬は何匹もいたため、一匹は我が家で引き取る事にしたようだ。


 その日から、その子は家族の一員になった。


 なんだか通学路で待っていたわんこに似てるな、と思う。


 子犬のお世話が大変になってしまったけれど、寂しさは完全にどこかへ吹き飛んでしまった。


 それと、もう通学路であのわんことは出会えなくなってしまった。


 飼い主さんが外に放し飼いにしないようにしたのかもしれない。


 会えなくなったのは寂しいけれど、どこかで元気にやっているといいな。



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