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プロローグ 流れ星
最後までお付き合いいただければ幸いです。
「流れ星にお願いするとお願いが叶うの?」
「そうねぇ。きっと叶えてくれるわよ」
小さな小さな女の子は、何も知らずに四角い空を覗く。
ちょうど付いていたテレビのニュースでは、今夜獅子座流星群が見られるらしい。
「じゃあお母さんとお父さん、帰って来てくれるかなぁ?」
「そうねぇ。あなたがいい子にしていればきっと叶えてくれるわよ」
すると女の子はニコッと笑ってさっそく手を擦り合わせる。
「早くおかーさんとおとーさんが帰ってきますようにぃ!」
また一つ罪を犯してしまった。でもこの小さな女の子は、真実を知るには幼い。
「ほら、ばぁばも一緒にお願いしよ!」
「そうねぇ……」
そう呟いて手を合わせる。
「いつかこの少女が乗り越えられますように」
無限に広がる夜空には、いくつもの涙が零れていた。