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終わりの少女と不幸な男  作者: 心根響
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向日葵の家



クネクネ動く葉っぱとツルが器用に近くにある水道から蛇口をひねりジョウロに水をそそぐ。


「不思議な家だと思っていたが、まさか花が動くなんて…」


ジョウロにある程度水が溜まると、向日葵は植えてある植木鉢から伸びた根っこが人の足のように左右を交互に動かして移動するのを見て歩夢は思わず呟いた。


そんな歩夢に向日葵はついてこいというように葉っぱをクイクイと動かす。


それを見て歩夢は少し躊躇しながらも後をついていくことにした。

それは向日葵が人を騙すなんて考えていないというより、何も知らない自分がコトネを探すよりここを熟知してそうな向日葵について行った方がコトネに会えると思ったからだ。


向日葵と共に移動して数分だろうか?

所々でジョウロで庭に咲く花に水を与えていた向日葵が木でできた柵のような場所で歩みを止めた。


「これは…畑か?」


向日葵は柵の留め金を外し鶴を伸ばして柵を前へと押すと少しキーキーと音が鳴った後にその向こう側にある畑へとはいっていった。


畑にはトマト、ピーマン、きゅうりなどの背が高いもの以外にもキャベツ、レタス、白菜、人参、大根、などの地面で育つ野菜がたくさん育っていた。


それらに向日葵は水をやり、疲れたのか最後には自分自身にも水をかけて仕事やり遂げたかのように伸びをして止まった。


「仕事終わりに悪いがコトネはどこにいるだろうか?」


止まってしまった向日葵に歩夢が声をかけると一つの葉っぱはある方向をツンツンと向けてまるであっちと言っているようだ。


「わかった、ありがとう」


向日葵に礼を言ってその方向に歩いて行く。



すると畑を抜けたその先に一本の大きな木が生えていた。


「でかっ…」


外国で巨大な木がある公園があるのはテレビで見たことがあるがそれと同じかそれ以上にデカい。


気の周りをゆっくりと歩いて行く。

すると木に寄りかかるように座り、ザルのようなものに先ほど畑でとったと思われる野菜ともう一つのザルにその野菜のうち枝豆を一個一個むいてマメを取り出しているコトネを見つけた。


「コトネ」


つい声をかけてしまった、また逃げられるかもしれない。


しかしコトネは少しビクついたがゆっくりとこちらを向いて歩夢をみると驚いたような顔をした。


「どうして、ここ」


「ああ、向日葵のひと?がここを教えてくれたんだ」


それを聞くと「そう」とだけ呟いてコトネは作業を再開した。


歩夢は話せた機会を逃さないように言葉を続ける。


「すまない、コトネは頭を撫でられたりするのは苦手だったんだな。次からは気をつけるから…」


それを聞いてコトネは少し顔を赤らめるがやがてポツリと口を動かした。


「苦手じゃない…」


「…そうか」


なら何故あんなに顔を赤らめて逃げ出したんだろうか?

客間の時も理由がわからないが同じような反応だったし、歩夢は怒っていないことにホッとしつつ頭をかいて考える。


だがその疑問はコトネから語られることになった。


「褒められるの、あまりない。前に人が来たのも10年以上前で久しぶり過ぎていきなり褒められたり頭撫でられると顔が熱くなって考えられなくなる…」


「そうだったのか」

人と接しなかったせい、それを聞いて先程気をつけると言ったばかりなのにとっさにまた頭を撫でそうになってしまった。


そんな自分に呆れつつ、コトネがいましている作業を手伝うことにした。


「良かったらコトネがしていることを手伝わせてくれないか?」


「うん、こっち」


コトネは自分の隣を叩いて歩夢を招く。

さっき人との触れ合いで暴走した件が頭をよぎるが、なるべくコトネを刺激しないようにゆっくりと隣へと座る。


「マメはいろいろ使える」


そう言って小さなザルを歩夢に渡して一つ一つマメを取るように指示する。

見たところ量はそこまで多くない。

コトネのやり方を見ながら丁寧にむいていき、10分そこらで全て剥くことができた。


「これは夕食に使う」


歩夢のザルを指差して使用目的を告げた。


「ならそっちは?」


「こっちは大豆、枝豆が成長したらこうなる」


コトネのザルを見れば確かにマメだが枝豆より丸くて色も抜けている。


「味噌とか豆腐とかになる」


「おおー」


大袈裟に拍手して驚いて見せる。

するとコトネはにっこりと笑い、楽しみにしててと言った。




たくさんの野菜を持って家へと帰る。


「野菜は週に2回収穫する」


「そういえば肉はどうしてるの?昨日は肉じゃがだったけど…」


冷蔵庫の中に野菜を入れて疑問に思ったことをことなに聞いてみた。


「お肉は家が用意する」


「家?」


コトネは2つある冷蔵庫の片方を開けて中身を見せる。

そこには何もなく空っぽのようだ。


「閉めて、こう言う……肉くれ肉くれ」


そしてまた先程空っぽだった冷蔵庫を開けた。


するとそこにはーーー


「に、く、だね」


「うん、肉」


赤くて弾力がある美味しそうなお肉が綺麗にお皿に並べてある。


「不思議だね…」


「?」


油断していた。

昨日からわかっていたことだが、ここには動く向日葵に肉を用意してくれるお家、そしてそこに暮らすとっても不思議な女の子がいるのだった。



疲れた状態で書いたのでいろいろおかしくなっている。次はもっとしっかり書こう。



週一更新、出来たらすぐ投稿します。

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