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終わりの少女と不幸な男  作者: 心根響
1/7

陽だまりの家

こんにちわ、仕事で疲れた中で思いついた物語です。拙いですがよろしくお願いします。



人生何があるかわからないと人は言う。


10代の頃に親を両方とも亡くした。


高校卒業の日にトラックに轢かれ全身骨折で入院した。


退院した次の日に就職予定の会社が倒産した。


人に言えば、え!冗談でしょ?という内容のオンパレード。


それからも大きくはないが小さな不幸は続き、年は28歳になった。


職は3度変えてやっと長続き出来ている外回りの営業職、それも同僚が月1で変わるほどのブラック企業なため仕事内容は激務で1日最低一件は何かを売らないと課長にどやされる毎日だ。


「はぁ、明日は休出か…」


花の金曜日と言えば聞こえがいい。

だが自分とは無縁なその言葉に何も感じないことに嫌気が差す。



「次は…町外れか」


1日の予定は全てノートに書き記している。

今日最後に回るお客様は街の外れにある一軒家、季節は夏のためそこまで都心から離れるとセミの鳴き声や森に吹く風の音が聞こえてくる。



「いいところだな」


仕事の忙しさを忘れそうになる光景だ。

車のカーナビに記された道順のまま大きな生垣がある一軒家が見えたきた。


邪魔にならない場所に車を停めて洋風の巨大な門構えの入り口の前で止まる。


「インターホンはないのか…」


古いというか歴史がありそうな家だ、家の主人はご高齢の方だろう。


門を開けて家の敷地に入る。

左手には広い庭が見えて様々な花が咲き乱れていた。

そして花壇の近くに水が出る水道がありそれも今時のシルバーのシンプルなものでなくアンティークといっていいような洒落たデザインをしている。


「こんな場所で生活してみたいものだな」


いつの間にか止まった足を動かして玄関の前まで来た。

ここもやはり呼び鈴の類は見当たらない。

かわりに昔テレビで見たことがあるライオンの形をしたノッカーのようなものがあり少し躊躇しながらもテンポ良く玄関の扉を2度叩いてみた。


ゴン、ゴン。






キーーーーーーーーーーーーーーーーーン……



「何だ…耳鳴りか?」


耳をおさえる。

反射的な行動だ、特に今は何も聞こえていない。



ガチャ


扉が開いた。


そうだ、今は仕事でこちらから訪問したから挨拶しないと…。



「こんにちわ、道草歩夢みちくさあゆむと言います」


名刺を胸元から出して営業として自己紹介をする。

本当だったら会社名と本日伺った用件を言わないといけないがそんな言葉は唐突に頭の中から抜け落ちた。



「いらっしゃい」


綺麗な青だ。




その瞳を見てただそう思った、次いで引き寄せられたのは空に浮かぶ雲のような真っ白な髪。


左右を鈴がついた赤いリボンで結び、それでも長い髪は玄関を開けたことで家の中へと流れる風にふわぁと浮いてまるで幻想的な絵画を見ているような感想を抱いた。



「お客様は久しぶりなの」


まるで陽だまりのような笑顔、それはこの世界で最も価値のあるもののような気がした。



「わたしはコトネ、これからよろしく」



「は、はい!こちらこそよろしくお願いします」


そうがどういった意味なのか、何をよろしくといったことなのか返した返事はいつものマニュアルからくる言葉ではない。




それが2人の始まり、そして終わりへと向かう最初の1ページの話。



続きを見てみたい方は登録お願いします。


週一投稿予定



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