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テロ対策は闇が深い!  作者: ソーダ
第一章
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Item

東京本部、第一資料庫……


『JBの棚は……』


杉谷は心の中でそう言いながら、『JB』の列を探していた。すると前から大量の資料を持っている佐田がやってきた。彼女は秋好と同じA班なので、今回の調査では杉谷と関係なかったもののそれでも同じテロ対策1の人間だ。なので杉谷は佐田に声をかけた


「資料多そうだけど大丈夫?手伝う?」


杉谷がそう言うと佐田は立ち止まった。そして杉谷にこう言った


「いえ、大丈夫じゃないですが大丈夫です。別の班に迷惑をかけるわけにもいきませんので……」


佐田はそう言うと歩き始めた。そのとき佐田は段ボール箱を持っていた。この第一資料庫には報告書以外ものも保管されているため、佐田がそれを持っていてもおかしくなかった。しかし何を調べたらあれが出てくるのか、杉谷は少し気になった


『おっと、私も自分の仕事しないと』


杉谷は自分にそう言うと『JB』と書かれている棚の前でとまった。そしてその棚を動かし、通路をつくった


「0281は……」


杉谷はそう言いながら、その数字のシールが貼られている棚を探した


『これね』


杉谷は目的の棚を見つけると、ゆっくりと開けた。そして中に入っていた資料を全て取り出した


『えっと、この資料は……」


杉谷は心の中でそう言うと、何の資料か確認するため冊子の裏側を見た。するとそこには『資料制作……監視部、中幡』という文字の上に『スーパーマーケットLIV調査』と書かれていた


「これはスーパーの資料ね」


杉谷はボソッというと手帳を取り出した。そして真っ白のページに『スーパー』と書いた


「次の資料は二つ隣の列ね」


杉谷は手帳をめくり、資料のしまってある番号を見た。それから杉谷は次の資料を取りに行くために手帳をしまった……


そして第一資料庫に入ってから数十分後、杉谷は資料を持って部屋から出てきた。しかし資料が思ったよりも多く、二回に分けて取り出せば良かったと後悔していた


「さすがにこれを一回で運ぶのは危険ね」


杉谷はボソッとそう言うと資料を近くの長椅子に置いた


『仕方ないけど二回に分けて運ぶしかなさそうね。ここ準備室だし盗まれることはないだろうし』


杉谷は心の中でそう呟くと取り出した資料のうち、冊子になっている資料だけを持った


いま杉谷のいる場所は第一資料庫準備室だった。この準備室には検索機があるだけで、他には何もなかった。そして第一資料庫は他の資料庫と比べて使う人が少なかった。なので杉谷はここに置いても大丈夫だと判断した



「手伝いましょうか?運ぶの」


突然検索機の方向からそんな声が聞こえた。なので杉谷はその方向を見ると、そこには冊子を持っている女性がいた


「それはありがたいのですが、この資料は三佐規制がかかっているので……」


杉谷はそう言った


東京本部の一部の情報、資料には三佐規制と呼ばれるものがある。この三佐規制というのは、三等ゾンビ対策佐官以上の階級でないと情報、資料を取り出せないというものだった


そしてこの三佐規制がかかっている資料を取り出すには、検索機で対策手帳に書かれている数字を打ち込まなければならなかった。なので三佐規制のかかっている資料は、例外はあるものの基本は他の人に見せてはいけなかった


「それなら大丈夫です。その資料をつくったのは私ですから」


その女性はそう言うと対策手帳を取り出した。そして杉谷に中を見せてきた


「中幡監視官?」


その手帳には『中幡里桜なかはたりお、二等監視官』と書かれていた


「この通りです!」


中幡はそう言うと杉谷の持っている冊子を取り、制作者の情報などが書いてある欄を見せた


「確か杉谷さんですよね?」


「はい。そうですけど……」


中幡に聞かれると杉谷はそう返した。すると中幡は手を一回叩くとこう言った


「やっぱり!監視部に来たとき相澤さんの影に隠れてる人ですよね?」


中幡はそう聞いてきた。確かに杉谷は相澤と監視課専用室に行くと、相澤の雰囲気に圧されて何も出来ずにいた。なので中幡の言い方がどうであれ正解だった


「そうですね。けど、影に隠れたくて隠れてるわけじゃ……」


「え?今なんて?」


杉谷は「けど……」の後は小声で言ったため、中幡には聞こえていなかった。なので杉谷は誤魔化すために「何でもないです」と言った。すると中幡は不思議そうな顔をしつつも、杉谷の資料を持った


「確認ですけど、テロ対策課まで持っていけばいいんですよね?」


「そうです。テロ対策1までです」


杉谷はそう言った。すると中幡は部屋の扉を開けるとこう言った


「私、これでも監視部では上の下くらいのポジションなので一人だけだったら監視任務もしますよ」


中幡はそう言った。しかし杉谷の仕事は、ゾンビ愛護団体の資金源を見つけ出すことだった。なので監視は必要なかった


「有難うございます。しかし私達の任務は愛護団体の資金源を見つけることなので監視は必要ないかと……」


杉谷はそう言って断った。すると中幡は手を一回手を叩くとこう言った


「まぁ必要になったら言って!そしたら監視対象にいれるから」


中幡はそう言うと部屋から出た。なので杉谷も部屋から出て、テロ対策1専用室へと向かって歩き出した


「けれど、監視部の監視対象知らないのですが……」


「あぁ、監視対象ならあとで教えてあげるよ。だから大丈夫!」


中幡はそう言った


監視部の監視対象は二十ほどしかなかった。しかしその監視対象はゾンビ殲滅局が危険と判断したものの中から選ばれていた


なのでその事についてテロ対策部も当然把握していた。けれど杉谷はテロ対策部が持っている情報と、監視部の持っている情報が同じということは知らなかった……



中幡里桜なかはたりお


二等監視官


武器……拳銃

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