Улья́на
午後四時、東京本部テロ対策1専用室……
「戻りましたよ〜っと」
そう言って部屋に入ってきたのは佐田だった。するとそんな佐田に秋好が「聞き込みお疲れ様。何か分かったことある?」と聞いた
「追加のことは何も。ごくごく普通の会社としか言ってませんでした」
佐田はそう言うと席についた
「そうか。それで深見はどこだ?」
「多分もう来るんじゃ……」
佐田がそういった時だった。テロ対策1専用室の扉が開くと中に深見が入ってきた。なので佐田は「ほら」と言った
「全員揃ったね。それじゃあ上条、よろしく」
秋好がそう言うと上条は立ち上がり「浜地警備専門社の再調査についての報告です。自分が調べたところ二つの顔があると分かりました」と言った。するとそんな上条に佐田は「え? なんで上条が調べてるの? 浜地警備専門社は私達の担当じゃん」と言った
「あれ? その辺のやり取り見てなかったっけ?」
秋好がそう聞くと杉谷が「そのやり取りをしていた頃にはもう二人はいませんでした。なので知らなくて当然です」と言った。なので秋好は「簡単に説明すると、テロ対策部として調査するリストの中に浜地警備専門社があったんだ。だから上条にも調査してもらったんだ」と説明した
「え〜、別に私達に任せてくれて良かったのに」
佐田がそう言うと秋好は「それでも良かったんだけど、どのみち暇だからね。結果として上条も二人とは違う調査結果を持ってきたわけだが」と言った
「それで二つの顔というのは……?」
深見がそう聞くと上条は「一つは佐田さんが言った『普通の会社』の顔。そしてもう一つが『夜中に変な動きをする会社……』です」と答えた。するとそれに対して杉谷が「夜中に変な動きをする会社?」と質問した
「はい。警備会社から少し離れた所に住む男性が教えてくれました。週に三回、夜中の二時に大型のトラックが会社の前に止まると……」
上条がそう言うと杉谷は「なる程、それなら監視部が見てくれるんじゃないですか?」と秋好に言った。なので秋好は「あぁ、だからこの事はもう監視部に伝えた。この件からも浜地が黒なのは間違いないな」と言うと立ち上がった。そして部屋の扉を開けると、部下達に「今回の強制捜査は厳しいものになる。当日までに覚悟しておけ」と言うと部屋から出ていってしまった……
「覚悟しておけって……つまり?」
いまいち秋好の言いたかった事が理解できなかった佐田は隣りにいる深見にそう聞いた。すると深見は「そのままでしょ。死人が出るかもっていう……」と答えた
「死人? それって死ぬかもしれないってこと? なら私、作戦当日は休むわ」
佐田はそう言うと自分の席に座った。するとそんな佐田に相澤が「情けねーな。それでも対策官かよ」と言った
「相澤さんこそ休むんじゃないんですか? 私もそんな人に言われたくは……」
「休まないぞ。むしろワクワクしてるからな」
相澤がそう言うと佐田は『は?』と思った。すると相澤は続けて「せっかく俺が活躍できるってのに休むわけ無いだろ。むしろ毎日強制捜査でも構わないぜ」と言った
「その調子で普段の調査もしっかりとやれば対策官として立派なのに……」
杉谷がそう言うと上条も「まったくです」と便乗した
『忘れてたよ。この人はそういう人だった』
相澤の発言を聞き、佐田はそう思った。するとそんな佐田に杉谷が「そんなに不安なら秋好さんに頼んで見張りとかにしてもらう?」と提案してきた。けれど佐田にもプライドがあるため「いえ大丈夫です。さっきのはいつもの冗談ですから」と言った
「そう。ならいいけど……」
「私だって准官。これくらい問題ありません」
佐田は杉谷にそう言った。けれど心の中では『死なないよね? 大丈夫だよね?』という不安しかなかった
「早く作戦当日にならないかな〜。どんな抵抗をしてくれるか楽しみだよ」
相澤がそう言うと杉谷は「調子に乗ってるとマジで死ぬよ」と注意した。けれど相澤は「大丈夫大丈夫。死ぬかもと言ってる間は死ななから。むしろ慣れ始めたときの方がヤバいから」と言った
「つまり相澤さんはヤバいと言うことですね?」
そんな相澤に小田切がそう言った。すると相澤は「うるさい黙っとれ」と冗談ぽく言った
「まぁ何にせよ抵抗されるのは確実だろうし、覚悟は決めておくことね。ゾンビの死体を持ってるような会社なんだから銃くらい持ってそうだし」
杉谷がそう言うと、相澤は「そりゃあ面白い。銃を持つ奴は俺が撃ち殺してやる。銃の扱いは上手いんでね」と上条を見ながら言った
「そうですね。頑張ってください」
上条は相澤を見ずに棒読みで言った。すると相澤は上条の肩を揺らしながら「返答が適当すぎる」と言い、上条と話し始めた
『相澤はあんな調子だから大丈夫だと思うけど、佐田は……』
杉谷はそう思うと佐田を見た。普段は明るい佐田がさっきの発言から大人しく、そして暗くなっていた。そんな佐田を見て杉谷は不安になった……
杉谷澪
三等ゾンビ対策佐官
武器……拳銃




