Татья́на
「秋好さん! 調べるところが被っているのですがどうしましょうか?」
上条はすぐにそう聞いた。けれど秋好にはその意味が伝わらなかったらしく「被る? どういうこと?」と聞いてきた。なので上条は茶封筒に入っていた資料を秋好に渡した
「そういうことか。それじゃあどうしようかな〜」
秋好は資料に書かれてある『浜地警備専門社』という文字を見るとそう言った。するとそんな秋好に杉谷が「何で悩んでいるんですか?」と聞いてきた。なので秋好は「相澤と上条に渡したところが偶然浜地警備専門社でね。さすがに二人には違うところを調べさせた方がいいかな?」と相談した
「そうですね。時間もあることですし、二人にもこれを調べてもらってはどうですか? 調べ手が違えば分かることも変わると言いますし」
杉谷の意見を聞いた秋好は「確かにそうだな。じゃあ二人はこのまま『浜地警備専門社…』を調べてくれ」と指示を出した。なので上条は「分かりました」と言い、秋好から資料を返してもらった
「全員仕事は振ったよね? それじゃあ各自仕事を始めてくれ」
秋好はここにいる全員にそう言った。するとみんな資料庫に用事があるらしく、部屋から出ていってしまった
「相澤さん。自分達も行きますよ」
部屋に残された上条は相澤にそう言った。けれど相澤は「今はちょっと動けない」と言い、机に顔を伏せた
『これ、午前中は何もしないやつだ』
そんな相澤を見て上条はそう思った。なので相澤に「それじゃあ資料庫に行ってくるので何かあれば資料庫に来てくださいね」と言い
部屋から出た
『まったく、相澤さんのサボり癖には困ったもんだ』
上条はそんな事を思いながら資料庫へと向かって行った……
東京本部、第二資料庫……
「あったあった! これこれ」
佐田はそう言うと保管されている一冊のファイルを取り出した。そのファイルには『浜地警備専門社』と書かれており、いま二人に必要な情報が全てまとめられていた
「最後に情報追加したのは誰になってる? 私達だったらプラスの情報がないから使えないんだけど」
深見がそう言うと佐田はファイルにしまってある一番最後の紙を見た。その紙には誰が何の資料を追加したか書くもので、ほとんどは捜査部の名前が書かれていた
「えっと……大丈夫! テロ対策1が追加してからも二件追加されてる」
佐田はそう言うと深見にファイルを渡した。なので深見もその紙を見ると、捜査4が二つの資料を追加していた
「捜査4か。ならあまり意味がない気がする」
「何で? テロ対策1じゃないじゃん」
佐田がそう聞くと深見は「今回は合同捜査で組んでる相手が捜査4よ。だからこの事をまとめても捜査4にとっては再認識程度にしかならない」と説明した
「そういえば合同捜査だったな……。じゃあ手ぶらで帰るの?」
佐田はそう聞いた。すると深見は「一応これを持ってくわ。あくまで再調査だしプラスの情報が無くても大丈夫のはず」と言うとファイルを閉じた
「それじゃあ戻りましょ」
深見はそう言うとファイルが保管してあった棚の扉を閉めた。そして佐田と共に第二資料庫から出た
「このあとはどうする? 聞き込みでもする?」
エレベーターホールにつくと佐田がそう聞いてきた。なので深見は「とりあえずはこれを読まないと、聞き込みはその後ね」と答えた
「読むのってどんくらいかかる?」
佐田にそう聞かれると深見はファイルをパラパラッと見た。そして「二十分もあれば読めるよ」と答えた。すると佐田は「ならもう現場に行こっか。それくらいなら車の中でも読めるっしょ」と言うと、専用車の鍵をポケットから取り出した
「嫌よ。車の中で文字なんて読んだら酔うわ。私が運転するなら良いけど……」
「なら決まり。ちゃちゃっと行こ!」
佐田はそう言うと深見の腕を掴み、階段へと連れて行った
「エレベーターで良いじゃん。わざわざ階段なんて……」
「気にしない気にしない。健康のためよ」
佐田はそう言うと階段を駆け下りていった
『まったく、私は別に健康を気にするような歳でもないのに……』
深見はそう思いながらも階段を下りていった。そして佐田よりは遅いものの、何とか地下駐車場に移動した
「ほら行くよ!」
そう言ったのは佐田だった。佐田は既に車に乗り込んでおり、いつでも動かせる状態にしていた
「待って、運転は私が……」
「まぁ良いから良いから」
佐田は適当に誤魔化し、深見を助手席に座らせた。そして「それじゃあレッツゴー!」と言うと浜地警備専門社へと向けて車を走らせはじめた……
深見小都
准ゾンビ対策官
武器……拳銃




