Рома́н
「それではこれより捜査会議を始めます」
萱野は会議室の前にあるホワイトボードの前に立つと、マイクを使いそう言った。そして捜査内容を話し始めた
「対象は浜地信明。浜地が社長である浜地警備専門社のゾンビ対策法違反が発覚したため、本捜査を行う。なお捜査を行うに際して捜査3、テロ対策3は浜地本人を、捜査4、テロ対策1は浜地警備専門社を捜査してもらう。また本捜査では監視部にサポートをしてもらう」
萱野はそう言うと隣に立っている男性にマイクを渡した。するとその男性はそのマイクを使い話し始めた
「監視部の保科です。今回の捜査ではそれぞれに三人ずつ、計六人を配置します。監視場所は浜地信明邸と浜地警備専門社です。私は本部に残るため、現場の状況を知りたい時には私に言ってください。監視部からは以上です」
保科はそう言うと萱野にマイクを返した
「始まってまだ五分も経ってないが、全体で言うことはもうありません。このあとは最初に言った二つに分かれて役割分担を決めます。捜査3とテロ対策3は部屋の前で、捜査4とテロ対策1は部屋の後ろでやって下さい」
萱野がそう言うと部屋の中にいる対策官達はそれぞれの場所へ移動を開始した。なので秋好と杉谷も部屋の後ろへと移動し始めた
「ん〜と、これで全員かな」
田宮は集まっている対策官達を見ながらそう言った。そして「じゃあ始めようか」と言い、ここにいる対策官全員に何かが書かれている紙を渡し始めた
『これは……』
杉谷はそう思いながら紙を受け取った。そしてそれを見てみるとそこには役割分担が書かれていた
「役割分担はもう決めておいたよ。何か不都合な事があれば変えるから今言って」
田宮はそう言うと、秋好にも「秋好さん。大丈夫ですか?」と個別に聞いた。なので秋好は「問題ありません」と答えた。すると田宮は「分かりました。大窪と守谷も大丈夫?」と聞いた
「大丈夫です」
「私もです」
捜査4の二人もそう答えた。なので田宮は「じゃあ役割分担はこの通りで。質問とかある?」
田宮はそう聞いた
「すみません。一ついいですか?」
そう言ったのは秋好だった。すると田宮は「いいですよ」と言った。なので秋好は田宮にこう質問した
「この紙を見る限り、作戦準備がかなり手短にできると思うのですが、こんなに時間必要なんですか?」
田宮が渡した紙には役割分担の他に、今後の日程が書かれていた。その紙を見る限り、捜査4とテロ対策1が行う『浜地警備専門社強制捜査』は五日後になっていた。けれど役割分担の内容を見る限り、作戦準備に五日後もかかるようには思えなかった
「確かに言われてみれば……萱野さん。少々宜しいですか?」
田宮はそう言うと萱野にその事を質問した。すると萱野は皆に「その件だが、ただの日程調整だと思ってくれ。強制捜査は向こうと合わせたいんだけど向こうの準備が多くてね」と説明した
「分かりました。ありがとうございます」
秋好はそう言った。すると萱野は「すまないね。手伝ってもらってるのに暇な時間ができちゃって」と謝った
「いえいえとんでもない。それがテロ対策部の役割ですから」
秋好は萱野にそう言った
東京本部テロ対策部は役割に合わせて三つに分かれているが、総人員数は三十人と少なかった。そのため基本は捜査部の手伝いになっていた
「今後についてだが、十一日に作戦会議を行う。この仕事はそれまでに終わらせてきてくれればいいから、きっちりと済ませておくように」
田宮がそう言うと、萱野が「それじゃあこっちはもう解散するか?」と言ったなので田宮は「そうですね。もう決めることもありませんし解散しましょう」と言った。すると捜査4の人達はこの場を離れていった
「それでは十一日にまた」
田宮は秋好にそう言った。なので秋好も「えぇ、十一日に……それでは」と言い、杉谷と一緒に会議室から出た……
「無事終わりましたね」
そう言ったのは杉谷だった。なので秋好は「あぁ、捜査3、4の間でいざこざが無くて本当に良かったよ」と言った
「ですね。それはそうとこの十一日までにやる仕事、頑張れば今日中に終わりません?」
杉谷は秋好に紙を見せながらそう言った。すると秋好は「早く終わったら別件を進めればいいよ。やる事なんて無限にあるんだから」と答えた
「確かにそうですね。その殆どはただの確認作業ですが」
「まぁそんな作業も強制捜査よりは良いと思うよ」
秋好はそう言った。すると杉谷はこう返した
「確かに、少なくとも命を危険に晒すことは有りませんからね」
二人はそんな雑談をしながらテロ対策1専用室へと向かって行った……
萱野徹
一等ゾンビ対策佐官
常備武器……拳銃




