Па́вел
テロ対策3専用室……
「失礼する。左京はいるか?」
秋好は部屋の中に入るとそう言った。すると部屋の奥から一人の女性が出てきた。その女性は二人に近寄ると「お待ちしてました。それでは行きましょう」と言った
「行くって何処にだ?」
秋好は左京が何をしようとしているのか分からなかったためそう聞いた。すると左京は「捜査会議にですよ」と答えると、後ろを向き「北本、行くよ」と部下を呼んだ
「すまんが状況が全く掴めん。今回のはテロ対策部だけの話じゃないのか?」
秋好はそう聞いた。すると左京は「話してませんでしたか? テロ対策1、2、捜査3、4の合同だと」と言った
「捜査部が二つも……そんなに重大な作戦なんですか?」
杉谷がそう聞くと、左京の部下の北本が「まぁ相手が有名人ですから」と言った
「有名人? それは誰だ」
秋好がそう聞くと左京が「浜地です。それより捜査部の方々を待たせるわけには行きませんので、先に移動を」と言うと、テロ対策3専用室の扉を開けた
「それで会議は何処でやるんだ?」
「捜査部第一会議室です」
左京はそう答えるとエレベーターホールへと向かって歩き始めた。なので二人も左京について歩き始めた
「秋好さん。浜地って最近良からぬ噂が流れてる俳優ですよね?」
エレベーターホールへと向かう道中、杉谷がそう聞いてきた。なので秋好は「多分な。てっきり警察案件かと思ってたから驚きだよ」と言った
浜地信明……世間ではそこそこの知名度を持つ俳優で、自分の会社を持っていたりと経営面においても優秀な人だった。けれど脅迫や詐欺といった良からぬ噂か絶えず流れている人物でもあるため、世間では見る人によって評価が分かれていた
「しかし一体なんの罪で……」
杉谷がそう言うと秋好は「こっちが受け持つ時点で罪状は決まってるだろ?」と言った。すると杉谷は「ですね……私達が捜査するのですからゾンビ関係ですよね」と言った
「正解。ただいつもとレベルが違いますが」
左京はそう言うとエレベーターに乗り込んだ
「レベルが違う?」
杉谷はエレベーターに乗りながらそう聞いた。すると左京は「ゾンビを隠し持ってた……みたいなやつとは違うマジのやつです」と言った
「正直なところ何を言ってるか全く分からん。部屋についたら詳しく聞こうか」
秋好はそう言った。すると左京は「そうですね。私も初めて聞いたときは一回で理解できませんでしたから……」と言うとエレベーターの扉を閉めた……
捜査部第一会議室……
ガチャッ!
左京が部屋の扉を開けると、近くにいる対策官が「左京さん秋好さん。お忙しい中すみません」と言ってきた
彼の名は萱野徹、捜査4の捜査長である。そしてそんな彼の横には捜査3の捜査長の九十九美華がいた
「いえいえ、それで捜査の内容というのは」
秋好は萱野にそう聞いた。すると萱野は「それについてはこれから全体で一通り説明します。もうしばらくしたら始めるので、それまで適当な席にどうぞ」と言った。なので秋好は杉谷と共に空いている席に座った
「秋好さん。今回の捜査ちゃんと終わりますかね……」
「大丈夫だろ。なにか不安でもあるの?」
秋好は隣に座る杉谷にそう聞いた
「えぇ、聞いた話ではあるのですが、捜査2、3、4は仲が悪く互いが手柄を取り合っていると聞きまして……」
「その事か。確かにそんな話は俺も聞いたことがあるが……」
秋好がそういった時だった。突然誰かが後ろから「大丈夫ですよ。捜査3と4は協力関係にあるので」と言ってきた。なので二人は後ろを見ると、そこには捜査4の田宮がいた
「田宮さんでしたか……」
杉谷がそう言うと田宮は「ダメでしたか?」と聞いてきた。なので杉谷は「いえ、ただ捜査長方に聞かれたかと思い、焦りましたよ」と言った
「大丈夫大丈夫。捜査部が色々となってるのは事実だから聞かれても大丈夫」
田宮はそう言うと軽く笑った。するとそんな田宮に秋好は「田宮さん。その協力関係というのは……」と事情を聞いた
「そのままだよ。捜査3と4は関係が悪くない。そういう意味」
田宮はそう説明した。しかし秋好は聞いてた話と違うため「捜査2、3、4は関係が悪いと聞いたのですが違うんですか?」と聞いた。すると田宮は説明した
「確かに二つとも捜査2と仲が悪いのは事実。だけど捜査3と4は悪くないよ。むしろ協力して捜査2に立ち向かってるって感じだよ」
「萱野さんから色々と話を聞きましたが、対立理由が同じだったから協力してるみたいです」
そう言ったのは田宮の部下の五田だった
「その対立理由というのは?」
秋好がそう聞くと五田は「申し訳ないのですが、聞いたのがだいぶ前でしてそこまでは……」と謝った。すると田宮は「少なくとも本件に支障が出ることはないから安心して。まぁ何にせよ対立はやめてほしいんだけどね」と言った
「なんと言いますか、捜査部も色々と大変ですね」
杉谷はそう言った
捜査3、4は捜査2と関係が悪く、合同捜査すら行われていなかった。けれどそれはあくまで捜査長同士の話であり、その他の捜査官まで対立しているということはなかった……
五田裕次郎
三等ゾンビ対策佐官
常備武器……拳銃




