Зинаи́да
『監視対象は……あれか』
中幡は監視対象を見つけると心の中でそう言った。そして監視対象の後ろへと音を立てずに移動した
『これなら行ける』
中幡は監視対象の後ろを取ると銃を監視対象に向けた
パンパンッ!
中幡は監視対象に向け、二回発砲した。すると監視対象の付近で待機していた対策官達が一斉に姿を現した
「捕まえろ!」
前村がそう言ったときだった。突然一発の銃声が霊園内に響いた。すると中幡の銃声と共に飛び出した対策官の一人が地面に倒れこんだ
「え?外れたの?」
そんな様子を離れたところから見ていた中幡は小声でそう言った
「最初ので制圧できてないぞ」
六原は監視対象から死角となる場所に隠れるとそう言った。すると前村は拳銃を取り出し「なら殺すしかない」と言った
パンッ!
前村が監視対象を狙い発砲した。すると監視対象は倒れてしまった
「やったか?」
前村がそう言うと、六原は懐中電灯で倒れている監視対象を照らした。監視対象はどこに弾が当たったのか分からないが、血を流して倒れていた。なので前村は「終わったかな」と言い、監視対象に近付いた
「監視対象は……」
前村が監視対象を照らしていると中幡が駆け寄ってきた。なので前村は監視対象を照らしながらこう言った
「見た感じだと弾は腹に当たったみたいだね。一応意識もあるみたい」
「誰か報告を頼む」
六原がそう言うと近くにいた女性対策官が「了解です」と言い、無線機を取り出した
「こちらの最終被害は三人か、ほんとヤバいやつだったな」
六原がそう言うと古河が「ご迷惑お掛けしました」と謝罪した。なので六原は「良いの良いの、これも仕事だし」と言った。するとそんな六原に前村が「そういえば貴方の部下ってどこにいるの?」と聞いてきた
なので六原は「部下ならそこに……いや、大平駅だ」と答えると慌てて無線機を取り出した。そして司令官と何かを話し出した
「それじゃあここの処理は私達がやっておくわ。貴女方は捜査対象に付き添っていいわよ」
前村がそう言うと中幡が「了解です。色々と有り難うございました」とお礼を言った。なので前村は「また何かあったら宜しくね」と言った
「そのような事態はないようにしますが、もしあったら……その時はお願いします」
古河がそう言ったときだった。突然女性対策官が前村に「前村さん。捜査対象の拳銃がありません」と報告してきた。なので前村は「え?付近も探してみたの?」と聞いた。すると女性対策官は「はい。ですがどこにも……」と言った
「仕方ない。とりあえず今は負傷者を何とかしよう。銃はそのあとね」
前村はそう言うとこの場を離れようとした。するとそんな前村に六原が「ちょっとまて」と呼び止めた。なので前村は「なに?なんかあったの?」と聞いた
「捜査対象が何か言おうとしてないか?」
「え?どういうこと?」
前村はそう言われると倒れている監視対象を見た。監視対象は声こそ出ていないものの、必死に何かを伝えようとしていた
「確かに何かいってますね」
古河も監視対象を見るとそう言った。けれど古河達には監視対象が何を伝えようとしているのか全く分からなかった
「残念だけど何を言いたいのか全く分からないわ。病院に行ってから担当の人に言ってちょうだい」
前村は監視対象にそう言うとこの場を離れようとした
パスッ!
突然そんな音がすると監視対象の頭から血が吹き出した。それを見た六原は「え?何が……」と言った。すると中幡が「狙撃よ!早く死角に!」と言い、六原を死角へと押した
「こちら古河、監視対象が狙撃されました」
古河は無線を使い、そう報告した。けれど四鷹の司令官達には狙撃事件の対応をしたことがないのか、何の返答もなかった。なので古河がもう一度言うと無線から保科の声が聞こえてきた
「こちら司令、狙撃把握した。狙撃の場所は分かるか?」
「いえ、方向しか……」
古河がそう言うと保科が「じゃあ方向を教えてくれ」と言ってきた。なので古河は「駅の方向からです」と答えた……
四鷹ゾンビ対策基地、第三司令室……
「狙撃って何、初めてなんだけど……」
先程まで司令をしていた羽川はそう言いながらあたふたしていた。そんな羽川の横で保科は名取にこう言った
「名取、本部に連絡を頼む」
「了解です。それで内容は?」
名取がそう聞くと保科はこう言った
「監視対象が狙撃された……と頼む」
「了解です」
名取はそう言うとスマートフォンを使って本部にいる本郷に電話をかけ始めた
『狙撃……今回の監視対象は裏で何かあったのか?』
名取が電話をかけている間、保科はそんなことを考えた……
前村沙耶香
二等ゾンビ対策佐官
武器……拳銃




