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テロ対策は闇が深い!  作者: ソーダ
第一章
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Fox

『やっぱり調べ事があるときは資料庫よね』


杉谷はそう思いながら、第一資料庫準備室に入った。すると第一資料庫準備室に設置されている検索機を使っている秋好がいた。なので杉谷は秋好に声をかけることにした


「秋好さん。どうもです」


杉谷がそう言うと秋好は杉谷を見た


「あぁ、杉谷か。杉谷も検索機使うのか?」


「はい。これがないと何処に何があるか分かりませんしね」


杉谷はそう答えた。すると秋好は困ったようにこう言った


「悪いんだけど、調べるものがいくつもあってしばらく終わりそうにないんだ。少し待ってもらえる?」


秋好は杉谷にそう頼んだ


「構いませんよ。因みにあとどれくらい調べるのですか?」


杉谷はそう聞くと、秋好の操作している検索機の画面を覗きこんだ。すると画面には『24件』と書かれていた


『あ、私の思ってた量よりはるかに多いわね』


杉谷は心の中でそう言った。すると突然資料庫の方向から声が聞こえてきた


「秋好さん。何とかいくつかは見つけてきました」


そう言って此方に来たのは、杉谷と同じテロ対策1に所属する対策官、佐田千浪さだちなみだった。彼女は今回の調査はA班のため、秋好と同じ班だった


「その資料はそこの机に置いておいて。そしてこれを……」


秋好はそう言うと手に持っていた紙を佐田に渡した。杉谷は秋好が渡した紙が何なのか気になり、気付かれないようにチラッと見た。するとその紙には資料のしまってある場所がズラッと書かれていた


『あれだけで十件は越えてるよね?一体いくつ取り出すつもりなの?』


杉谷は声に出してしまいそうになりながらも何とか抑え、心の中でそう言った



この第一資料庫は東京本部で一番大きな資料庫であるものの、検索機は一台しかなかった。なので杉谷は秋好達が使い終わるまで、資料を取り出せなかった。しかし秋好達は大量の資料を取り出そうとしていたため、その間杉谷は暇だった


なので、ずっと秋好の近くで立ってるのもおかしな感じがしたので、とりあえず椅子に座ることにした


『うん。暇だし取り出す資料の確認でもしようかな』


杉谷はそう考えると、テロ対策1専用室でメモしてきた手帳を取り出した。と、いってもそのメモはあくまで調べる企業、団体の名前が書いてあるだけで、どの資料を取り出すかは決めていなかった


『とりあえず潜入捜査官がつくったやつは取り出すとして、他をどうしようかなぁ』



ゾンビ殲滅局には潜入捜査官がいる。潜入捜査官は主にゾンビ殲滅局が危険だと判断している組織、団体に乗り込んで情報収集、及び破壊工作をしている。なので実際に乗り込んでいる潜入捜査官がつくった資料はとても貴重なものだった


杉谷は何の資料を取り出そうか考えたものの、そもそも検索機を使わないと何があるのかすら分からなかった。なので秋好が使い終わるまでボーとしているしかなかった……



東京本部、テロ対策1専用室……


『うぅ……一体私はどうすれば……』


杉谷が部屋を出ていってから十分ほどが経っても、速水はまだその事で悩んでいた。すると、資料を読まずに悩んでいる速水に照屋がこう質問した


「速水、何か悩んでいるようだけど何かあったの?」


照屋がそう聞くと速水は小声でこう言った


「杉谷三佐のことなんですけど……」


「ん?杉谷さんと何かのあったの?」


照屋は速水が悩んでいる理由を知らなかったので、軽々しくそう聞いた。すると速水はこう言った


「杉谷三佐、実は裏が黒いとかいう話ってあります?」


「え?」


速水がそう言うと、照屋はついそう言ってしまった。しかし照屋は速水が何の話をしているのか理解できなかったため、「どういうこと?」と言った。すると速水はこう言った


「そのままです。照屋准官は杉谷三佐の黒い部分知ってます?」


『あ、これ面倒なやつだ』


照屋は速水の質問を聞くとそう思った。しかし照屋は、自分から相談させておいて勝手に会話を終わらせるのはいかがなものかと考え、嫌でも質問に答えるしかなかった


「いや、知らないよ。杉谷三佐はとても良い人だからね」


照屋はそう言った。しかしその言い方が速水には嘘っぽく聞こえてしまったらしく、速水はこう言ってきた


「本当ですか?実は裏でやりまくってるとかありません?」


「えぇ?」


「だからこれです」


速水はそう言うと腕を切るジェスチャーをした


『やりまくるってリスカの方なのね。俺の心が汚れてました』


照屋は完全に速水のペースに乗せられながらも、心の中ではそう言った


『それよりどうやって速水を止めようか……』


照屋は何とか速水を止めれないか考えたが、照屋にはもう止められなかった。速水は既に考えが暴走しており、杉谷を悪い人か何かと勘違いしていた


「照屋准官、質問に答えて頂けます?」


速水はそう詰め寄ってきた。しかし照屋の口からは何とも言えず、ただ黙って誰か来ないか祈っていた。するとその祈りが届いたのか、突然部屋の扉が開いた


「杉谷さんはいま……せんね。それでは」


上条はそう言うと部屋の扉を閉めようとした。しかしこの幸運を照屋は逃がすはずがなかった


「上条!ちょっと良いか?」


照屋がそう言うと「はい?何ですか?」と言い、上条がやって来た。すると照屋は突然立ち上がると「後は任せた!」と言って逃げるように部屋から出ていった


「照屋さん仕事のし過ぎで可笑しくなったのかな?」


事情の知らない上条はボソッと言うと部屋を出ようとした。しかし上条がドアノブを掴むより早く、速水がこう言った


「上条一等、少々宜しいですか?」


上条はそう言われると速水を見た。そのときの速水は全身から負のオーラが漂っていた……



速水知歩はやみちほ


二等ゾンビ対策官


武器……拳銃

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