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テロ対策は闇が深い!  作者: ソーダ
第一章
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Dog

東京本部、監視部……


「失礼します」


相澤はそう言うと監視部専用室に入った。すると扉の近くにいた男性対策官か相澤にこう言った


「相澤か。相変わらず騒がしいな」


「いえいえ、それほどでも」


相澤は右手で頭をかきながらそう言った


「誰も誉めてませんよ」


そんな相澤に上条は素早く突っ込みを入れた


「んで、今日はあれか?愛護団体の?」


本郷は相澤にそう聞いた


「そうです。けれど、なんでそのこと知ってるんですか?」


相澤は本郷にそう聞いた質問した。今回のゾンビ愛護団体調査のことは、テロ対策1の人間しか知らないはずだった。なのにその事を知っている本郷がおかしく思えた。すると本郷はこう言った


「そりゃあ此方にも紙渡されてるからな。この読みづらいやつが」


本郷はそう言うと五枚の紙を見せた。相澤はその紙を見ると、すぐに少し前まで読んでいた資料だと分かった


「あ、そうなんですか。てっきり本郷さんがスパイか何かかと思いました」


相澤はそう言うとまた頭をかいた。さすがに上条も突っ込まなかったが、『監視部の人間がスパイなわけないだろ』と思っていた


監視部は、ゾンビ殲滅局ができたときからある部の一つである。この監視部はテロ対策部と階級が違い、上から一等監視官、二等監視官、三等監視官、四等監視官となっていた。


そして上条が監視部にスパイがいないと言う理由、それは監視官になる方法に理由があった


ゾンビ殲滅局監視部に入るには当然のことながら監視官にならなければならない。この監視官になるには入局五年以上、そして身辺調査をクリアしなくてはならなかった。なので身内に不可解な死を遂げている人がいたり、警察の持っている情報に家族、友人が載っていると監視官にはなれなかった


監視官になるにはとても厳しい調査があり、自分の努力だけではどうしようも出来ない部分ががあるため、スパイがいるとは考えられなかった


しかしなぜ監視官になるにはこんな厳しい調査を受けなくてはいけないのか。それは監視官の仕事内容に答えがあった


監視官の働く監視課は、ゾンビ殲滅局が危険だと判断した組織、団体、個人を監視している。なので、もしその監視対象と縁があり虚偽報告されると、最悪ゾンビを使ったテロが起きる可能性があった。もしそうなれば日本どころか世界問題に発展しかねない。なので監視官になるのは大変なのだ



「それじゃあちょっと来てくれない?」


本郷はそう言うと相澤達を部屋の奥へと連れていった。そして相澤達にホワイトボードを見せた


「俺達監視部は、愛護団体本部を二十四時間体制で監視している。そしてこの二人も二十四時間体制で行動を追っている」


本郷はそう言うと二枚の写真を取り出した。その写真には白髪の男性と五十代ほどの女性が写っていた


「これは?」


相澤はその写真を見るとそう聞いた。するとその質問に上条が答えた


「この男性は、愛護団体の総長。そしてこの女性は愛護団体の研究員です」


上条がそう説明すると相澤は「よく知ってるな」と言った。けれどこの二人は半年前の調査で出てきていた。なので上条は『何で重要人物を覚えていないんだ?』という相澤に対する驚きがあった


「この二人は調査の上で見逃せない重要人物だ。顔はちゃんと覚えておけよ」


上条はそう言われるとホワイトボードに貼ってある写真を見た。しかしこの二人の顔は半年前の調査で嫌というほど見ていたため、すでに覚えていた


「あの、本郷さん。結局我々は何を監視すれば……」


上条は本郷にそう聞いた。すると本郷は少し悩むとこう言った


「特にない。監視自体は此方がやってるしな」


「それだとちょっと……」


「じゃあ他のメンバーの情報あげるから、そのメンバーでも調べたら?何かしらは出てくると思うよ」


本郷はそう言うと近くにいた部下に資料を持ってくるよう指示した


「でもそれって意味あります?」


相澤はそう言った。確かにゾンビ愛護団体の重要人物はすでに監視部が監視していた。なのでその他の人間を監視しても情報は落ちないと考えた


「まぁ情報は落ちないかも知れないけど、やってみる価値はあるんじゃない?」


本郷は目を合わせずにそう言った。おそらくあれはやっても意味がないということだろう。そんな本郷を見て上条は『コロコロ意見を変える人だなぁ』と思った


「まぁそれくらいしかやることないし、愛護団体の残りの連中調査してみるか」


相澤はそう言うと本郷の部下から資料を受け取った。その資料は茶封筒に入っており、かなり厚かった


「高坂、コレいつのから持ってきた?」


本郷は相澤にあげた資料を指差しながらそう聞いた。すると部下の高坂は「五年前からですね。なので今は居ない人の名前も入っているかと……」と答えた


「あの、ちょっと良いですか?」


「ん?何か質問?」


上条が声をかけると本郷はそう言った。なので上条は気になったことを質問した


「高坂さんが言った、今は居ない人ってどういう意味ですか?」


上条はそう聞いた。すると高坂は手を口に当てて、考え事を始めた。そして少しするとこう言った


「危険すぎて潜入捜査官に消されたか、公安に連れていかれたか……って意味」


上条は高坂の回答を聞くと、背中に冷たいものが走った。ゾンビ愛護団体関連の調査をすると、大体闇深い情報が出てくる。なので上条は出来る限りのそのような情報は知らないでおきたかった……



上条司かみじょうつかさ


一等ゾンビ対策官


武器……拳銃

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