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テロ対策は闇が深い!  作者: ソーダ
第一章
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Baker

東京本部、第一資料庫準備室……


杉谷は第一資料庫準備室にいた。この第一資料庫は東京本部で一番広い資料庫のため、資料を探すときには第一資料庫準備室にある機械を使って資料のしまってある棚を探すことになっていた



ポロンッ!


杉谷が画面を操作していると、そんな音がした。そして操作していた画面には『この先は三等ゾンビ対策佐官以上、または情報管理課、資料管理課、研究課の人しか調べられません』と表示されていた


『案外規制掛かってるのね』


杉谷はそう思いながら手帳を取り出した。この手帳はゾンビ殲滅局の人間であれば、全員に渡される『対策手帳』と呼ばれるものである。これがあることによって自身がゾンビ対策官であると証明される大切なものだった



ピッ!


杉谷は対策手帳に書いてある十二桁の数字を機械に打ち込んだ。すると先程のロックは外れ、お目当ての資料がどこにしまってあるかの情報が表示された。なので杉谷はその場所を忘れないようにするため、手帳に書き込んだ


『私、三佐で良かった。でなければ取り出せなかったし』


杉谷はそう考えると手帳を開いたまま第一資料庫に入っていった


ゾンビ対策官にも他の役職同様階級がある


上から特別ゾンビ対策官、准特別ゾンビ対策官、一等ゾンビ対策佐官、二等ゾンビ対策佐官、三等ゾンビ対策佐官、准ゾンビ対策官、ゾンビ対策士長、一等ゾンビ対策官、二等ゾンビ対策官となっていた


けれど特別ゾンビ対策官と准特別ゾンビ対策官は例外という扱いになっているため、事実上は一等ゾンビ対策佐官が一番上ということになっていた


そして一等ゾンビ対策官なら一佐、准ゾンビ対策官なら准官といった感じに略されて呼ばれていた


そんな九つの階級のうち、杉谷は『三等ゾンビ対策佐官』だった



『目的の場所は……』


杉谷はそう思いながら第一資料庫を歩いた。この第一資料庫の棚は移動棚と呼ばれるもので、他の資料庫とは違い探すのがかなり面倒だった。けれどこの移動棚は少ないスペースで大量の資料を保管できるため、これが無くなるということは絶対にないだろう


『GF2753はここね』


杉谷はそう言うとGFと書かれている棚の前で立ち止まった。そして『GF2753』にしまってある資料を取り出すために、周りの棚をずらし始めた


しかしこの作業がかなり大変だった。この移動棚を動かすには横についているハンドルを回す必要があった。他の資料庫でも移動棚は使われているが、残りの二つではボタン一つで機械が勝手に道を作ってくれた。なので第一資料庫の移動棚は手動なので不便でしかなかった


「えっと、2753の棚は……」


杉谷はボソッと言いながら資料の入っている棚を探した。そしてようやく見つけると棚を開いた


「これね」


杉谷は棚に入っている資料を持ち上げた。するとその資料の下に何かが置いてあるのが見えた。なのでその何かを手に取った


「USBメモリあるなら最初からここにしまわないでよ」


杉谷は棚に入っていたUSBメモリを手に取ると思わずそう言ってしまった


ゾンビ殲滅局はアウトブレイクが起き、電気系統が使えなくなっても麻痺しないように、あらゆる面がアナログ式だった


例えば資料や報告書は全て紙で、保管の際も必ず紙の資料を入れなくてはいけないというルールがある


なのでこんな事をしているため、当然のことながら色々と不便だった


『まぁ何だっていいわ。それよりこの資料を見て見ましょう』


杉谷はそう思うと棚から取り出した資料を持って部屋から出た。そしてテロ対策1専用室へと向かって歩き始めた……



テロ対策1専用室……


『なんだ?この人に読ませる気ゼロのまとめ方は……』


相澤は資料を読みながらそんなことを思っていた。元々渡される資料は読みづらいものだったが、今回の資料はいつになく酷く、中には誤字や表現のミスがあった


「日本語の使い方を間違えんな!」


あまりにも酷い資料だったため、相澤はついそう言ってしまった。すると相澤の隣の席の対策官がこう言った


「もう少し声の大きさを下げれます?さすがにちょっと……」


「それはすまないね。ならこの解読手伝ってくれるか?」


相澤はそう言うと隣に座っている対策官に紙を一枚渡した。するとその対策官は「これくらいなら……」と言うと資料を読み始めた。しかし資料を読み進めていく事に表情がだんだん固くなっていった。そしてついに……


「何ですかこのクソ資料。酷いにもほどがあります。最近の若者は日本語の使い方を知らんのかいって感じですわ!」


「上条、声の大きさを……それとあんたも若者だよ」


相澤はここぞとばかりにそう注意した。すると上条は「申し訳ないです」と言い、資料を返した


「あれ?もう良いの?」


「はい。こんな資料読む価値ありません」


上条ははっきりとそう言った。しかし相澤は何がなんでもこの資料を読み、内容を理解しないといけなかった。なので相澤は上条との会話を終わらせると、再び資料を解読し始めた……



杉谷澪すぎやみお


三等ゾンビ対策佐官


武器……拳銃


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