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テロ対策は闇が深い!  作者: ソーダ
第一章
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Able

今から九十年前、世界中で突如ゾンビが現れた。これにより多くの人が行方不明になってしまった


そんな大事件が起きてから一週間後、日本政府はゾンビに対抗する組織、『ゾンビ殲滅局』をつくった。このゾンビ殲滅局の力により日本にいるゾンビのほとんどは駆逐された……


現在…… ゾンビはいるものの遭遇することはほとんどなかった。が、それでもゾンビはたまに街中に現れる。そんなゾンビを倒すのが『ゾンビ殲滅局』の職員、『ゾンビ対策官』である



ゾンビ殲滅局東京本部……


「また変な仕事を持ってきたな……」


男性対策官は歩きながらそう呟いた


彼の名前は相澤嘉明あいざわよしあき、ゾンビ殲滅局東京本部に勤めるゾンビ対策官である


「仕方ないよ。それが仕事だから」


相澤の独り言に女性対策官がそう言った


彼女の名は杉谷澪すぎやみお、相澤と同じく東京本部に勤めるゾンビ対策官だ。そして二人ともテロ対策部という所で働いていた


テロ対策部とは、バイオテロを事前に防ぐための集団である。そんなテロ対策部は三つに分かれていて、


組織、団体を調べるテロ対策1

個人を調べるテロ対策2

世間に与える影響が大きい人物を調べるテロ対策3


と仕事内容が分けられていた。そんな中でも相澤と杉谷は、組織や団体を調べるテロ対策1に所属していた



ガチャッ!


相澤は近くにあった扉を開け、部屋の中に入った。部屋の中には仕事をするためのデスクや書類がしまってある棚があった


この部屋はテロ対策1の対策官が使える専用スペースだった。なのでこの部屋の中にいる対策官はみんな一緒に働いている人達だった


「秋好さん。受け取ってきましたよ」


相澤は棚を漁っている秋好という男性対策官にそう言った


秋好歴あきよしれき、彼はこのテロ対策1のリーダーで、それなりにテロ対策部にいるため経験も豊富な人物である


秋好は話しかけられると作業を中断し、相澤を見た


「あぁ、お疲れ。ちょっと見せて」


秋好はそう言うと相澤からクリアファイルを受け取った。そのクリアファイルの中には紙が入っており、秋好は紙を取り出した


「次はゾンビ愛護団体総本部か」


秋好は紙を見るとそう言った


ゾンビ愛護団体、この団体はゾンビを殺すのを否定し、時々ゾンビ対策官を妨害する頭のおかしな人が集まった団体である


「面倒なことになりそうだな」


「ですね。コイツら日本語繋がりませんからね」


相澤はそう言った


この日本語が繋がらないというのは、理解力的な問題で話が繋がらないという意味である。なのでゾンビ愛護団体の人間も同じ日本人である


「まぁ、何がともあれこの調査するか」


秋好はそう言うと手を叩いた。そして部下達にこう言った


「全員集合」


秋好がそう言うと部下達は駆け足でやってきた


「今回はゾンビ愛護団体総本部を調査することになった」


秋好がそう言うと部下達は一人を除いて皆嫌そうな顔をした。何故ならゾンビ愛護団体については過去に何回も調べていた。けれど愛護団体の調査は、他の組織、団体よりも大変な上に大した情報が落ちてこなかった。なので過去に行った調査は全て打ち切りになっていた


「またこの調査ですか」


「仕方ないさ。俺が決めた訳じゃないんだから」


秋好は部下の文句にそう答えた。そして続けてこう言った


「と、いうわけで各自調査を頼むよ。解散」


秋好はそう言うとどこかに行ってしまった。すると今度は皆の前に相澤が出てきた


「役割分担についてだが、先にこの資料を読ませてくれ。話はそれからだ」


相澤がそう言うと対策官達はそれぞれの場所に行ってしまった。この場に残された相澤は手に持っている二つのクリアファイルを見た


「杉谷、これ」


相澤は近くにいた杉谷にクリアファイルを渡した。このクリアファイルの中には今回の調査に関することが書かれていた


「ありがとう」


杉谷はそう言うとクリアファイルを受け取り、中身をチラッと見た。中には数枚の紙しか入っていなかったものの、どの紙も字でびっしりと埋まっていた


「これはなかなか読み応えのありそうな資料ね」


杉谷はそう言うとクリアファイルから資料を取り出した


「それじゃあ俺は色々あるからこの辺で」


相澤はそう言うと自分の席に行ってしまった


ゾンビ愛護団体は過去に何回も対策課による強制捜査を受けていた。けれどその度に何処からか湧いてくる金により元通りになっていた


「本気で潰しにいく……というわけね」


杉谷はボソッと言うと、東京本部にある資料庫へと向かって歩き始めた


このゾンビ殲滅局東京本部には三つの資料庫がある。この三つの資料にはゾンビ殲滅局が出来た頃からの資料が保管されていた


「相澤、資料庫に行ってくるから読み終わったら連絡お願いね」


「分かったよ」


相澤は資料を読みながらそう返事をした。相澤の読んでいる資料は紙が少ないのも影響してか、文字がかなり小さかった。しかもそれに加えて、図などもなく読むのが苦でしかなかった……



秋好歴あきよしれき


一等ゾンビ対策佐官


常備武器……拳銃


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