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ガガガガ・・・ゴゴゴゴ・・・
「淵江社長みつかりました3千年以上前の古代遺跡です、しかもとても綺麗な状態で...」
『あ~ん?やっと見つかったかよ!遅いんだよ金払わねえぞ!』
「すみません社長...」
『ったくよーどいつもこいつも使えねーなークズどもがよっ!』
俺の名前は淵江隆文、庶民の連中からはITバブルの申し子『フチエモン』と呼ばれ大人気だ
つい最近テレビ局の買収に成功して名前をフチテレビに変えてやった
今日は自社TVの特番で古代遺跡に隠された秘法ってやつを発掘にきたわけだ
「社長これはスゴイですよ、研究員に見せたところなんと【ダメ人間を消す薬】だそうです」
『お~お~、スゲーじゃねえかwwてめーら普段使えねえくせに良くやったよなあ?いつもそれくらいしろよww』
「は、はい...ですが社長」
『あ~ん?なんだよデコスケ』
「ダメを消すな・・・と終わりに書いてあるようでして...」
『はぁーいるんだよな~どの時代にも、力を持っていながらため込む偽善者ヤローがよ!ww』
『よっしゃ!持ち帰って製薬会社に売り込みだ!...いや、モバ社辺りを買収しても元がとれるかもなww』
「し、しかし社長、ダメ人間が消えれば社長の敵が増えるのでは・・・」
『あ”!?おいテメエ!!』
「ひっ...す、すみません」
『お前ジョークとか言えたのか!?冗談言えない真面目ちゃんかと思ってたゼww』
「ふあっ・・・へ?」
『ダメ人間が真面目になったくらいで俺にかなうわけないだろ!?』
「そ、そうですよねwははっw」
『それにな、世の中にはやってられねークソみたいな仕事ってのが山ほどあるんだ』
『そいつは誰かがやらなきゃいけねー、俺はやらねー、お前、やりたいか?』
「い...いえいえ滅相もございません!」
『だろうなwそんなクソみてえな仕事を文句を言わずやるしかないのが、お前みてえなダメ人間なんだよ、ダメがいるから社会が発展するわけだ』
『ダメ人間を消そうとするやつがいるとすれば、そいつはダメ人間以下のダメ人間だろうなww』
『こいつはダメ後継者に悩んでるセレブ層の坊ちゃんに高く売れるぜぇ?笑いが止まらねえなあww』
「さ、さすがです!その通りですw淵江社長にかなう経営者などいませんね!」
『ったりめーだろボケ!もしマシな奴がいたらお前クビにしてそいつ下僕にするわww』
「は...はあ...」
『っしゃ、もうここに用はねえな...帰って一杯やるぞ、お前も来いダメチャーリー!』
「はっ、はい社長!」
(了)