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ふわふわてっけんせいさい~邪知暴虐極めし者たちへ~  作者: とろろプリン
第一幕  おおいなるしらべ、せんりつ
3/4

いんじゃたちのかいこう  そのⅡ

前回のあらすじ!!!


素人童貞でさえない会社員の生男と

風俗嬢でビミョウに美しい揺美はSEXを目前に死亡した!


殺したのは他でもない。あの甲高い声のネズミだ!


そこにあらわれたのは白銀の体毛を持った<ふわふわ>だ!!!!

さて、どうなってしまうんだ!!

敢え無く素人童貞と風俗嬢のラヴストーリーは終焉を迎えた。



カッ斬られた首が二つ転がる中、おどろおどろしい影は夕闇に映えて立つ。それも二つ。


 鮮血の湖がじわりと周囲に広がりだす。

 

 大きな耳を持ち、鋭い齧歯を光らせるネズミの姿を持ったバケ者は口を開いた。


「キミ……ダレ?ハハッ!」

表情らしきものはこの生物?にもある。しかし常にひきつった笑顔でしかない。その視線はゲートを破壊し現れたバケ者に向けられている。



視線を向けられたバケ者は2m弱はあろうかという巨体であった。

その姿は雪男のようだ。伝説上の何かに例える他ない。特徴といえば、全身に生えた白銀の体毛か。筋肉というものは直接見えないものの、華奢なゲッシ類のバケ者とは比較できないほどの肢体を持っていた。



「俺のことはどうでもいい。今すぐ忘れてくれ。ここに来たことも。その<壁>を壊したこともな。」

巨体のバケ者はじりじりと距離を詰めかかる。重みで地が震えているように感じられる。

少しばかり両者の距離が縮まった。


巨体は静かに歩みを止める。



そして……静寂が訪れる。



 静寂を破る甲高い声!

「忘れる?そりゃあ、こっちのセリフだよ!ハハッ!キミは見たよねぇ……ボクが殺したのみちゃったよねぇ!ハハッ!」


話しながらその脚は力を蓄えているように見える。


「お教えといたげる。ボクはマィッキー!このドゥィズニーランドの主さ!ハハッ!…………

でも……教えたげたけど……死んでね!ハハッ!」


 その瞬間!先刻より力を溜めて踏み込んでいた両脚が解き放たれた!!


 マィッキーと名乗るものは3歩ほどでおよそ20メートルほどの距離を詰める!

 齧歯は空を裂き、ヒュルヒュルと音楽を奏でた!



「知ってるよお前の名前はな。有名だもんな。」


そう言いながら巨体なバケ者は両足を前後に広げ、大きく体躯をしならせた!!

さらに拳を握りこんでいる!!


マィッキーは齧歯をむき出して巨体の喉元に噛みつかんとしている!


両者がついにかちあう!!!!



グォゥルン!!!!

名の知れぬバケ者から繰り出されたパンチ、鉄拳はマィッキーのこめかみに突き刺さる!

齧歯が突き刺さるであろう吸うコンマ前には拳は動きだしていたのだ!!


衝撃で大地がビリビリと震えた!


おお、なんということか。鉄建は完全にマィッキーの頭蓋を砕き。脳髄と澱んだ血液を噴水のごとく

噴出させた!




そして、マィッキーは死の瞬間、思った。

(こいつは……<アイツ>だ……ハハ……ハハ……)



マィッキーはそのまま水平に吹き飛ぶ! 血液をスプリンクラーのように撒きながら何十メートルと吹き飛んだところで、人気アトラクションである<ダナルドダックの館>に突っ込んだ。


先ほどまでの面影など残ってはいない。そこにあるのは紅の肉塊に四肢がついているだけの、とってもかわいい玩具だ。




一瞬でことは済んだ。そう、一瞬で。





「仕方のないことだ。二人の人間と一人のバケモン……何も言えねえが、そういうもんだったんだじゃないか?……」




捨て台詞をはいて、巨体なバケ者は去る。夕暮れを背中に負いながら。


(この二人はこの施設のやつらが処理するだろう……)


雪のような体毛は、血に染まっていない。

彼はインパクトの瞬間、バックステップを踏んだ。美しい毛並みのまま戦闘、いや粛清とも見える行いは終幕した。




バケ者は白銀の体毛を白銀のまま光らせ、どこかに帰る。どこに帰るのだろう。このような異形の者が帰る場所などあるのだろうか?


バケ者は、先ほどより少しばかり薄暗くなった周囲に溶けるように消えていった。



彼については何もわからない。今日も、この美しく恐ろしい姿を見たものはいない。いや、いなくなった。




 彼が何のためにこのような<せいさい>を行ったのかはわからない。

そもそも彼は<何>なのかさえもわからない。



一つだけ言えるのは、彼が人間とは違うということだけ。


しかし、彼については詮索をよさねばならないかもしれない。

それは、人間にとっておこがましいことなのかもしれないのだから……







=========================================





「マィッキー……マィッキー……」

  完全なる闇が訪れた施設のなかでは悲しみにくれる一つの影があった。


齧歯類のバケ者は一人では、孤独ではなかったのだ。

そのバケ者はマィッキーとは違って頭部に大きなリボンらしきものをつけていた。



「ああ、あなたが人間を食らっていたことも知っていたわ……あれだけみんなも止めていたのに……

でもそれに協力していた人間の存在も憎いものね……

そめて安らかに眠って……フフッ」


バケ者は恋人の死を悲しむかのように死骸をだきかかえて泣いた。



体に釣り合わぬ大きな瞳が乾ききるほどに……



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じかいへつづく☆






















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