私メリーさん。今、職務質問されているの。
****** 数十分後 ********
メ「私メリーさん」
男「今度はどうした?」
メ「今、騎士っぽい人に職務質問されているの」
男「不審者扱いかよ」
メ「裸足に白いワンピースで黒くて長い髪を顔にかかるようにしてるのが怪しいらしいの」
男「不審者すぎるだろ。なんで裸足なんだよ。なんで貞子ヘアーなんだよ」
メ「その方がお仕事の時盛り上がるの……相手もキャーキャー喜んでくれるし」
男「それ多分喜んでるんじゃなくて悲鳴だと思うけど」
メ「『名前を教えてくれるかな?』とか言われてるの」
男「とりあえず騎士に逆らっても良い事ないから従っとけ」
メ「私メリーさん」
男「うん……」
メ「名前は……まだ無い」
男「いや、なんか混ざってるし。つーか『メリーさん』が名前なんじゃないのかよ」
メ「メリーさんは『人間』とか『人類』みたいな種族名で、私自身の名前じゃないの」
男「初耳だよ」
メ「企業秘密だからホイホイ言えるわけないの。今回は特別なの」
男「企業なんだ……」
メ「私メリーさん」
男「ん?」
メ「今、騎士に連行されているの」
男「あちゃー」
****** 数十分後 ********
メ「私メリーさん。今、牢屋の中にいるの」
男「犯罪者扱いワロタ」
メ「でもここの牢屋は奴隷市場みたく臭くなくて快適なの。さっき騎士さんに『現実の友達作りなさい』とか言われて何故か飴を貰ったの。良い人なの」
男「かわいそうな子認定おめでとうございます」
****** 数時間後 ********
メ「私メリーさん。今、牢屋の中で目が覚めたの」
男「はい、おはようメリーさん」
メ「おはようなの」
男「ちゃんとご飯とか出てる?」
メ「量は少なめだけどそこそこ美味しいの。もうここで暮らす事も真剣に考えちゃうの」
男「それはやめときなさい」
****** 数十分後 ********
メ「私メリーさん」
男「どしたー」
メ「今、暗殺依頼をしてきてる男の前にいるの」
男「何がどうしてそうなった」
メ「なんか気が狂った女にこの国の王子を殺させて、この国を実権支配する計画を長々と話されているの。ぶっちゃけすごく眠いの」
男「寝るな。それ一応その国の一大事だから。歴史が動く瞬間だから」
メ「なんか目の前の男がやるのかやらないのかを聞いてくるの。その手には剣が握られてて、どう考えても拒否した途端に殺される事請け合いなの」
男「絶体絶命じゃないですか」
メ「メリーさんは脆弱な人間と違って剣程度じゃ死なないの。だから全然へっちゃらなの」
男「どの程度になるとやばいの?」
メ「火山に突き落とされたらさすがに再生できないの……」
男「火口に突き落とす状況ってどんなんだよ」