第二話「帝国の変遷と俺」
―――変遷と魔の襲来―――
戦争は開始された。
それは太平洋でも日本海でもない。
悪夢は南極から始まった。
南極の地下空間に突如超大型トンネルが不意に出来上がる。
莫大な変異をもたらす大量の魔素が流入。
世界は魔素汚染により適応できない人は一発で昏倒し死んでいく大気汚染が始まった。
その後すぐ南極大空洞より動き在り。
二千億の異界から来たりし魔物が襲い来る。
一匹一匹がレオパルド1型戦車より強い魔物の群れが訪れ南極より魔法を使い世界中に進軍を開始。
世界は迎撃に失敗する。
大日本帝国攻略に向け世界中の大国は軍備を放出し本国が無防備だった世界各国は突如現れた奇怪な魔物の群れが本能的に使う戦闘術に圧倒された。
対人戦争用ドクトリンと戦術効果が、全く異質な魔法戦術に敗北を重ねた。
戦争敗北・国家崩壊・民族虐殺を経て人類百億人は急速に数を減らし世界人口は百億から二十億人まで減少する悪夢を味わう。
世界は混乱して行く。
ただ日本の政治中枢、天狗党だけが嫌らしく嗤う。
大日本帝国はこの時のために用意した対魔法戦術と大要塞を盾にし迎え撃つ。
帝国は魔物軍を撃退し続ける不毛な長い防衛戦を開始。
国連は宣戦布告しておきながら大日本帝国に救援を求める醜態を犯す。
大日本帝国はこれを無視。
世界各国から押し寄せる難民を砲爆撃で黙殺し国家命脈を保つ。
―――、情勢悪化、―――
魔物の群れが世界中にはこびる。
魔素の流入が世界中に変異を促しダンジョンを無数に生みだした。
其処から延々と魔物が生産され世界にあふれた。
世界は在来の虫や動植物すら駆逐された。
多くの魔法昆虫・魔法植物が代わりに多種多様に繁殖・繁栄を開始。
この時大日本帝国執政部を陰から操る闇のフィクサー天狗党党首は嗤う。
嗤うは「福部薫」
その名前の三百七十七歳未来人科学者は狂気の高笑いを上げ続けた。
己の改造していた体が寿命を迎え血を吐き散らして絶命。
以後大日本帝国の舵取りは人の政治家から離れ無人大規模AI設備群により任された。
AI統治は人より冷酷かつ合理的な国家運営を開始。
世界が暗黒世紀に沈み行く。
世界に人類国家は大日本帝国だけとなった。
その他の人類は尽く魔物の奴隷にされるか食肉として虐殺され姿を消した。
それから一〇〇年後大日本帝国は国家名を「第五神聖帝国」に名前を変更。
人類最後の国家は禁忌に手を出す。
人造人類「欧州人」「中国人」を開発。
欧州人をテストヘッドに「エルフ」を開発。
中国人をテストヘッドに「ドワーフ」を開発。
この合成生命を無数に生産し使う。
開発人種を使い、滅びゆく純潔人類を守る経済活動と兵役につかせた。
第五神聖帝国は人類の正統な後継者を名乗る。
帝国は多くの核爆発で魔物の群れを焼き払った。
世界の魔物の溢れるダンジョンに進軍開始、
第四次世界大戦を勃発。
其れは人類対魔物の大闘争。
のちにダンジョン戦争と呼ばれる戦争を経て人類は急速に魔物から解放されて行く。
この戦争で世界と大日本帝国の後継「第五神聖帝国」は壊滅的打撃を受ける。
その代わりに魔物世界に人類の実力を認めさせ、僅かな融和に成功。
人類に人権を魔物からほんの少し取り戻し復活させた。
こうして世界は僅かなりとも平和の世の中になったかに見えた。
が、野生生物に近い魔物は知的生命体だが本質的に近視眼的で邪悪の限り。
多くの人類と敵対する歴史を歩む。
―――、彼の独白、―――
そんな混乱の時代、俺は生まれた。
俺の名前は朧家狼夜。
発音は「オボロイエロウヤ」
略奪者のオーガにレイプされたエルフから生まれた三等臣民だ。
年齢は十七歳。
頭から角を生やし魔物の出自と判る獣瞳を持ち、二等臣民のエルフを意味する長耳を持つ。
一等臣民「日本民族」から一にも二もなく憎まれ差別される戦闘員系三等臣民。
二等臣民からも区別され嫌われる魔物血統の「人」だ。
そうさ、俺は人だ。
俺は人なんだ。
優しかった母に誓い俺は魔物のオーガではない。
母は、いつも俺の角を撫でながら言っていた。
「あなたは人よ。誰が何と言おうと、私の誇り」
俺は人なんだ。
母が貧困と差別に死に、窮乏した俺を助けた国家に誓い俺は人だ。
第五神聖帝国に作られた孤児院で保護された存在として義務を負う。
日本民族へ奉仕する戦闘系三等臣民だ。
国民番号は6394036734号
培養プラントから生まれた真っ白に祝福された同胞とは違う。
犯罪で生まれた俺はどこまで行っても嫌われるが、俺は人だ。
その証拠に今日も俺はおんぼろ装甲武装化列車で通勤。
多くの工員を守る長大な戦斧使いとして、コートで佇み列車の吊り革を掴む。
莫大な魔力と後天的に兵器改良された膨大な素質を成長要素に持ち今日も野生の「魔物」を撃退する配置につく。
工員たちが浮遊石を発掘するまでの間、
俺は防衛任務に就き、多くの血反吐にまみれ魔物を駆除して行く。
重さ四トンの戦斧を操り四十ミリ回転輪弾倉砲を操り押し寄せる魔物を迎撃。
戦って戦って殺されかけ、俺は人の証明を積み上げる。
俺は人だ。
その証明に人の形をして、
人の言葉を操り、
人の社会義務を負い、
常に魔物から人類を守る奉仕活動に従事する。
だから俺は人なんだ。
俺は人だ。
その証拠に今日も俺は血濡れに戦う。
魔物相手に戦斧を操る。
俺は人だ。
その証明を、次はどう刻んだら良い?
帝国は俺に何を望む?
魔物は俺を何と見る?
そして、俺は――何を守る?
母は死ぬ前に言った。
「貴方に困苦がきっとある。でも……きっとそれだけじゃないわ。何かに出会うまで死んじゃ駄目よ……」
俺はまだ死ねない。母が言ったように、何かに出会うまで――
やっべ、予約投稿の方法間違えた。この点はカクヨムの方が使いやすいっす。見やすい上に一年くらい予約投稿できて少し自動化できる。ううむ、悪名と栄光に塗れる小説家になろうヘ初参観して見ましたが、少し手間取りそうです。
図々しく申し訳ないっす
改善求、ってこれはヘルプセンターにでも言うべきことですかね?では皆様に良い読書体験がありますように