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えりふぇいと・大図鑑  作者: 仙台赤べこ
断章【神録伝承】
16/41

神録伝承[Topic8【神力、象徴、権能】]

(自分は)どうしてストーリー性を作るかな~……


Topic8【神力、象徴、権能】


『神力』――それは、二十四神縁《あたし達》が生まれた瞬間から宿す、『力と命の源』みたいなもの。纏えば『現象』や『概念』にすら触れることができ、星の子達が扱う『魔力』や『気』、『オーラ』や『チャクラ』のそれに近いっちゃ近いけど、『神力』はもっと『根っこ』の部分――存在そのものを支える力って感じね。そして何より大事なのは――

『二十四神縁は神力を消費し続ける存在』。これが、あたし達にとっての基本認識よ。


 けれど、不思議なことに、あたし達は誰ひとりとして『減ってる』と感覚をもってないのよね……。不足感っていうの? そういうのが、まったくないの。

 たぶん、地上でいう『空気が当たり前すぎて意識していない』のと一緒なのかな?


 それか……あたし達の神力が『あり過ぎる』、っていうのも原因なのかもしれないわね?


 この前読んだ漫画で、『わたしの戦闘力は、530000です』っていう宇宙一強いらしいキャラ(生物)が出てきたんだけど――正直、あたし達から見れば『53万倍あっても足りないよ?』って言い返せるぐらい、次元の違う(神)力量差があるのよ。……『全王』ぐらいじゃないと、あたし達とは遊べないんじゃないかな? 伊達に『天主神』やってないわけよ、ふふん!!


 ――ちなみに、消費した神力は『神域』『冥域』の影響で自然回復するようで、普段の生活では問題ないらしいの。でも、象徴や権能を『仕事』や『私事』で頻繁に使うと、さすがに回復が追いつかなくなるみたい。……これには珍しく、クエス(ボス)が直々に『神力は使い過ぎないように』って、真面目な顔して『忠告』するくらいだから、みんなも極力使わないようにしているわね……もしかしたら、クエス(ボス)が仕事を誰よりも多く引き受けてるのと関係あるのかしら?


 ――さて、そんな話を思い出して、ふと疑問がわいたと事があるの。それは――



『じゃあ、あたし達が『神力を使い切る』とどうなるの?』ということ。



 簡単な予想だと、『回復するまで身動きが取れなくなる』とか、『意識を失う』とか……かな? オーラやシルヴィーも、そんな話は一度も聞いたことがない、って言っていたわ。

 多分――あたし達って、『神力』があることが当たり前すぎて、『無くなること』を考えたことがないんだと思う。……それは、『神録伝承(ライブラリ)』の記録――先代(先輩)たちが残した記録の中にも『神力がなくなった時のこと』『それに対する考察』が()()()()()()()()ことからも、はっきりと分かる。


 …………これは、おかしくない? 今までに受けた授業の中でも、『この知識いるの?』って思うところまで教えるシルヴィー先生が、『象徴』と『権能』の説明では、持論なんかを長々と聞かされたのに、『神力』に関しては――


「わたしたちが生きるのに必要な『命の源』であり、象徴と権能を扱うために不可欠な『力』よ」……っていう、簡略しすぎな説明しかしなかったのよ。


 そしてあたし自身、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、当時の『違和感』と、今の『疑問』に気づけた。『()()()()()()()()()()?』ってね。


 ん~~? でも、そもそも尽きるのかなぁ? いや、尽きるのかもしれないけど、尽きる前に『回復する』のが先じゃない? って思うし。『尽きる』ことがないから、誰も考えたことないだけなのかなぁ? いやでも…………よし、あとでクエス(ボス)に聞いておくことにするわ。あの『真剣な表情』が気になってたし、丁度いい。……ってことで、『追記』に記すから期待しててね!



『象徴』――それは、二十四神縁(あたし達)が掲げる『世界に作用する概念』――簡単に言えば、『その『象徴』があることで、銀河の法則が変わる』って感じね。

 例えば、オーラの象徴〖良縁〗は、彼女の存在があるだけで、銀河のどこかで『運命的な出会い』や『繋がり』に関する出来事が生まれやすくなるの。

 

 そして、シルヴィーの象徴〖幸福〗なら、『幸運』に関する『可能性』が増えるって感じよ。じゃあ、『権能』は何かっていうと――その象徴を『扱うための恩恵』であり、『活かすための付属能力』みたいなものよ。そして、象徴ほど範囲も影響力もないけど、『世界に作用する概念』が内包されている点は共通してるわね。

 

 あたしで例えると、象徴〖記録〗に付随した権能は〖綴り〗なんだけど、それは『星の記録を整理』したり、『ちょっとした未来の書き換え』なんかが、『莫大な神力消費』でできるみたいなの。シルヴィー先生にも『すごいことよ』って褒められたんだから、むっふぅー!

 ……まぁ、クエス(ボス)が『使っちゃ駄目』っていうし、そもそも使いどころも分からないから宝の持ち腐れだけどね。とほほぉ。


 ……でもさぁ、『うん?』ってなる『組み合わせ』もあるわけよ。それは、グローの象徴〖時間〗に付随した権能なんだけど、それが――〖時〗、なの! ……これをグローの『誕生』に居合わせた全員が聞いた時、みんなして『うん?……あー、うん???』って顔してたわよねぇ。いや、詳しくないけど、同じじゃないの? 違う意味なの……??


 ……うん、まぁ、この際グローはいい。何て言うか、『親和性?』みたいなのがあるから、ね? ……問題はもう一神(ひとり)――キューの象徴〖叡智〗に付随した権能よ!

 ……っていうか、自堕落なあのキューが〖叡智〗を掲げてる時点で納得いかないんだけど……権能が――〖娯楽〗だからなぁ。性格に思いっきり反映されてるわよね、あれは。

 しかも、〖叡智〗と〖娯楽〗ってどんな並び? どういう繋がりなの!? なんか、美しくないのよね!


 うちの末っ()で〖美〗の権能を持つウルも言ってたから間違いない! 〖美〗の女神の名に懸けて、あたしは納得しないぞキュー(理不尽)――!!



≪※封印指定※≫追記

 本文で記した、『神力を使い切るとどうなるか?』を、クエス(ボス)に聞いた。ちゃんと答えも返ってきた。……でもちょっと、予想外な回答で、困惑中。……あー……あと、オーラに内緒でクエス(ボス)と『秘密の共有』を作ったから、あとが怖い。すごく怖い! あぁ~、オーラの笑顔がぁー!! ……れが『恐怖』っ! ……まぁでも、()()()()()()()()()()()()、かな?


 ……はぁぁぁ~~、そんな訳で、記録するわよ。まぁでも、ここの『記録』は神録伝承ライブラリの機能である『()()』で、()()()()()()()()――()()()()()()()()()()()()。したがって、これが読めるようになった時、あたしは『成長』したってことだから、大いに喜んでいいわよ、ノートリア! ……最悪、後輩も読めないままだったらごめんね?

 ……それじゃ、情報量が多いから箇条書きで済ませるわね?



〇クエスは()()()()に『神理樹』から生まれた『最古参の天主神』の一神(ひとり)である


神録伝承(ライブラリ)の最初の(ページ)、あたし達に読めない記録に、それに関する内容が書かれているらしい。そのことは、『神録伝承(ライブラリ)』の『記録』にも書くから、分かんない単語があっても後のあたしが書いてるかも?)


〇天主神と深主神は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして、どちらかが使いすぎ枯渇すると、()()()()()()()()()()()()()()


()()()()、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それは『至上神』の、消えることに対する『怖がらせたくない、悲しんでほしくない』という想いが、『大樹』へ強く刻まれ、それが生まれくる二十四神縁に刷り込まれた――というのが、クエスの見解みたい。

(この意味は、神録伝承(ライブラリ)(最初の(ページ))を読めるようになったら分かる、とのこと。何年掛かるのやら……)

 

 確かに『消えることに対する恐怖』は()()()()()()……まぁ、『恐怖心』自体はあったけど。……主にオーラやシルヴィーに怒られた時の『あれ』がそうかも。


〇『初代象徴持ち』の大先輩方は、『至上神』の意思を汲んで、『神力』の真実を公開しないことにした。


〇でもあたしは気づいた。それは、()()()()()()()()()』が()()()()()()()? とクエスは言う。

 

 なんでも、秘密(このこと)に気づきやすい〖記録〗や〖叡智〗などの象徴や、それに近しい権能持ちは総じて……どこか抜けていたり、変神(へんじん)だったりするらしい。もっと言うと、『意欲が乏しい』か『何かにのめり込み』やすい性格になるんだとか。


 ……キューが『叡智』の象徴持ちらしくない理由が分かってしまったっ! そして、『記録』の先代(あたしの先輩)が、()()()()()()()()()()()()()()()()。(←ここも、『神録伝承(ライブラリ)』の『記録』で愚痴ってるわね、絶対ッ)


〇クエスは永い時間をかけ、自身の象徴〖創造〗で『内に神力を創造する』ことができるようになり、今まで生きながらえてきたらしい。


〇そして、最近になって、『神力を外に創り出せる』ようになった。それを、『飴』として創り変え、神殿の効果以外で天主神(あたし達)や『冥界の深主神』たちに補給させていたんだとか。

 ……あの『飴』はそういう意図で創ってたのかー!!


〇深主神は『負の感情』に強い耐性を持っているらしい。だから、クエスの対となる相方、〖虚無〗の象徴を掲げる深主神――『ナシロ』というらしい――と相談して、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 どこかの『記録』で記した、クエスが『深主神()』と頻繁に話してるっていう、『オーラのストーカ――げふん!――情報』は、その日の、『神力の消費具合』を確認していたからなんだって。……よかったね、オーラ……。


 でも、最初は『無償』と太っ腹な対応だったらしいが、少し前から対価を要求してくるそうだ。それが――

『『神殿』かクエスが創った『食べ物』と『地上の衣装』『娯楽品』の提供』らしい。『安上りでかわいいな深主神』と、あたしの中で交流なき下の住神(じゅうにん)に好感を覚えた。


〇逆に、天主神のあたし達には言えなかった。『神力がなくなると消える』なんて聞かされたら、『恐怖心という『負の感情』を自覚してしまうから』らしい。

 

 たしかに、そうかもしれない……二十四神縁として『管理』する以上、神域では(まかな)えられない神力を消費することは確定=『消えることが確定』しているのだから。


 あたしは、『自覚してしまった側』だからこそ、余計にそう思う。……これが、『恐怖』かぁ。……でも、漫画にラノベで『感情移入?』っていうのが、よりできるようになったわけよっ、見方が変わるかもね! あははは…………『そう思う』クエスも、結局あたしと同じ『奇特な性格』なんだなぁ、って思ったわ。


〇クエス自身は、最初から『消えること』を知っても、たいして気にしていなかったようだ。正直、達観しすぎてちょっと引いたわね。

 ……でも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……。やっぱり、そっちこそ『奇特な性格』だよ。


〇あと、ついでとばかりにあたしの持つ『神録伝承(ライブラリ)』の『最初の(ページ)がどうして読めないのか』を聞いてみたの。『理由だけなら』と、思いのほかすんなり教えてくれたわ。


 ――それが、『初代〖記録〗は象徴持ちが、『封印の設定』を『時間経過と理解力(天主神として『知識』『経験』など)によって徐々に読めるようになる』ってしたらしいけど……『遥か昔(初代様方)』の『時間感覚』と『知識・経験』の基準が、『今の二十四神縁(あたし達)』とでは、あまりにも隔絶しているらしいの!


 クエスを除いて、神殿(ここ)の最年長であり知識量もあるオーラですら、全然『子供』判定なんだとか。しかも、「僕が最初の(ページ)を読めるようになったのも、実は最近(数億年くらい前)なんだよ?」って、クエス(最古参)が言ってたのよ!?

 

 ……ムリじゃんっ!(もう無理じゃないけど)原因の理由、しょうもないうえイカレてたわっ!! 神秘性ゼロかッ!!! ――以降、割愛――



 ――最後、話が脱線したけど、これが、クエス(ボス)に聞いた真相で、真実。……あたしは、『知らない方が良かった』って思ってる……原因(最後)も含めてね……。

 いや、『隠された秘密』を知れたこと自体は、〖記録〗の象徴を掲げる神として名誉だし、『初めての特定者』ってなるともっと嬉しい!

 

 …………()()()()()()()()()、ポッキリとね! ……クエス(ボス)の話を聞くたびに、胸の中央から震えが広がっていって、聞き終わりに書いてる今では、全身に伝播してるもん……でも安心して、『()()()()()()()()()()()()()()()()()! あっはっはっは――


 ……んで、これからクエス(ボス)に提案されて、あたしの対となる、『喪失』の象徴を掲げる深主神・『クウメ』に『記憶を消してもらう』ことになりました! いえぇい!! ……あたしの『心』が弱いばっかりに、そういう処置をすることになったの。悔しいけど、『今のあたし』では受け止められない事実だったのよ。


 ――だから、ここに『記録』を残し、『あたしが自力で『神力』の本質を理解できるようになる』という『条件』を付けて、ここの『追記』を封印することにした。『記録』は消えない。ただし、今のあたしには読む資格がない。そう、これは『未来の自分への挑戦状』なのよ!


 ……曖昧な表現なうえ、この性格で成長するかなぁ? って自分で自分を疑ってるけど、()()()()()らしいから何とかするでしょ! の精神で決行しまーす。……まぁ、今ならクエス(ボス)の『神力補給()』があるし、『消える』心配はいらないんだけどね!

 

 だからって、怖いものは怖いのよ! がんばれあたし! そして――クエスと皆のためにも、この真実を共有したうえで、『楽しい神殿生活』を手に入れるんだぁーー!



≪※秘密の会話※≫

「(神殿最上階にて)クエス(ボスぅ)来たわよー。

 

 ……うん、『記録』して『封印』の設定もしてきた。っあ、『このこと』で絶っ対、あたしが荒れるだろうから宥めてね?

 

 ……考えがある、って、頼りないなぁ。……ふぅ、しっかし、最上階(ここ)に来たの生まれた時以来なのよねぇ、まぁ、まだ管理の仕事してないから来る意味ないだけなんだけどね! …………あー、クエス(ボス)が、他より管理を多く引き受けてるのって、あたし達の――『神力の消費』があったからなのよね……?


 ……え、違う? 趣味っ!? たっ、ただの出不精の仕事馬鹿かぁ! 心配して損したわ、この鈍感っ!

 

 ……鈍感は鈍感よっ。意味は長生きしてるんだから自分でかんが――察しなさいよね。オーラは苦労するわぁ(ボソッ)。

 

 ……なんでもない。それで、あたしの対となる神(相方)に話は……ああ、もう待機中なんだ? それじゃ、行きますかっ。

 

 ……解ってる、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? 『大樹』を通した『神力の使用(初めての試み)』っていっても、象徴と権能で『記憶』に防壁張ったり、バックアップつくったりしたから、『余分な忘却』があっても防げるわ。シルヴィー先生の授業で………………制御はバッチリよ!(過去の授業を思い出し不安になってきた)

 

 …………()()()、あたしが『封印した記録』を読めるようになったら、あなたも加えてみんなに『真実』を話そうとする筈だから、覚悟しててね。『消える心配がなくなったんだから大丈夫!』って開き直っちゃえばいいのよ! ……まぁ、あたしはダメだったけどね。でも、『みんなで共有』すれば受け止められるわ。これ、あたしの持論ね!


 ……じゃっ、『しばらくのお別れ』。またねクエス(ボス)っ――――」



……うん! もう一言じゃないや!(あとバレそう!)

「(翌日の自室にて)――うん? なんか、違和感……って、うぇ!? えっうっそぉー! なっ何であたしの記録に『封印』が掛かってんのよぉーー!? えっ? ええ?? ちょ、えぇーー!?(語彙力皆無)――


(少し落ち着いて円卓へ)どういうことっ? この機能ってあたしにしか設定できないはずなのに、なんで『封印』されてるの? 神録伝承(ライブラリ)が勝手に?? あたし以外でも操作ができたの??? ……それとも、『(これ)』か? 勝手に宙浮くわ、たまにあたしの『考え』を誇張した表現で記録するし……『意思がある』って疑惑もあったしぃ(じぃー)…………。

 

 ――ッ! あっ、クエス(ボス)っ! ちょっ、あの、神録伝承(ライブラリ)が変なの! 何か勝手に『封印』されててぇ、見れない項目があってぇ……うあ~どうしよぉ~クエス(ボスぅ)!(混乱)


 ……え! もしかしたら、ってなんか思い当たることでもあるのっ、教えてっっ、早くっっっ!!?

 

 ……あ゛ぁ? 寝惚けた拍子に『封印』したんじゃないか、ってぇ? …………あたし、本気で困ってるんだけどぉ、なにそのドヤ顔ォ? なに、本気で言ってたの? ねぇ?? 『封印』には設定とか他にも幾つかの工程が必要なわけで……あたしってすっごい器用に寝惚けるにねぇーあっはははは――はァ?


 ……ううん、謝らなくても大丈夫! 『本気』に対して『てきとう』に返したことなんて、()()()()()()()()()()――


(ガシッ!!)クエス。あたしが納得できる原因を考えつくまで、円卓(ここ)からぜっったいに、出さないから、覚悟してね――」




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