神録伝承[Topic6(1/2)【天神・魔神~天使・悪魔と星々の個性】]
今回は長いので二分構成です。2/2が『追記』になります
すごく『興が乗った』回になってます
Topic6【天神・魔神~天使・悪魔と星々の個性】
今更ながら、白状します。実は――天主神の仕事ってほっとんどないの! 実際に管理してるのは、下界の各星を担当する神族達で、天主神の仕事は、滅っ多にない『銀河規模のバランス調整』っていう、中でも最重要クラスの役割を担ってるわけなのよね!
途中の記録からずーとっ、『これ、印象操作しちゃってる? 下界の神たちの手柄横取りしてる?』って思ってたから伝えられてよかったわ! ふぅ、やっと書けたぁ!
……まぁ、仕事があってもクエス達がほとんど片付けちゃうからどっちにしろ関係ないか? あはははは――ッ!!(過去の過ちを思い出し周辺を警戒)
っほ、誰もいないか……。はい、というわけで今回は、『下界の神達』について記録していくわ。
――まず前提として、『天神/魔神』以下の神達はみんな、元々『星の知的生命体』だったということ。そのため、下界の神の見た目は、『九~三頭身の二足歩行』だったり、『四足歩行の獣型』『「それ、体?」って言いたくなるようなドロドロで形成されたモノ』と、色々といるの。
そして、天神や魔神の影響を受けて生まれた、『特殊な種族』がいる。それが『天翼族(天神由来の種族)』と『魔族(魔神由来の種族)』。天翼族と魔族の誕生には、いくつかの理由があるけど、それは後に書く『追記』でするわね。
ちなみに、あたし達『二十四神縁』は、『人』の形でしか生まれないらしいの。しかも、身体的に『成長』するとかしないとか……。
『人』の姿の訳を、オーラとシルヴィーに加え、セレリアとアリアも『理由は知らない、けど知ってる』と、謎かけのような言い方で話してくれたわ。その確信のある物言いから、根拠になる『なにか』があるらしい。
『なにか』について聞いたけど、三神には『自分で見つけなさい』的なことを言われちゃった。
けど、『そういうの』がないアリアは――
「『それ』の最初のページを読めるようになればわかるよー! えへへへ!!」って、笑顔で教えてくれたの。……意味深に隠していた三神が浮かばれないが、まぁ、いいや。
アリアの言ってた『それ』――『神録伝承』に関することらしいから、それは別の『記録』で記すことにする。だからここでは割愛!
――さて、逸れたけど、本題に戻るわね。……えーと、ごく稀にだけど、『星の子』の中には、大天使や大悪魔以上の力を宿す者がままいるの。
そうした子は、特別な『監視対象』として、寿命や戦いで命を落としたり、『禁則事項』を破って『神罰』を受けたりした場合――その『魂』は死後、とある星で『黄泉』と呼ばれる選別場を通り、最終的には『天界の神』の手で回収されるのよ
一応、簡潔に書くとこうなる――『死後→ 黄泉→ 天界へ回収→ 天使化』、こんな感じ。
でも、こうして魂を回収するだけでは、地上に生じた影響(偏った均衡)を収めることはできないわ。だからこそ、天神と魔神は『力の均衡』を取るために、地上の者たちに『神の力』を与えるようになったの。例えば――
○天神:『神聖術』や『加護』を授けて、天翼族と主に人類を支援
●魔神:『魔眼』や『契約』を施し、魔族と悪しき者を誘惑
こうして戦力の均衡を保つことで、地上での影響が過剰にならないように調整するってわけ。
もっとも、『恩恵』が地上に広まった理由には、いくつかの要因があるの(……まぁ、その星自体が『ファンタジー寄り』なルールになってるのも大きいかも?)。
まず一つ、『戦争の激化によるバランス調整』。
天神と魔神は、戦争の均衡を保つために『適した個体』――天神側なら『多種の人類』、魔神側なら『魔物と一定数の人類』に『恩恵』を付与し、戦力を調整するの。その結果、恩恵を持つ者が増え、その世界では『恩恵が当たり前の価値観』として定着したのね。
そして二つ目、『神々の信仰競争』よ。
天神や魔神は、地上の子達から『信仰』を集めることで力を増す存在だから、意識的か無意識かはともかく――『自分に従う者に恩恵を与え、力を誇示し、更に信仰者を集める』、って流れができているのよね。
少し意地が悪く見えるけど、こうした積み重ねがあったからこそ、地上の子達は『恩恵=神からの贈り物』って認識が当たり前のように受け入れられたのかも。……天主神が恩恵を付与したら、一体どうなっちゃうのかしら? 力が強すぎるから副作用とかあるかも?
……っあ! ここで思い出した余談なんだけど、あたし達が『とある星』で知って、こっちで『創る』、『漫画』や『ラノベ』『ゲーム』の作者やアイデア出しの大半は実は――
『異世界の転生者』だったり『前世の記憶持ち』がほとんどなのよ!
どちらの存在も、『肉体の記憶』はほぼリセットされているけど、『魂』にはわずかな『前世の記憶』が刻まれてる個体がいるのみたいなの。
だから、多くの者はそれを『自分で考えた創作』だと思っているけど、実際は、『前の世界の記憶』が無意識化に呼び覚まされているだけ――要するに、それを『記憶』ではなく『発想』として捉えているだけなのよ。
だから、あれらの創作作品(アニメやゲーム等)は、実は――過去の異世界で真実に起きた出来事を元に描いていることが多いの。
あたし達から見れば、『アニメやゲームに似た世界』っていうのは、『歪み』の影響によって『魂や肉体が転移』し、『過去のアニメ・ゲーム世界』に飛ばされているだけってわけ。下界の子達はそんなこと知らないでしょうけどね!
……まぁ、そうして『信仰』や『バランス』を取ろうとした結果、天神と魔神の戦争が頻繁に発生し、漫画設定よろしくなファンタジー世界としての戦乱が起こる仕組みになったのね。まさに『秩序 vs 混沌』って感じよ。……何かこう書くと、うちのルークが思い浮かぶうえに敗北濃厚なんだけど……。
ごほん、えーっとね。二十四神縁としては、地上がどれだけ荒れようが、正直『下界の神々』の領分だから口出ししないのよ。
あたし達が手を出すのは、『惑星規模での均衡』が崩れる時か、『下界の神からのヘルプ』がある時だけ――クエスも『その範囲なら問題ない』って言ってたし。
でも、これに対しオーラとかシルヴィー、セレリアもだけど、『不必要な争い』とか『(天と魔が起こした)自作自演の戦争』なんて評価してたわね。この三神は『象徴』柄、仕方ないのかも……〖秩序〗と〖守護〗の男神の癖に、ここに名前が挙がらないルークは、やっぱり残念すぎるわ……。
でも、正直言うとね――あたしもそうだし、今じゃ神殿のみんなもかな?
あのキューに無理やり読まされたり見せられた『下界の創作物』――アニメや書物だけど、似た世界や一部実話を題材にした、言わば参考資料ね――あれで下界の子達の、神殿から見ただけじゃ伝わらない『心情描写』や『行動の動機』を学ぶようになってから、星の動向を気にする者が増えたと思うの。
けど……あたし達は惑星規模でしか干渉できないから、ただただ『もどかしい』思いをするようになっただけなのよねぇ、はぁ。
――脱線に継ぐ脱線で、もうわけわかんないけど話を戻すわね。えーっと――(読み返し)そうっ、『黄泉から魂を神が回収する』ってところから!
補足すると、ここまで面倒な工程を踏むのは、下界の生物が生きたまま『神界』や『神本体』を見てしまうと、次元が違いすぎて脳がショートしちゃうからなの。
ちなみに、象徴〖進化〗などを付与された銀河系ならば、天界へ回収した『特別な魂』を、天神・神が何年か保管・管理すれば自然と『天使』へ進化するわ。
でも、大抵のそうでない場合は手間がかかるの。
まず、天神自らが『結界梱包した魂』を『神域』まで持ち込み、そこで天主神の誰か(うちだと『セレリア』が担当化してる)に『刻印』をもらわなきゃいけないの。そうすることで、『魂』は『天使』への昇格が許可され、晴れて『神族』に仲間入りするのよ!
んで、『刻印作業』が終わった後は、希望が無ければ『天使』(悲しいが雑用)の不足している星へ斡旋されるし、希望があればそのまま担当の星へ瞬間送還してあげるの。
……あ、ちなみに『神族』っていのは、『天使/悪魔』~『二十四神縁』のまでを含めた全体を指すわ。
――さて、お次は『魔神』達についてだけど、丁度さっきシルヴィー先生の授業で習ったばかりだから、信憑性の高い情報を書いちゃうわね。
まず、『悪魔』と『天使』には大きな違いがあって、それは――悪魔は地上でも進化できる生物だってこと。
『天使』が面倒な工程を経て誕生するのに対し、悪魔は『生物の心が深く堕ちる』ことで生まれる存在なの。その最大の理由としては――
『魔神』の居る『冥界』が、概念的な話、星の内側――つまり『地底(・・)』にあるからなのよ。
『神界』っていうのは、二十四神縁の居る『神域』『冥域』のような場所を指すわ。
そして、『天界』は天神達の住処で、その名の通り『天空』に存在するんだけど、地上の生物とはあまりにも離れすぎているわけ。そのせいで、天神以下の存在が宿す『神気(『神力』の下位互換』)』に対する『耐性』が、地上の生物にはほとんど備わっていないのよ。
だから、神以上の存在が地上の者と直接干渉することは難しく、通常は『魂』を介するか、『夢』の中でしか接触できない。他にも、一部の星では『巫女』や『特定の信者』を通じて『神託』する、という形でしか、その力を伝えられない制限があるのよね。
その点でいうと、『魔神』達は地上に対し『親和性』が高くなり過ぎたの。その影響で、地上に暮らす生物も無意識のうちに馴染んでしまったみたい。
簡単に言うえば――
・地上の生物は『負』の感情を抱えやすく、それに飲まれやすい
・感情には上限はあっても、下限は存在しない
この二つが合わさることで、生物は底なしに堕ちていく可能性があるのよ。
なぜなら、地上の子達は魔神の宿す『邪気』がしみ込んだ土地――いわば『疑似冥界』に住んでいるからだ。
だからこそ、生物は地上にいながらでも、悪魔に『闇落ち』できるのよ。
そして『天使・大天使』もまた、元は地上の生物であり、心がまだ未成熟なため『悪魔の誘惑』や『心が病んでしまう(これは仕事のし過ぎじゃない?)』ことで『堕天』してしまう……そういうことらしい。
備考1
『天神・神』が傍で『魂』を保管・管理する理由は、『慣れていない神気を魂に馴染ませ、定着させる』ため。
備考2
天使への『進化』と『昇格』の違いは、正直ないわ。とある星の日常で例えると、『届け物の受け渡し時にハンコがいるか、いらないか』、その程度の違いよ。
『刻印』とは、前記の『備考』に書いた、『『神気』を馴染ませる』工程をなくし『定着させやすくする』ための短縮処置と思ってくれていいわ。
備考3
『天神・神』が『闇落ち』することはないらしい。進化の過程で『魂』や『心』に『プロテクト?』のようなものが付いたからじゃないかと思われる。
そこは、シルヴィー先生も確証がないっぽかったけど、『今までで一度も天神・神が『堕天』したことはない』って、最年長のクエスが言ってたから、そうなのかもね。
あたしの予想だと、単純に『天使から神になることで誘惑に負けなくなった』んじゃないかしら?
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