表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

師団長達の気持ち〜隊員視点

あぁこえー 

なんであいつら、分かってんのにユーリとララに構いに行くの?まぁ気持ち分からないでもないよ?仲間なのに、2人ぼっちで酒をちびちび飲んでるユーリとララが不憫に思えてくるよな?


でもダメなんだって!

師団に入ったときに師団長と副師団長にあんだけ牽制されたじゃないか。

前に酔っ払ったやつがユーリとララに話しかけて、楽しそうにお喋りしたら、次の日からの訓練が鬼畜並にキツくなったの覚えてないのか?

通常訓練が終わった後、男性騎士だけ呼び出され、師団長と副師団長との手合わせするとか。訓練終わるの日付け変わってたからな。それが1ヶ月続いたんだぞ。


師団長はユーリ、副師団長はララが好きなのは第7師団の騎士はみんな知ってる。知らないのは本人達とヒーラーだけだ。ヒーラーには絶対知られるなと厳命されている。こういった、団の上位の方々の恋愛に関してヒーラーに内緒なのは第7師団だけではなく、全ての団で言われてることだ。なんでか知らんけど。まぁ、ヒーラーのご機嫌とるのは当たり前だし、その一環なんかもな。


師団長はユーリを副師団長はララをよく目で追ってる。


師団長は、前にユーリが魔獣を追いかけすぎて、やられそうになったとき、自分が相手してた魔獣を俺達に押し付けて、ユーリを危機一髪のところで助けていた。それから礼を言うユーリを抱きしめて、間に合って良かったと震えた声で言っていた。


俺達は目の前のことが信じられなかった。普段から冷静でどんな状況でも慌てず、冷酷とも取れる判断を下す師団長が、人目憚らず(はばからず)抱きしめるなんて。

ユーリはその異常性が分かってないみたいで、部下想いの師団長とか言ってたけど。お前の他の誰もあんな風に言われた奴はいないから!たっぷりと1分は抱きしめられていたじゃないか!

ちなみにヒーラーは安全のために後方にいるからこの状況はみていない。


ヒーラーといえば、よくヒーラーにユーリとララは女に見えないとか言うが、もちろん本心ではない。ヒーラーの彼女達も師団長や副師団長に憧れているからか何かを感じとっているらしく、ユーリとララにライバル意識があるようで、これを言わないと機嫌が悪くなる。俺達はご機嫌とりの最後はいつもこれを言っていた。


実際ユーリはプラチナブロンドで、アメジストの瞳の美少女だ。胸も大きく、騎士らしく姿勢が良い。2本のレイピアを自在に扱い、剣舞のような戦い方だ。息があがり頬が色づき、匂いたつような色気も感じられ、それでいて剣筋は鋭く、同じ団の騎士なら一度はうっかり惚れそうになってしまうくらい、戦っているユーリは綺麗だった。


ララは氷と火の二重の属性が使える珍しい魔法使いだ。魔力も高く、その魔法は美しい。相反する属性を身に宿しているからか、身体が辛い時があるようで、それでも泣き言を言わずに魔法を唱えてる姿をみれば、副師団長でなくても庇護欲をそそられる。

ララはユーリとは違った可愛い系の美少女だ。


ララが以前に魔力欠乏になって倒れたとき、魔法師の男性が魔力譲渡をしようとしたが、副師団長が決して許さず、騎士であるのに自分がすると言ってきかなかったことがある。

周りも、これからの戦局を考えると副師団長が離脱するより、一介の魔法師の方が影響が少ないと説得したがきかず、最終的に師団長が、騎士だが副師団長の魔力は申し分なく、副師団長が抜けた穴は自分が埋めると断言されたことで、ララへの魔力譲渡は副師団長がすることとなった。

これもララ本人とヒーラーはしらないことだ。

ちなみにユーリはこの遠征、怪我で離脱していた。早くユーリの元に帰りたかった師団長により最速で魔獣が殲滅されたことは余談だ。


こんなにも、周囲に気持ちがバレバレな師団長と副師団長だが、本人達にはこれっぽっちも気持ちが伝えられないヘタレだ。今日の祝勝会でも声をかけることもしなかった。


だから同期のやつらが声をかけるんだよ。師団長達が中途半端だから。だけど、圧を感じてしまうから声かけだけで終わっちまう。


ほら、ユーリとララが不思議そうにしてるだろう?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ