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祝賀会

やっと遠征が終わった。シャワーを浴びてさっぱりしよう。


西の森にサラマンダーが出たと報告があって、第7師団70名で討伐遠征に行った。


私はユーリ。マグリット王国で王国騎士魔法師団に所属し女性騎士をしている。女性騎士は女性魔法師と同様、少なくて1師団に2~3人しかいない。数少ない女性騎士として、未熟ながら頑張っているのだ。


この世界はみんな魔法が使えるけれど、それは一般的な生活魔法で、水を出す、温める、ちょっとした氷を出す、光を灯すぐらいだった。なかに、身体能力向上の魔法や火や氷、水、土、風の魔法が使える人がいて、こういった能力があると騎士魔法師団に入る人が多い。けど、強制ではないので、能力があっても普通の令嬢として生きる人も多く、女性の騎士や魔法師は圧倒的に少ない。

また、水や風、土の魔法師は騎士魔法師団に入る他に役人になって、建築などのさまざまな公共事業に力を使うこともある。


私は15歳で母の元を離れ騎士見習いとなり、17歳で騎士となった。母から剣技を習い、父譲りの身体能力向上魔法で難関の騎士になれたのだ。


20歳となった今は団が用意している宿舎に住んでいる。

宿舎は4階が女性隊員の部屋で、ここに女性騎士と女性魔法師、後、ヒーラーと呼ばれる女性の治癒師が住んでいる。


ヒーラーは10代から20代後半の女性。この能力は希少で、能力に目覚めた女性は大切に大切にされる。何故か治癒能力は女性にしか現れず、しかもピークを過ぎると能力が減少してしまうらしい。


ヒーラーはわざわざ騎士魔法師団に入って戦いなどに行かなくてもその能力で市井でも王宮でも引くて数多(あまた)だ。給料も良い。

騎士魔法師団に入ってくれるヒーラーの数は騎士の生死に直結するので、騎士達は丁寧に大切にもてなす。女性騎士や魔法師は、ヒーラーを男性では守れない場所で守ることも大切な任務の一つだ。


シャワーを浴びて騎士の正装に着替え、部屋の外に出たら親友の魔法師のララがいた。ララも魔法師の式典用のローブを着ている。白のマットな質感の生地に金糸で豪奢な刺繍が施されたそれは、ミルクティー色の髪でヘーゼルの垂れ目なララに良く似合ってる。ちなみに私が着ている女性騎士服は白で胸下で切り返しがある太腿までの上衣にショートパンツ、ロングブーツを着用している。今は慣れたが太腿までのミニスカートに見える隊服に昔は羞恥を覚えていた。


今日はこれから、王宮で祝勝会だ。ララと一緒に登城する。


「久々の王宮でちょっと緊張するね」


「私達みたいな下っ端は誰もみていないから大丈夫よ」


2人で見合わせてクスクス笑う。

私達が祝勝会を楽しみにしているのは美味しい王宮料理と想い人に会えるからだ。


私は第7師団長、ララは副師団長が好きなのだ。


王宮の祝勝会会場に着くと第7師団で御前に整列する。師団長と副師団長は打ち合わせがあるのだろう、まだ会場にはいなかった。


周りには貴族達や師団員の家族が共に祝う為に来ていた。


会場にいる令嬢達が噂をしている

「第7師団長のシグルド様って見目麗しいわよね。」

「あら、副師団長のセシル様も負けてないわ」

「お二人とも、公爵家と侯爵家の令息で、嫡男ではないけど超エリートで素敵」

「剣にも秀でてらして、さらにあの見た目!お近づきになりたいわ~」

「でも、あれほどの方たちに何故婚約者がいらっしゃらないのかしら」


私とララは耳を澄ませて噂をきいていた。良かった、まだ婚約者はいらっしゃらないのね。騎士魔法師団でもそのような話はないから本当だろう。

安堵して、会が始まるのを待った。


しばらくして、師団長と副師団長が会場に入ってきた。令嬢達から感嘆のため息が聞こえる。

師団長は、金髪にライトサックスブルーの瞳で王子様のような見た目をしている。実際、現王の甥である為王族の血を引いている。副師団長はシルバーの髪で瞳は綺麗なエメラルドグリーンだ。こちらも何代か前の王族の血を引いており、由緒正しい侯爵家の令息だ。

2人共、端正な顔立ちで引き締まった体躯、気品にあふれていて騎士の正装がこれ以上ないほど似合う。


ララと目を合わせてため息をつく。私達の想い人は手の届かない人達だった。


王から労いの言葉を頂き、乾杯の音頭がとられ、会食が始まった。


ララとシャンパンを手にとり、歓談していると騎士達がヒーラーのアンナさんとレイシアさんを囲んでいた。

「お二人とも本当に美しい」

「あなた達がいらっしゃるといつもより、力が湧いてきます」

「存在だけで癒されます」

「瞳に映して頂くだけで至高の喜びです」

騎士達が競うように次々と彼女達に賛辞をかけていく。


騎士の1人がお約束に私とララを引き合いに出す。


「やっぱり、ヒーラーは女の子らしくてかわいいですね、ユーリやララなんて、汗と泥に紛れて女にはみえない」

騎士達は爆笑し、「違いない」なんて言ってる。ヒーラーの子達もまんざらでもなさそう。


こういったことを言われるのは慣れてるので、私とララはそうですねっと言って受け流す。ヒーラーのご機嫌とりは仕方ないのだ。


その後も歓談は続き、師団長と副師団長はヒーラーのアンナさんとレイシアさんにお声がけされたけど、私達には声はかけられなかった。


私とララには、同期の騎士や魔法師が「楽しんでる?」と気にしてくれたが、何故かすぐに離れて行く。不思議な感じだったけど、ララと2人でずっと過ごして祝勝会は終わった。

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