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ステージ上のアリア
ステージから見る景色はいつだって変わらない。
観客の紅潮した顔が、放送席から聞こえてくるキャスターの声が、自分でもびっくりするほど心に馴染む。
そう、いつだって僕は試合に勝ってきた。だから今回も変わらない。サバイバーが勝って、先鋒が勝って、僕が勝つ。
ステージの端と端。相対するアマチュアチームのメンバーはリーダーを筆頭に自信に満ちた目をしていた。
あの目は何度も見たことがある。僕と戦うようなトップ選手の、自分のプレイスキルに対する期待とそれでも圧倒的な力を前にした不安の入り混じったような目だ。
見るたびにバカだなと思う。
意味がない。
全くと言っていいほど意味がない。
君たちがどれほど研鑽を積もうが僕には勝てやしない。
だって僕は「最強」なんだから。