【日常ホラー】帰り道の誘惑
こんばんは。
夏の夜にありがちな恐怖のお話。
どうぞお楽しみくださいませ……。
……まただ。
私の足は、我が家への帰り道を逸れていく。
目に見えない力にひかれるように。
どうして?
その先に必ず恐怖が待っているというのに。
それを私は知っているはずなのに。
それでも抗えない。
まるで光に吸い寄せられる蛾のように。
砂糖に群がる蟻のように。
私は今日も誘惑に負ける。
あぁ、神様。
どうかこの意志の弱い私の罪をお許しください……。
「いらっしゃいませ! ご注文は!?」
「生ビール! 大で!」
翌朝、私は体重計に乗り、誘惑の代償を思い知るのであった……。
読了ありがとうございます。
暑い日の帰りにこの誘惑は恐ろしいものですねぇ……(震え声)。