表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/107

第1話 ことの成り行き(間宮沙織)

 しかし、虎は早かった。

 俺の後ろから、虎は猛然と本気の狩りを仕掛けてきていた。


 その時だ。何かが頭上で大きな影を作った。


 翼竜!!!!プテラを召喚したら、来てくれた!


 俺は翼竜に飛び乗り、手を伸ばして3人の子供たちを次々と翼竜の上に引き上げた。


 悠然とサバンナの上空を遥か高く翼竜が飛び、太古の昔ではあり得なかったご対面が繰り広げられた。虎、チーター、キリン、ライオン、バッファローの群れの上空をゆっくりと翼竜が旋回した。


「プテラ、ありがとう!」


 俺は、プテラノドンのおかげで命拾いしたことに、本当に感謝した。


 ーこうしてゲーム参加中の颯介は、いつものように召喚したプテラに助けられて、無事に生き延びられたのであった。ー




 ◇時は人間が生きる地球より数億年先の地球 忍歴2020年◇


 

「はあ、疲れた。」

「本当に人使いが荒いんだから・・・」

 私は公衆銭湯の建物の陰で人の姿に戻って姿を現して、首を振った。腕も回す。

 本当に疲れる。ゲームからやっと解放されて、自分の生きる時代に戻ってきたのだ。

 しかし、颯介ったら、本当にゲーム参加が増えてしまって、しょっちゅう呼び出されてしまって、へとへとだ。



 私はプテラ。趣味ではじめた。

 私は23歳の忍びだ。連続回転(れんぞくかいてん)で空中を舞い、相手に飛びかかり、素手(すで)で技を決める。壁も走り、屋根も走り、敵を手裏剣(しゅりけん)短剣(たんけん)成敗(せいばい)できるあの忍びだ。趣味で()()()()()をやっている。


 けれども、颯介からの呼びだしが最近やたらと多く、一日の大半をプテラとして過ごすことが多くなってきている。このまえは、3日連続でプテラのままで、存在しつづけざるをえなかった。


 正直きつい。いや、きついレベルじゃ済まない。


 プテラとは、プテラノドンだ。そうそう、太古のむかしに消滅したといわれるあの恐竜一味(きょうりゅういちみ)の飛べるほうだ。


 颯介が略して「プテラ、プテラ。」と私のことを面白がっていうので、最近は、私は趣味の変身した姿を自分でもプテラと呼びはじめた。コスプレの中でも、プテラ装だ。


 私の忍びとしての得意技は、人をあやつる術だ。それから、なりきる(じゅつ)火術(かじゅつ)と逃げのびる術も得意だ。人をあやつる術以外の得意技(とくいわざ)を使って、趣味でプテラをやっている。


 好物(こうぶつ)は人をあやつる術力を高めてくれるマンゴリランとアヤツリンゴだ。それらのくだものは、ちょっと高いデパ地下で売っている。


 颯介に初めて出会ったのは、偶然だった。


 その日は半ドンで、はやく仕事が終わったので、職場の帰りにデパ地下でマンゴリランとアヤツリンゴと日本酒を買って帰る途中だった。私の気分はウキウキだった。


 私は偶然、趣味のプテラになりきったところで、颯介につかまった。()()()()()()で、買ったばかりのマンゴリランとアヤツリンゴと日本酒を投げだして、颯介と龍者(りゅうじゃ)()()()()()()()(きょう)じてしまった。初めての経験だったが、人を乗せて飛行するのは、すこぶる楽しかった。


 それからというもの、人をあやつる術だけはまだ発揮していないが、逃げのびる術と火術となりきる術はフル総動員で発揮して、ゲーム召喚中にプテラとしてすごす毎日だ。仕事にそろそろ支障(ししょう)がでそうだ。


 もう、趣味のプテラ疲れを癒すために、今年の有給は使いはたしてしまった。


 この前なんて、颯介に呼び出されて大人4人ものせて、ひたすら飛んだ。正直、重すぎた。重すぎて、腰にきた。


 23歳はそんなに歳でもないが、4人ものせて飛べるほど力強くもない。


 4人をのせて飛行するなんて、趣味の領域をこえているといわざるをえない。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ