第十三話:パーティを作ろう
翌日、ギルドでコーデリアからパーティについての簡単な説明を受ける。
パーティを組む際は、ギルドで申請して受理されれば良いらしい。
なお、その際ギルチョのグループ機能を使ってグループチャットもできるようになるみたいだった。
まじでL〇NEじゃん。
ちなみに、パーティには特に法的な拘束力はないみたいだが、著しく理不尽な理由での一方的な脱退などがあった場合には罰則もあり得るらしい。
どこぞの追放系小説みたいな展開にはなりにくいってことだな。
あとは、と言ってコーデリアが付け足す。
「ギルチョをなくした場合や、本人が死亡した場合はギルチョへの魔力供給が出来なくなって、連絡が取れなくなるので注意してくださいね」
そりゃそうだな気を付けよう。
てかよく考えたらクエスト次第では死ぬこともあるんだよな。
そう考えると急に怖くなってきた。
「気を付けます」
そうやって一通りコーデリアから説明を受けた後、ギルドの端にあるテーブルに向かうように促された。
「彼らが本日ご紹介するパーティになります。ランクとしてはDランク。キョウスケさんとも大きくランクの乖離が無いため、クエストも受けやすいですし、連携も取りやすいと思います」
そこには、すでに3人組が座っていた。
1人は茶色い髪をした少年でだいたい高校生くらいだろうか。
髪は少しはねており、整った顔立ちをしている。
ちょっと生意気そうだ。
革の鎧と、大きな盾を持っている。
武器は剣だろうか。
もう一人は黒髪の少女だった。
眼鏡をかけており、少しおとなしそうだ。
年齢は少年と同じくらいに見えた。
杖を持っていることから、魔法を使うのか?
そして最後の一人は金髪碧眼の女性だった。
スレンダーな体系にレンジャーのような革の鎧が良く似合っている。
武器は弓みたいだな。
これが俺の入る可能性のあるパーティか……。
どうしようかと迷っていると3人と目があったので、とりあえず自己紹介をする。
「はじめまして。キョウスケと言います。コーデリアさんから紹介されました。よろしくお願いします」
なんか、合コン見たいで恥ずかしいな。
見た目ではみんな若いから、なんだか余計に恥ずかしい。
「あ、お話はコーデリアさんから伺っています。スキルのことも。こちらこそ、よろしくお願いします。私はアカネと言います、あなたと同じ日本から来たワタリドリです。」
黒髪の少女がまず口を開いた。
え、ワタリドリ?
いつかは同じく日本から来た人に会えるとは思っていたけど、こんなに早く会えるなんてちょっと驚きだ。
驚きで言葉を失っていると、茶髪の少年が続く。
「俺はコウスケ、同じくワタリドリだ。アカネとは幼馴染で同じ高校に通ってた。よろしくな!なんかキョウスケとコウスケって似てるし、親近感湧くな!」
「ちょっとコウスケ、はじめましての方に失礼でしょ!すみません、コウスケが」
保護者か何かか?
なんて心の中で突っ込みながら、「はは……」と返す。
しかし、アカネ、コウスケと名乗った二人とのワタリドリとは……。
もはやワタリドリのバーゲンセールだな。
しかしコウスケは陽キャでコミュ力も高そうだ。
「私はエレノア、武器は弓を使うわ。ちなみに二人と違って私は現地人よ。」
最後に金髪の女性が口を開く。
あ、エレノアさんはこっちの世界の人なのか。
そういえば、以前ワタリドリと対比する形で、元からこの世界に住んでいる人のことを現地人と呼ぶらしいことをコーデリアさんに教えてもらっていた。
しかしなるほど、エレノアさんは耳がとがっているし、エルフなのか?
「エレノアさんはエルフなんですか?」
俺の視線に気づいたのか、エレノアが少し微笑む。
「あら、あなたもエルフが珍しい?この世界ではそんなに珍しくないんだけど、ワタリドリからは妙に珍しがられるのよね。あと、エレノアでいいわ」
まぁそりゃ憧れのエルフさんですからね。
「じろじろ見てしまってすみません。」
「ふふ、構わないわ」
やべ、気まずい!
なんて思っているとコウスケが口を開く。
「それにしても輸送スキルなんて、珍しいスキルだよなー!この世界ってアイテムボックスみたいなものがないから、自由に持ち運べるってホント便利だなーって思うぜ」
「いつもみんなで魔物を持って帰っていたから、キョウスケさんがパーティに加わって頂けると本当に助かります」
「そう言ってもらえると良かった」
なんとかお眼鏡にかなったみたいだ。
これでやっぱりいりません、なんて言われたらショックだからな。
「ちなみに俺のスキルは動いてない限りダメージを受けない不動の守護神だ。ただ、呼吸も止めないといけないのが辛いんだよな。あと、アカネは回復魔法を範囲化させる力、癒しの御手だ。エレノアは、命中率が向上するスキル鷹の目だな。」
「ちょっとコウスケ、勝手にペラペラとスキルを話すなって言ってるでしょ?」
「そうだったな、すまんすまん。でももう仲間なんだからいじゃん!」
「それはそうだけど……。誰かが聞いてたらどうするのよ」
けらけらと笑うコウスケをアカネが叱る。
それにしても仲間、なんて言葉なんだかくすぐったい。
そんな感じで俺たちの顔合わせは終了した。
その後、カウンターでクランへのメンバー追加申請を行い、ギルチョでグループ作成を行った。
ほんとに合コンみたいでなんだか恥ずかしい。
その後は軽く今後のフォーメーションについて話した。
防御系のスキルを持っているコウスケはタンク的な感じで前衛になり、俺とエレノアが中衛、アカネが後衛という役割分担で落ち着いた。
ま、もともと3人は結構長くパーティを組んでたみたいだし、俺が遅れを取らないようにしないとな。
そんな形でフォーメーションも決まったので、まずは簡単なクエストをこなしてみようということになった。
「キョウスケの実力も見てみたいし、まずはこれくらいのクエストを受けてみましょう」
ちょうど、ゴブリンが近くに集落を作っている可能性があるということだったので、その調査クエストを受けることにした。
ゴブリンなんて倒せるのか不安だったが、どうやらゴブリン単体であればEランクでも倒せるほど弱いらしい。
それにエレノア達は何度もゴブリン退治を行ってるらしく、よほどのことが無い限り問題ないとのことだった。
そんな感じで翌日の予定を決め、明日に備えて早めに解散することになった。
*
「あ、そういえば、日本のこと話しそびれたな……」
帰り道、ふとコウスケ達と日本のことについて話してなかったことを思い出す。
久しぶりに故郷のことを話したかったな。
ま、でもパーティ組んだんだからいつでも話せるか。
ふとギルチョを見ると、コウスケから「明日はよろしくな!」と連絡が来ていた。
なんだか、日本に戻ったみたいで懐かしい感じがする。
「こちらそ、ありがとうございました。明日はよろしくお願いします!」と返す。
ちょっと堅苦しかったか?
いや、でも変になれなれしくしてイタいおじさんだと思われても嫌だしな。
すくなくとも最初は適度な距離感を持っておこう。
そう考えながら、翌日の準備を進めるのだった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
やっとパーティを組むところまで書くことは出来ました。説明が長かったり、ソロでの活動が長かったりしましたが、やっとこれからにぎやかになっていきます。
パーティメンバーとのやり取りも増えていきますので、楽しみにしていてください。
また、もしよろしければ、コメントやいいねをいただけますと幸いです。今後のモチベーションに繋がります!
これからもよろしくお願いします。




