第十一話:スキルを学ぼう②
「では、ギルチョにスキルの項目が追加されていると思いますので、確認してもらえますか?これまでに確認されたことのあるスキルであれば、ギルチョが自動判別したスキル名が書いてあると思います」
あれ?
そうなの?
改めてギルチョを確認してみると確かに、スキルの項目が追加されていた。
「あ、ほんとだ追加されてますね。えっと、スキル名は輸送って書いてあります」
ついでに階級を確認すると、中級と書いてあった。
ちょっとがっかり。
「輸送ですか、やっぱり珍しいスキルですね」
「階級は中級みたいです」
「同じ輸送でも、階級によって持ち運べる量や、付属効果が変わったりするので、念のため確認しますね。」
そういうと、コーデリアは中庭の奥からいくつかの木箱を持ってきた。
木箱は大体1メートル四方の大きさに見える。
「この木箱をどのくらい入れられるか、確認してみましょうか。一応、過去のデータによると同じスキルで2つまで入れられたみたいです。」
意外と入るんだな、と思いながら、ふと手を止める。
いや、この木箱、鞄より大きいじゃん!
どうしようかと思いながら鞄の口を木箱に近づけてみると、吸い込まれるように鞄の中に入っていった。
マジか。
結局、そんな調子で木箱を鞄の中に入れていくとすべての木箱を入れることが出来た。
数えてみると、10個だった。
これ、結構すごいんじゃないの?
「わぁ、すごいですね!歴代最高記録です。しかも中級でこの容量なら今後さらに容量が増える可能性もありますよ。」
コーデリアが驚きながら話す。
もしかして、チート?
そんなことを考えてニヤついていると、コーデリアが話を続ける。
「あとは保存効果ですね。次はこちらの紅茶を入れてもらえますか?」
そう言ってコーデリアが淹れたての紅茶を手渡す。
俺はそれを受け取り、鞄の中に入れてみる。
これ、こぼれたりしないんだろうか。
しばらく経ってから取り出してみると、紅茶の温度は変わっていなかった。
更に、全くこぼれてもいなかった。
「温度が変わっていないので、温度を保持できるか、時間が経過しないか、どちらかですね。もう少し検証は必要ですが、これはすごいですよ、かなり有力なスキルなのは間違いないです!」
コーデリアは目を輝かせながら話した。
それから、コーデリアさんといろいろ検証をした結果、いくつか俺のスキルについて分かった。
まず容量について、結局分からないということが分かった。
木箱に加えて、中庭のテーブルやボードも入れてみたが、すんなり入ってしまい、入れるものが無くなってしまったのだ。
また、物を入れても鞄自体の重さは変わらないことも分かった。
そんな俺のスキルを見て、コーデリアは運搬系のクエストをぜひ頼みたいと言っていた。
鉱石の運搬にはかなりの労力を要すため、一気に運べたらかなりの報酬額が期待できるみたいだ。
あとは、試しに火のついた木片を入れてみたところ、これもすんなりと鞄の中に吸い込まれた。
これも今後いろいろな使い方が出来るかもしれない。
そんな感じでコーデリアといろいろと検証をしているとあっという間に夕方になり日も暮れ始めたので、今日はお開きということになった。
「コーデリアさん、遅くまでありがとうございました。おかげで、自分のスキルについて良く分かりました」
「お役に立てて良かったです。また分からないことがあれば、いつでもお声がけ下さいね」
しかしいくら仕事とはいえ、無償でここまでやってもらうのも気が引ける。
ちょっとお礼にご飯でも誘ってみるか?
「お礼と言ってはなんですが、良ければこの後食事でもどうですか?ご馳走させてください」
そういった俺に、コーデリアは少し驚いたような顔をした。
「ありがとうございます。嬉しいお誘いなのですが、この後報告書をまとめる必要もあるので、今日はご遠慮します。でも、今度はちゃんと時間を空けておくので、ぜひ連れて行って下さいね」
「はい、必ず」
断られたことは少し残念だけど、次回の約束も取り付けられたし、良しとしよう!
コーデリアと別れ、俺は帰路についた。
いろいろと知識を詰め込んだこともあって、どっと疲れた体を引き釣りながら、宿に帰った。
*
宿に着くとすぐに食事を食べ、銭湯で風呂に入って床に就いた。
そういえば、コーデリアさんのスキルって結局何だったんだろう?
まぁでもあまりスキルについては他人に話さないようにって言われてるし、聞くのも野暮だな。
そんなことを考えながら、眠りについた。
これで一通りスキルについて説明ができました。
ここからクエストに挑戦したり、仲間とパーティーを組んだりと冒険は加速していきます。
これからもよろしくお願いいたします。




