第十話:スキルを学ぼう①
翌朝、いつものようにルナと少し会話をして、すぐにギルドに向かった。
もうすぐこの世界に来て一か月程経つ。
つまり月猫亭に泊まり始めて同じく一か月が経つってことだ。
そんなこともあって、女将さんやルナとはだいぶ打ち解けてきた。
ルナはまだ十七才で、学校に行きながら宿の手伝いもしているらしい。
どうやら、この世界は文化がそれなりに発達しているらしく、十八才までは学校に行くのが普通みたいだ。
卒業したら、親の宿を手伝って繁盛させるのだと先日話してくれた。
若さっていいなぁ。
そんなことを考えながらギルドに入る。
と、すれ違いざまでフードをかぶった冒険者と軽くぶつかった。
やべ。
「すみません。」
「いえ、大丈夫です。」
ちらりと見えた横顔は整った顔立ちをした黒髪の女性のものだった。
はて、どこかで見たような……。
ちょっと声をかけてみるか、そう思った瞬間、ズキリとした頭痛に襲われるも、すぐに収まった。
「あの……。」
そう声をかけたものの、気付けば女性はどこかに行っていた。
ま、気のせいか。
『どこかであったことありませんか?』なんて見知らぬ女性に声をかけるって、なんだかナンパみたいだしな。
気を取り直して、いつものようにカウンターに向かった。
*
「キョウスケさん、おはようございます」
「おはようございます、コーデリアさん。」
コーデリアはにこり、と微笑む。
うん、今日もコーデリアさんは可愛い!
可愛いは正義!
「本日のスキルの説明ですが、アイリーンさんがお休みなので、私から説明しようと思います。魔法の講習と同じく、中庭で説明しますので、ついてきてください。」
やった、今日はコーデリアさんが説明してくれるのか。
ほとんど毎日顔を合わせているものの、これまでまともに会話したことなかったから嬉しい。
向かった先の中庭で、アイリーンと同じようにボードに一通り文字を書くと、コーデリアは俺の方に向き直った。
「では改めて、スキルについて説明しますね。」
「よろしくお願いします。」
「早速ですが、スキルは五つの系統があり、今日はその系統に関する説明をした後で、キョウスケさんのスキルの検証をしていきます。」
げ、また魔法みたいな感じなのか。
少しげっそりしながらコーデリアの説明を聞く。
「まず私たちにはスキルと呼ばれる固有の能力が存在します。タイミングは様々ですが、魔法の修行をしたり、スキルにあった行動を重ねたりしていくことで発現することが多いです。」
なるほど、これまたゲームっぽいな。
スキルにあった行動ってことは、俺の場合は薬草採取だったのか?
「スキルの分類方法はいくつかありますが、有名どころだとオズマ式ですね。超力系、魔導系、空間系、具象系、概念系の五つの系統に分類されます。」
ふむふむ、その分類法だと、俺は空間系になるのか?
「超力系のスキルは名前の通り、力が強くなったり、防御力が高くなったりします。魔導系のスキルは主に魔法に関する事柄が強化されます。詠唱を省略出来たり、特定の属性が強くなったりといったケースが多いです。空間系は収納ボックスや、見えない壁を作るなど空間を操るものを指します。具象系は何かを作り出すスキルです。概念系は一番捉えどころがないのですが、一言で言えば何でもありですね。存在自体が稀ですし、ハマれば強いですが反面、使い勝手の悪いスキルも多かったりします。」
「俺のスキルは空間系ってことで良いんですか?」
「はい、詳細はこれから確認しますが、ほぼ空間系で間違いないと思います。」
アイテムボックスならあまり戦闘系っぽくないな。
「スキルは一人1つなんですよね?」
「はい、残念ながらスキルは一人につき1つです。」
魔法と同じくなんだかサポート系のスキルで少しがっかりする。
チートスキルで異世界無双、したかったな。
「あ、でも空間系は概念系についでレアですし、収納系のスキルの保持者はさらに少ないため、非常に有力なスキルだと思いますよ。」
コーデリアは俺の気持ちを察したのか、補足する。
レアなら、いいか!
「あとは、スキルには魔法と同じく階級があります。ギルチョが魔力を計測して、ランク付けしますので、後で確認しておいてください。中級から上級が一般的で、スキルによりますが特級ならA級冒険者は堅いです。あとは、聖級ならどこかの流派の師範クラス、竜級は伝説の勇者クラスです。」
「わかりました、後で確認しておきます。」
ランクが低かったら嫌だな。
「なお、もしランクが低くてもスキルは魔力資質と違って鍛錬次第で成長させることが可能です。じっくり身に付けながら、育てていけばと思います。」
なんだ、スキルは成長するのか。
そう考えると、急に気が楽になった。
「これでスキルに関する説明を終わりますが、何か分からないことはございますか?」
「コーデリアさんはどんなスキルなんですか?」
ちょっと気になったので聞いてみる。
「ふふ、内緒です。クエストの中には犯罪者の取り締まりなど対人系のものもありますし、スキル情報はパーティーメンバーなどを除いてあまり口外しないことをおススメします。」
なんだかはぐらかされてしまったが、確かにそうだな。
いらぬ詮索だった。
すみません、コーデリアさん。
「では、次はキョウスケさんのスキルについて検証しますね。」
コーデリアのスキル説明は続くのだった。
今日は筆が進んだので、2話公開しました。
スキル系統についても温めておいた設定ですし、今後非常に重要な要素になっていきますので、楽しんでいただければと思います。
また、ここまで読んでくださってありがとうございます。
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