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第九話:スキルの発現とランクアップ

その後も魔力訓練と薬草摘みをひたすら行う毎日を過ごした。

正直、稼ぎもあまり大きくなく、娯楽もないので唯一の楽しみはコーデリアさんと合うことぐらいだった。


魔法は、なんとか風属性の下級魔法ブロウと水属性の下級魔法ウォータを覚えることが出来た。

地属性についてはなかなかイメージが湧かず習得難航中だ。


でもブロウを覚えたことで、銭湯で髪を洗った後に乾かすのが簡単になった!

風が冷たいのが難点だけど、この際贅沢は言っていられない。

まぁ寒かったらファイアで暖を取ることもできるしな!


そんなことを考えながら、俺は異世界生活をなんだかんだ満喫していた。



ある日、いつものように薬草を採っていると、採取した量に対して鞄のふくらみが小さいことに気が付いた。

不思議に思って鞄をのぞき込むと、そこに薬草はなく、薄暗い空間が広がっていた。


なんだこれ?

気味悪いが、このままにしておくのも嫌なので、試しにそこらへんに転がっていた小石を鞄に入れてみると、すっと吸い込まれた。


これはもしや、異世界モノで有名なアイテムボックス的なやつでは!?

そう思い、勇気を絞って鞄の中に手を突っ込んでみた。

すると、腕はすっと鞄に吸い込まれた。


うおっ!?

鞄の中は特に暖かくも冷たくもなく、ただ広い空間があるように感じた。

とりあえず、以前読んだ小説のように、ヒール草を取り出したい、と念じてみた。

すると、何やら手に感触があり、そのままヒール草を取り出すことができた。


これは便利だ!

しかもこの能力があれば、これまで運べなかった量のヒール草を持ち帰ることが出来る!

お金問題が一気に解決するかもしれない。

そう思い、俺はいつもの4倍程のヒール草を採取して鞄にしまうと夕暮れと共に街に帰った。



街に帰って、すぐギルドに向かうといつものようにコーデリアに報告する。


「クエストお疲れ様です。今日も採れましたか?」

「はい、今日はなんといつもの4倍も採れました!」


そういって、鞄の中から40束程のヒール草を取り出し、カウンターに置く。


「まあ!すごいですね!すぐに確認して、報酬をお渡ししますね。おや?」


と、同時にコーデリアが鞄をじっと見つめる。

あ、そういえば能力のことも話した方がいいのかな?

でも、ばれたら大変なことになったりして……。

どうしようかな。

おれが迷い始めた時だった。


「おめでとうございます!スキルが発現したんですね!」

「え?あ?」


急に言われて、びっくりして変な声が出てしまった。


「急に失礼しました。今キョウスケ様の鞄を見た際に、鞄から容積以上のものを仕舞えていたので、おそらく空間系のスキルが発現したのかと思って。」


空間系のスキル?

系っていうことはこういう能力は一般的なのか?

また混乱してきた。


そんな俺をよそ眼にコーデリアは説明を続けた。


「詳しいスキルの性質はこれから確認しますが、スキルが発現したことで、まずは第一関門クリアとなります。これより、キョウスケさまはEランク冒険者となります。」


怒涛の説明で混乱した頭を整理する。

つまり、ギルドは冒険者がスキルを発現させることを知っていて、発現していない人をFランク冒険者として扱っていたってことか?

そして、スキルが発現したからランクアップしてEランクになった、と。


なるほど、Fランクはスキルが発現するものを選別するための試験だったのか。

そう考えると、最初からそう説明してくれても良かったじゃん、と思ったりした。


「分かりました。ありがとうございます。でも、スキルが発現するかもって教えてくれても良かったじゃないですか。」

「すみません、ギルドの規定で新米冒険者、特にワタリドリの方にはスキルについてあまり教えないことになっているんです。無理にスキルを覚えようとして、危険を冒す人もいるので。」

「確かに、急いで覚えようとする人もいそうですね。」


それもそうだ。

コーデリアさん、変に責めるようなことを言ってごめんなさい。


「ところで、Eランクになると、どんなことが出来るようになりますか?」

「Eランクになることで、Eランクの依頼に加えて、一つうえのDランクの依頼も受けることが出来るようになります。Eランクからは魔物の討伐クエストも受けられるようになります。安全に気を付けながら、積極的に挑戦していってくださいね!」


ついに魔物討伐か!

いつもの森には魔物はいなさそうだったし、別のところに行くのかな?

とはいえ、一人だと不安だし、テンプレだけど仲間が欲しくなってくるな。


「あとEランクからはパーティーを組んでクエストをこなすことが出来るようになります。特にDランク以上はパーティーでの攻略が推奨されます。ぜひ仲間を見つけて、活動をしてみてください。ギルドでは仲介もしてますので、いつでもお声がけ下さいね。」

「ありがとうございます。助かります。」


ほんと、至れり尽くせりだ。


「キョウスケさまは自分のスキルのことをどの程度把握されていますか?もしよければ、明日ギルドでスキルの簡単な鑑定とスキルに関する説明が受けられますが、如何でしょうか。」


ま、この世界で生きていくならちゃんと能力について理解した方がいいな。


「はい、ぜひよろしくお願いします。あと、そろそろそのキョウスケさまってのやめてもらえませんか?くすぐったくて。普通に呼んでください。」


いつまでもさま呼ばわりされるのも気になってたんだよな。


「ふふ、ありがとうございます。ではキョウスケさん、明日お待ちしていますね。」


なんか距離が縮まった気がする!

そんなことを考えながら、ギルドを後にした。



期待はしていたけど、まさかスキルまであるなんてな。

いよいよ異世界だ。

ギルドから宿の帰り道、Eランクと書かれたギルチョを見ながら俺は少しの興奮を覚えるのだった。

やっとスキルが発現するところまで書けました。このあたりはどうしても説明過多になりすぎている感があるのですが、今後のためにどうしても必要だと思うので、ぜひお付き合いください。

そして、いつも読んでくださってありがとうございます。

もしよろしければ、いいねやコメントを頂けるとモチベーションに繋がります。

ぜひ、よろしくお願いいたします!

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