1/4
プロローグ
-始まりの物語-
高知県のとある商店街に古びた書店がある。
その書店は、21世紀後半の近代化した街並みにはだいぶ空気の読めていない建物の感じがする。
そんな書店に今、1人の少女が来店した、少女は書店へはいるとそそくさと文学作品のある棚へ近寄り物色し始めた、少女が本を動かす度に棚はガタガタと大きく揺れている、そのはずみで中段ぐらいにあった緑色の表紙の本が少女の足元に落ちてきた。その本にきずき少女は手に取る。
「なにこれ面白そう」
それもそのはずその本には題名、作者名共に記載されていないのだ。少女は数多くの小説を読んできた、世間で言う文学少女にあたる、そんな彼女ですら今まで題名と作者が書かれていない本は、見たことがないのだ。故に、大きく興味を引かれたのだろう。
彼女はその本を持つと店主の元へ向かい、代金を支払うとすぐに帰路についた。
その晩...
少女は晩御飯を済ますと、早々と自分の部屋へ行きさっき買った本を読み始めた。
この時少女は何故この本が書かれたのか知る由もなかった。