6話 朝のおしゃべり
「私達『ER』のトップ七人……今、所在がわかるメンバーはこの学校に集まっていますからね」
そう、私と沙久矢、零奈、英美、真菜、柳乙、快…この七人がB.E.Cの頂点に立つAクラスの存在である。
本当はここにもう一人いるはずだった人間がいる…
私が今一番会いたい人間。『ER』の目を掻い潜ってどこで生きているのだろうか。
「あっ、そろそろベルが鳴るよ。やばっ、宿題やってなかったのに…」
早めに登校したにも関わらず、つい立ち話をしていたら始業時間ギリギリとなってしまった。
「ま、なんとかなるでしょ。それじゃあ、英美と真菜によろしく」
物量の問題さえなければ宿題の内容で困ることはないだろう。仮に提出が出来なかったとしても、零奈の場合はそれで何かが起こることはあるまい。
「そういえば、Bクラスの子が二人この学校の四学年にいるの知ってる?」
「「もちろん」」
零奈も沙久矢も二人揃って頷く。B.E.Cを管理している立場にある自分は全てのメンバーの所在地や環境を把握している必要がある。他のAクラスメンバーはその必要はないのだが、さすがに同じ学校ともなれば知っていたようだ。
「近々、その二人にコンタクトとりたいと思ってるんだ」
「わかりました。諸々確認、手配しておきます」
―カラーン コローン カラーン コローン
沙久矢の返事と共に軽やかなチャイムが校内に鳴り響く。
「さすがにもうまずい。それじゃ、また後で…!」
慌ててそれぞれの教室へ向かって駆け出した。
ちょっと短めですが、話の区切りがついたのでここでいったんアップです。