ミノタウロスを狩れ
「トオル、討伐クエストうけようぜ!」
カエデが新調されたゴラマリュウム製の鎧を撫でながら言った。
「カエネエ、その鎧、良いですねぇ、カッコイイし、軽そうだし。」
「えへへ、そうだろ、とっても軽くて動きやすいんだ。それなのに前の皮鎧よりも丈夫なんだぜ。」
「よし、じゃあなにか討伐クエストを受けるか。どれどれ・・・お、Cランククエスト?」
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ミノタウロス討伐クエスト(C)
ゴラン草原にミノタウロスの出現が確認されました。
できるだけ速やかに討伐してください。
討伐証明部位は左右の角。
(その他の部位については持ち帰ってくれば別途買取ります。)
討伐報酬は金貨50枚。
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「ミノタウロスって牛の魔物かな?」
「そうですよ、たまに野生の牛が変異して現れるそうです。とっても硬い皮をしている上に力もすごいそうです。でも、そのお肉は絶品だとか・・・・」
(ミチルちゃん、食べる気満々だなぁ。涎でてるよぉ。まぁ、そんな食いしん坊な所も可愛いけど。でも、硬い皮かぁ・・・・念のため、あの剣を持っていくか。)
「よし、じゃあ、このクエストを受けよう。」
「マチルダさん、このクエストの受注処理をお願いします。」
「ミノタウロスの討伐ですね。・・・・正直Dランクの冒険者にはあまりお勧めできないけど・・・トオルさんたちには、セレネちゃんやフレアちゃんもいるから大丈夫かなぁ・・・分かりました。受領します。でもくれぐれも無理しないでくださいね。・・・はい、OKです。」
「はい、ありがとうございます。いってきます。」
「いってらっしゃい。」
ゴラン草原はファーストの街とセカンドの街のほぼ中間地点にある。その一角にある岩山の壁面が妖しく光り、そして光が収まったあとにポッカリと綺麗な穴があいていた。その中からトオルたちが出てくる。
「・・・ふぅ、トンネル掘りながらだからケッコウ時間かかちゃったな。リム、ミノタウロスの反応はどっちの方?」
「正面の方向よ、だいたい一キロくらいかしら。」
牛の頭に人の体をした魔物が四つん這いになって、草を咀嚼していた。
「・・・草食べてますね。」
「そうだな・・・牛だもんな・・・」
ミノタウロスはビクリとすると、こちらを向いた。
「ブモォオオオオ!」
「あ、気付かれた。」
ミノタウロスは近くに置いていた斧を拾うと、こちらに向かってきた。
「トオル、ここは私が行く。ブースト!」
カエデはロングソードを抜くとブーストでミノタウロスの方へ瞬間移動していった。
「ブースト、ブースト!」
ガキン!
ミノタウロスの横をカエデが駆け抜けた。
「あぁあ!、私のロングソードがぁ!」
カエデのロングソードはポッキリと真ん中から折れていた。ミノタウロスの首には若干傷がついていたがたいしたことがないようで、その動きにかわりはない。いや、怒りくるってる感じでむしろ早くなっているかもしれない。
「トオル、どうしよう。剣が折れたぁ。」
ミノタウロスの斧を器用に避けながらカエデが叫んでいる。
「カエデ、これを使え。」
トオルは一振りの黒い剣をとりだすと、それをカエデに向けて放った。
クルクルクル・・・パシ!
カエデはそれを見事にキャッチすると。バックステップしてミノタウロスから距離をとり、その剣を確認する。
「これは・・・・ゴラマリュウム製の剣?」
「その剣の柄から刃の部分には魔粒子結晶をコーティングしてある。カエデ、その剣を自分の腕の延長だと思って、身体強化を使って、思い切り振りぬくんだ。」
「わかった。」
カエデは剣を下段に構え、目を閉じて集中する。すると剣の刃の部分が微かに輝きだした。
「ブモォオオオ!」
ミノタウロスが大きくジャンプして斧を振り下ろしてきた。
カッ!
目を見開いたカエデは剣を下から上に振り上げた。
分厚い鉄の塊の斧にぶつかった細い剣はまたもや折られるかと思われたが、逆に斧を豆腐のように簡単に切り裂いた。その勢いでミノタウロスに迫った刃はゴムのようにしなり、そして伸びた。本来であれば届きそうになかったミノタウロスの首を切り裂く。
スパン・・・ゴトン・・・ズズーン。
ミノタウロスの首が落ち。その巨体が倒れた。




