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一緒に帰ろう

神風丸はセレネの湖の畔にある第四サイコロハウスの前庭に着地した。


トオルが神風丸から外に出ると、白いワンピースを着た青い髪の少女がサイコロハウスの中から駆け出してきて抱きついた。


「トオル、おかえり。」


「ただいま、セレネ。」


トオルはそんなセレネの頭を優しく撫でる。


「ん?、その子は?」


トオルは赤い髪で白いワンピースを着た三歳ぐらいの少女を抱きかかえていた。


「ワイバーンに襲われているところを助けたんだ。ちょっと家のベッドで寝かせるね。」




サイコロハウスのベッドに赤い髪の少女を寝かせたトオルは魔粒子を集め、少女の傷の患部に集中させた。


(たのむ、直ってくれ、細胞よ活性化しろ、治癒力よ高まれ、)


魔粒子が拡散すると、傷はすっかり治っていた。





少女の瞼がピクリと動くとゆっくり開いていった。


「目が覚めたかい?」


その赤い瞳がトオルを見ると、かっと見開かれた。


ガバッ


少女はトオルに抱きついた。


「うわああああああん!!!」


そして堰を切ったように泣き出した。


「ああ、怖かったねぇ、大変だったねぇ、良く頑張ったね。でも、もう大丈夫、大丈夫だから。」


トオルはセレネにしたように、頭と背中を優しく撫で続けた。


ヒシ、


後ろで見ていたセレネも感化されたのか、トオルに抱きついてきた。


ヒシ、ヒシ、ヒシ、


リム、カエデ、ミチルも抱きついてきた。





「みんな、オレ、この子たちをファーストの街の家に連れて帰ろうと思う。」


赤い髪の少女は泣きつかれて再び寝てしまったが、トオルに強く抱きついたまま離れない。セレネもトオルに抱きついたまま寝てしまったが同じく離れよそうにない。


「ええ、あたしも、この子たちをここに置いて帰ることなんてもうできないわ。」


リムがそう答えると、カエデとミチルも同じ意見のようで頷きかえす。





翌朝、赤い髪の少女がベッドで目を覚ますと、隣にトオルはいなかった。


ガバッ


飛び起きてあわてて見回すと、簡易キッチンで朝食を作るトオルを見つけた。


テテテ、ヒシッ


駆け寄ってトオルに抱きつく。


「おはよう・・・えと、まだ名前を聞いていなかったね。オレはトオル。キミの名前はなんて言うのかな?」


「・・・・フレア」


「そか、フレア・・・それにセレネ。」


いつのまにか来てこちらを伺っていたセレネにもトオルは声をかけた。


「家の子にならないか?」


「「え?」」


「一緒にオレの家に帰ろう。ずっと一緒にいよう・・・な?」


セレネも駆け寄ってきてトオルに抱きついた。


「「うん、一緒にトオルの家に帰る!」」





プアアアアン!


暗いトンネルから列車の汽笛が聞こえてきた。やがてヘッドライトが見えて、列車がホームに滑り込んできた。


キキキキー


神雷号がセレネの湖の駅に到着した。遠隔操作でトオルが神雷号をファーストの街の駅から呼んだのだ。


「・・・・なんかもう、どう突っ込んだらいいのかわからないわ。」


カエデが呆然と呟く。


「なにぶつぶつ言っているんだ。カエデ、さっさとゴラマリュウムを積み込んで帰るぞ。」





ファーストの街へつづく街道でトオルたちは大きなリヤカーにゴラマリュウムを積んで運んでいた。


「・・・で、結局最後は人力なのよね、あれだけの乗り物がありながら・・・」


後ろから大汗をかきながら押すリムがぼやいた。


「リム、がんばれぇ」「がんばれぇ」


リアカーの荷台の上には青い髪と赤い髪の少女が乗り、輝く笑顔をふりまいていた。

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