翔べ!神風丸
リムたちはファーストの街北側の山の七合目に来ていた。
「魔粒子展開、ゴラマリュウム収集。」
リムが魔粒子を展開すると、多くの魔粒子が地中に潜った。戻ってきた光の中心にゴラマリュウムが出現する。
「あ、またゴラマリュウムが現れた。」
ただ、カエデエとミチルの目には魔粒子が見えないため、リムの目の前に突然ゴラマリュウムが出現したようにしか見えない。
「よし、これで、30キロ塊11個目、予備は一つでいいわよね?、カエデ」
「ああ、純度100%のゴラマリュウムならそれで十分だ。ありがとリムネエ」
「おーい、じゃあ、ゴラマリュウムをこっちに積み込んでくれ。」
離れたところでゴラマリュウムをかき集めて閃光をまきちらしながらハデな作業をしていたトオルが呼びかけてきた。その後ろには巨大な楕円形をした風船があった。
「ふわぁ、大きい。なんですかこれ?、トオルさん。」
「飛行船、神風丸だ。」
全長100メートルほどの楕円の風船には後ろに安定翼が十字につき、横にはジェットエンジンのような筒が両側についている。ただし中身はカラッポで、バルブだけがついている。下には神雷号より少し短いくらいのゴンドラがついていた。
風船の上ではハーピーたちが気持ちよさそうに日向ぼっこをしている。
「総ゴラマリュウム製だから、とっても軽いんだぜ。」
「よし、積み込み終わったな。じゃあ発進するぞ。全員席につけ。」
トオルが前部中央の操縦席に座り、左側にリム、右側にカエデ、後ろの席にミチルがついた。
「風船内部および、両エンジン内に魔粒子展開。」
風船の内部と左右の筒の内部に魔粒子が展開され、はりついた。
「!!!!」
びっくりしたハーピーたちが風船の上から飛び立つ。
「風船内、温度80℃、前方に障害物なし、進路クリア」
「ハーピーたちは?」
「また風船の上に止まって休んでるわ。外側の温度はちょうど良いあたたかさみたいね。」
「よし、抜錨。神風丸、発進。」
バン、バン、バン、バン、
神風丸を縛り付けていたロープの前後左右が弾けて外れた。神風丸はフワリと浮き上がる。
「直接、街に行ったら流石に目立ちすぎるな。いったんセレネの湖に向かうか。リム、セレネの湖はどっちだ?」
「十字の方向、約140キロよ。」
「よし、取り舵いっぱい。セレネの湖に向かう。」
神風丸はゆっくりと左に曲がり、飛び立っていった。




