ハーピーウィング
「はぁ、はぁ、ちょっと休憩しようか?」
「えぇ?、また?、この調子じゃ今日中に目的地につけないよ?」
「現代日本人の体力なめんなよぉ、」
「もう、しょうがないなぁ」
カエデはあきれながらも腰を下ろし、休憩につきあってくれた。
トオルたちは本日、ファーストの街北側にある山を登っている。
「ゴラマリュウム?」
「うん、このクエストのだよ。」
カエデはギルドの掲示版から一枚のクエストを剥がしてトオルに渡した。
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ゴラマリュウム採掘クエスト(D)
純度50%以上のゴラマリュウム鉱石を30キロ採掘してくること。
達成報酬は一回金貨二枚、十回まで繰り返し可能。
※ゴラマリュウム鉱石はファーストの街北側の山、七合目あたりで多く採掘できます。
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挿絵には黒光りするてかてかの鉱石が描かれている。
「ゴラマリュウムは金属でありながら、ゴムのような伸縮性を持ってるんだ。まぁ、どっちかって言うと熱に強いゴムみたいなもんなんだが・・・とにかく、これで軽鎧を作ると抜群に具合が良いんだ。せっかくクエストが出てるんだし、余分に手に入れて、それで鎧を新調したいなぁ・・って思うんだけど・・・」
カエデの皮鎧は、かなりボロボロになっている。
「ふむ・・・おもしろい。よし、このクエスト受けよう。」
キラリン
トオルの目が妖しく光った。なにかろくでもないこと考えていそうである。
そして、冒頭の山登りにもどる。
「はぁ、はぁ、なんで神雷号、つかえないのよぉ」
トオル以上に体力のないリムが愚痴る。
「こっち側にはまだトンネルないし、作っても神雷号じゃ山は登れないしねぇ。」
「そんなぁ・・・あ、トオル、魔物が近づいてくるわ、空から。」
「お?、やっときたか。おあつらえ向きに四羽か、ついてる。」
上空をみるとでっかい鳥が四羽こちらに飛んでくる。しかし、その上半身は人間の女性であり、手の部分が翼になっている。ハーピーだ。
「「「「にんげん、にんげんはっけん!」」」」
トオルはリュックから生魚をだしてゆっくり手に持ってふる。ハーピーたちの目がそれに釘付けになる。
「「「「さかな、さかなぁ!」」」」
ひょい・・・・ぱくっ
トオルがそれを放ると、器用に口でキャッチした。
もぐもぐ、ごっくん。
美味しそうに食べている。
すると、ハーピーたちは下に降りてきた。
「「「「さかな、もっとちょうだい。」」」」
「よしよし、ほら、食え。」
それぞれに魚を与え、頭をなでる。
ハーピーは魚を美味しそうに食べ、撫でられるのも気持ちいいのか目を細める。
「もっと欲しかったら、おれたちを山のあの辺まで連れていってくれないか?」
トオルは山の七合目あたりを指差した。
ハーピーたちはトオルの指差した方向を確認し、頷く。
「「「「わかった。つれていく。さかなたべる。」」」」
危険な魔物のひとつとして数えられているハーピーだが、この山ではどうやら餌付けができているようである。
トオルたちは、それぞれがハーピーに肩をつかまれ空に舞い上がっていった。




