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マチルダ

時間はトオルたちがファーストの街に来た翌日に遡る。



マチルダが冒険者ギルドの受付で書類仕事をしていると、カエデが一人でギルドの扉を開けて入ってきた。


「おかえりなさい。カエデさん。一人?、ケンさんたちは?」


「盗賊に殺されちまった・・・・」


「なんですって?!」




マチルダはカエデを二階の個室スペースに連れて行くと、詳しく話しを聞いた。


「そう・・・・ケンさんたちは、野営中に盗賊に・・・」


「ああ、私が夕飯の獲物を狩りに行っている間に・・・」


「でも、あなたとミチルお嬢様が無事で良かったわ、護衛クエストは成功として処理しておくから・・・」


「ああ・・・ありがとう。」


「それで・・・カエデさん、あなたこれからどうするの?」


「どうしようかな・・・どうしたらいいんだろう・・わかんないよ。」


「その盗賊からミチルお嬢様を救い出してくれたトオルさんとリムさんだっけ?、その彼らを仲間に誘ってみれば?」


「え?、でもトオルさんは、冒険者じゃないって言ってたし・・・」


「わからないわよ、今日あたり、ひょっこり冒険者登録にくるかもよ?」


マチルダのこの予感は見事に当たり、トオルたちはその日、冒険者登録に訪れた。

翌日、トオルたちと一緒にクエストに出かけて行くカエデを見て、マチルダはほっと胸をなでおろした。




マチルダの妹のアリエスがコンフルエンザにかかった。今年はここまで罹患者が多く、薬が不足しており、手に入らない。高熱を出して苦しむアリエスを見てマチルダは胸がはりさけそうだった。


(サツキイモさえあれば・・・誰か・・・)


サツキイモさえあればコンフルエンザの薬は十分供給されるはずだ。冒険者ギルドでも緊急クエストとして採取クエストの掲示をだしている。


トオルたちが、サツキイモ採取のクエストを受けてくれた。


(根治草をあっと言うまに大量に集めてくれたトオルさんたちなら、サツキイモもすぐに集めてきてくれるかも?、でも野生のサツキイモの群生地は近いところでも馬車で五日以上の距離があると聞くし・・・とにかく、できるだけ早く・・・おねがい・・トオルさん。)


マチルダの願いは届き、トオルたちはその日のうちに大量のサツキイモを取ってきてくれた。

これにより、コンフルエンザの特効薬が間に合ったアリエスは一命をとりとめる。


(ありがとうトオルさん・・・ありがとう。)


マチルダは一見冷静にクエスト処理をしながらも内心でトオルに深く感謝した。

そしてその思いから、専属の担当に志願したのである。

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