ブースト
ミチルにファイヤーボールを強化する指輪をあげたら、自分たちも欲しいとカエデとリムに怒られた。
「リムには同じのをあげればいいけど、カエデは魔法つかえないんだろ?」
「う・・・そうだけど、私だけ仲間はずれはいやだ!」
ほっぺたを思い切り膨らませて怒るカエデ・・・なにかとても愛おしくなってトオルは思わず頭をなでてしまった。
「ふぁ・・あ、あ、いやいや、ごまかされないぞ!」
「あぁ、ごめんごめん、つい可愛くてな。」
(うーん、カエデは剣士だから剣を強化するか?、それとも体自体を・・・あ、体を弾と考えれば・・・いけるか?)
「よし、ちょっと思いついたことがあるから、試してみるぞ。」
トオルは自分の前に人が通れる大きさの魔粒子のトンネルを展開する。そしてその魔粒子を手前から内部に流動させる。トルネードキャノンを大きくしたのと似ているが、今回渦巻きの動きは無く、直線的に流れているだけだ。
そのトンネルにトオルは手を顔の前でクロスさせて飛び込んだ。
ビュン・・・ドタ。
トオルは瞬間移動したかと思われる速さで10メートル先に移動し、着地に失敗して転倒した。
「いたた、でも一応成功かな?」
「おぉぉ、すごいなトオル、もしかしてそれができる指輪をくれるのか?」
「ああ、ちょっと待ってくれ。」
トオルはポケットから魔粒子結晶をとりだし、目を閉じてそれを加工する。指輪状になったものをカエデに差し出す。
「できたぞ、これを嵌めて、ブーストと言って大きく前へ踏み出すんだ。」
「ありがと、早速やってみる。」
輝く笑顔で指輪を受け取ったカエデは早速指輪を右手の薬指に嵌める。勿論、左手薬指には魔粒子絶対防御壁常時発動の指輪が嵌っている。
「ブースト!」
ヒュン・・・タン。
カエデは10メートルを瞬間移動し、華麗に着地した。
「おお、すごいすごい。ブースト!、ブースト!、ブースト!!」
ヒュン・・・タン・・ヒュン・・タン・・ヒュン・・タン・・
楽しくなったカエデは瞬間移動を繰り返す・・・残像を残して移動するその姿はまるで忍者の分身の術だった。




