薬草採取
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根治草採取クエスト
根治草を二十本採取してくること。
達成報酬は一回銀貨七枚、二十回まで繰り返し可能。
※根治草はファーストの街と森の間にある草原によく生えています。
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トオルがファーストの街門を出るとすぐに↓の矢印が目の前にあった。
「ん?、これ、リムか?」
「そう、魔粒子で印をつけたの、分かりやすいでしょ?」
「ああ、ありがとう。」
「「???」」
ミチルとカエデには魔粒子が見えないため、状況がわからず、首を傾げている。
矢印の下を見るとたしかに、挿絵と同じ草が生えていた。
トオルは矢印の魔粒子を分解してその草の周りに展開し、草の周りの土を除去、その隣に置く。
「土が消えた?、隣にでた?、これ、トオルさんが?」
「ああ、ミチルちゃん、残ったその草を水洗いして、収納袋に入れて。」
「あ、はい。」
ミチルは手から水を出しながら、根治草を洗い、ギルドから支給された収納袋に入れた。
「よし、この調子でどんどん行くから、カエデは周囲の警戒をたのむな。」
「はい」
矢印の所に歩いて行っては、その魔粒子で土を除去、そして洗浄、収納。この単純作業を繰り返した。普通に肉眼で探せばなかなか見つかりそうにない根治草だが、リムは簡単に見つけ、一つの作業が終わると同時にそこから最短の場所に矢印を出していった。二時間もしないうちにクエスト上限の四百本の根治草を集め終わってしまった。
「よし、じゃあギルドに戻って報告だ。」
「・・・こんなに簡単に終わってしまって良かったのでしょうか?」
「そうだな、私も仕事をした気がしない。」
ミチルとカエデが釈然としない様子だ。
「まぁ、このパーティでの初めての仕事だから、いいんじゃない?」
リムが気楽に返事を返していた。
冒険者ギルドに入ると誰もいなかった。カウンターの中にもマチルダさんしかいない。
「トオルさん、なにか忘れものですか?」
「いえ、クエストの達成報告に来ました。」
「・・・・え?、そんな、まだ二時間くらいしかたってませんが・・・」
「確認してください。」
ミチルがパンパンに膨らんだ収納袋をどさりとカウンターに置く。
「はい・・・・え、なにこの数・・・それにこの根・・・・毛根の一本一本まで綺麗に残ってる。・・・少々お待ちください。」
マチルダさんは、収納袋を持って衝立の向こうに入っていった。五分ほどして戻ってくると、金貨二十枚をカウンターに置いた。
「お待たせしました。根治草採取クエスト、上限の二十回分を確かに確認しました。状態もこれまでにないほど良いものでしたので、報酬を割り増しさせていただき、金貨二十枚をお支払いいたします。これでGランクの皆さんはFランクに昇格となります。書き換えをしますので、ギルドカードの提出をお願いします。」
「「「はい、よろしくお願いします。」」」
「はい、これがFランクに更新したギルドカードです。・・・それにしても、どうやったらこんなに短時間に・・・・いえ、それよりもどうやったらあんなに綺麗に採取できるんでしょう?」
「それは、秘密です。」
「・・そうですか。秘密なら仕方ないですね。でも、あんなに良い状態の根治草が納入されたことはいまだかつてありません。また機会があったらお願いしますね。」
「はい、では失礼します。」
「思ったより早く依頼が終わったから、暇になっちゃったな、どうしようか?、今日は解散する?」
「あ、よかったら、家にこないか?、今一軒家に一人で住んでて、正直寂しいんだ。」
カエデが赤くなりながらトオル達を誘った。
トオルがリムとミチルを見ると二人とも頷き返してくれた。
「よし、じゃあ、露店で串焼きでも買っていって、カエデの家で一緒に食べよう。」
「・・・そうか、この家はカエデが前の仲間たちと一緒に住んでいたのか。」
カエデの家はナンバ家から意外に近く、一つ裏の通りで、5LDKの二階建てのものだった。
いまトオルたちは、そのリビングで串焼きを食べながらくつろいでいる。
「ああ、それで、もし良かったら、トオル、リム、ミチル、三人とも、ここに引っ越してこないか?」
「そうだな・・・オレは良いと思うんだけど・・・」
「そうね、あたしも賛成。」
「はい、私もお姉さまと同じく賛成です。実家も近いし。一緒に住めば、皆ともっと仲良くなれますよね。」
「よし、じゃあ、決まりだな。カエデ、よろしく頼むな。」
「ああ、こちらこそ、よろしくたのむ。」
昼食後、早速荷物(といってもトオルとリムはナンバ商会で買った服くらいしかなかったが)を運び入れて引越しをした。ベッドなどの家財道具はカエデの元仲間たちのものをそのまま使わせてもらえることになったので手間が省けた。
歩いて二分もしない距離なのに、ジンが寂しがって大泣きしていたのには印象的だった。
夕食はカエデが腕をフルってくれた。マカロニグラタンは絶品で、皆おかわりをしていた。
夕食後、リビングでトオルたちは赤ワインを飲んでいた。
「それにしても・・・・カエデって着やせするんだな。」
皮鎧を脱いで、楽な部屋着になったカエデはとてもグラマラスだった。普段は皮鎧の奥に無理やり押し込めていたらしい。
トオルが鼻の下を伸ばして見ているとリムにつねられた。
「いたた。」
「ほら、トオル、カエデに渡すものがあるんでしょ?」
「そうだった、カエデこれを受け取ってくれないか?」
「!?、これは・・・皆と同じ魔粒子結晶の指輪?、」
「ああ、カエデにも、オレたちの家族になって欲しいんだ。」
「・・・ありがとう。嬉しい、とっても嬉しいよ。トオル、指に嵌めてくれないか?」
カエデはトオルに左手の薬指を差し出した。
トオルはそこに指輪を嵌めて、そのままカエデの手を握って引き寄せてキスをした。
一瞬目を見開いたカエデだったが目がとろんと空ろなってしまう。
トオルはカエデをお姫様だっこして、そのまま寝室に運んだ。
当然のように、リムとミチルがその後ろに続く。
その夜、四人は激しく愛し合った。




