表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/39

魔力溜まりの世界

気がつくと徹は見渡す限りの草原にポツリと一人で立っていた。

夕焼けに染まった膝丈ほどの草たちは風にあおられ、赤い波を立てている。

そして、さっきつかんだホタルのような光が所狭しと舞い踊っている。


(なんだここは?、あの世?、俺は死んだのか?)


徹は自分の頬をつねってみる。


(痛い!、・・・生きてるし、夢じゃない?・・・じゃ、ここはいったい何処なんだ?)


目の前の草の上の光を右手にすくいとってみる。


(これ、さっきの光と同じものだよな?・・・だったら、もう一度同じことをすれば戻れるか?)


再び徹は両手を頭上にかざして叫んだ。


「光よ!、我が手に集え!!」


あたりで舞い踊っていた光が頭上に集まってきて、徹は眩い光に包まれた。



徐々に光がおさまってきて、いつのまにか閉じていた瞼を開いた。

しかし、そこは相変わらず見渡す限りの草原だった。

変わったことといえば、舞い踊る光がなくなったことくらいだろう。


(・・・ダメ・・・か・・これからどうしよう・・・)


『ようこそ、魔力溜まりの世界へ!』


かわいらしい女性の声が頭の中に直接響いた。



「誰だ?」


辺りを見回したが人影らしきものはない。


『ここよ、あなたの右手!』


右手の上をみると、先ほど集まってきていた光が小さい人型になっていた。

さらに光が収まっていくとその全貌が明らかになっていった・・・


「・・・・妖精・・・なのか?」


光が完全におさまると。そこには30センチくらいの大きさで、透き通るような白い肌をした、金髪ロングで赤い瞳をしたの女の子がいた。

背中には蝶のような光の羽らしきものがある。そして何故かビキニアーマーを着ていた。


『はい、あなたの集めた魔粒子によって顕現できた妖精さんです!』


妖精は得意げに微かに膨らんだ胸をはって答えた。



「・・・・そうか、本当に妖精なのか・・・」


徹はそう呟くと、その妖精をじっくりと上から下まで観察した。

30センチの人形サイズながら、その容姿はスレンダーで、よく整っていた。

ファッション雑誌のモデルみたいだ。


『あんまり、ジロジロ見ないでよぉ。』


妖精は前を腕で隠して、顔を赤くさせた。


「あ、ごめん、妖精さん、」


『リムです。』


「え?」


『あたしの名前、リムっていいます。妖精は種族名ですからね。』


「・・・・そうか、俺は徹。よろしくな、リム。」


『はい、よろしくおねがいします徹さん。』


リムはニッコリ微笑んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ