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冒険者ギルド

トオルの前では分厚いステーキがジュウジュウと鉄板の上で音をたてていた。


ズブリ、


ナイフをさすと肉汁がジュワっと染み出てきた。


それをフォークで口に運ぶ。


「うまい!、オークの肉ってこんなにうまいんだ。シオコショウだけの味付けなのに。」


「はい、少々値がはりますが、美味しいですよね。」


ミチルもお気に入りらしく、笑顔だ。


「冒険者になれば、比較的安価に食べることができるんだったか」


「ええ、冒険者ギルド経由で供給されているものはどこの店でも割引がききますし、自分でとってきた素材を渡して調理してもらえば、手間賃だけですみますしね。」


「身分証も必要だし、よし、服を受け取ったら、冒険者ギルドに行こう。」




トオル達は昼食後にナンバ商会の店にもどり、寸法直しを終えた服の中から冒険者風のものを選んでその場で着替えた。


今着ているものと残りの衣服はジンの館の方に送ってもらうように店長に頼んだ。なぜかリムとトオルだけでなくミチルも冒険者風の服に着替えていた。




冒険者ギルドは街の中央の噴水広場に面していた。三階建ての建物で入り口に剣と杖が交差したエンブレムがある。


「・・・まぁ、冒険者ギルドって感じかな?」


「・・・そうね。」


入り口の木の両開きの扉を開けて中に入ると、右手に上に上がる階段、左手には掲示板があり、正面には受付が四つあった。受付の正面には長椅子が三列ならんで置いてあるが、そこには赤毛で皮鎧の女が一人座っているだけで、他に人影はなかった。この時間帯は暇なようだ。


トオルたちは、各種手続きと書かれた受付の前に行く。


「いらっしゃいませ、冒険者ギルドにようこそ。新規登録ですか?、それとも他の街からの転入手続きですか?」


「新規登録をお願いします。」


「はい・・・えと、ミチルお嬢様も?」


「はい、よろしくお願いしますね。マチルダさん。」


ミチルと受付嬢は知り合いのようだ。そしてやはり、ミチルも冒険者登録をするようだ。


「では、こちらの用紙に住所、氏名、得意分野を書いてください。」


名前:トオル

住所:ファースト、一番通り五番地

得意分野:魔法


名前:リム

住所:ファースト、一番通り五番地

得意分野:索敵


名前:ミチル

住所:ファースト、一番通り五番地

得意分野:魔法


住所はジンの館だ。ミチルは魔法が得意らしい。


「・・・・はい、結構です。では、登録料、一人銀貨一枚いただきますが、よろしいですか?」


「ああ、これで、よろしく頼む」


トオルは銀貨三枚を素早く出して渡す。


「あ、トオルさん。自分の分は出しますよ?」


「まぁ、いいから、いいから。」


「す、すみません。」


マチルダは登録用紙と銀貨を受け取ると受付奥の衝立の向こうに入っていった。


五分後、銅のカードを3枚持って戻ってきて、渡す。


「内容を確認してください。」


名前:トオル

住所:ファースト、一番通り五番地

得意分野:魔法

冒険者ランク:G


名前:リム

住所:ファースト、一番通り五番地

得意分野:索敵

冒険者ランク:G


名前:ミチル

住所:ファースト、一番通り五番地

得意分野:魔法

冒険者ランク:G


「この冒険者ランクと言うのは?」


「はい、冒険者には上からS、A、B、C、D、E、F、Gのランクがありまして、基本同じランクが記されたクエストを受注することになっているんです。一つ上のランクのクエストも受注できますが、あまりお勧めしません。今回新規登録ですので、皆さんのランクは全てGになっているはずです。詳しくは、この冒険者ギルドのしおりをご覧ください。」


マチルダは小さい冊子を渡してきた。


「わかりました。他の記載内容は間違いないです。」


「はい、では最後に両手の全ての指の拇印をこちらの用紙にお願いします。」


(犯罪防止のためか、冒険者って荒くれ者が多そうだもんな。)


「はい・・・結構です。これで手続きは終了です。これからよろしくお願いします。」


クエストの受注は明日の朝にでもしようと建物を出かけたところで声がかかった。


「待ってくれ、あたしを仲間に加えてくれないか?」




赤髪、皮鎧の女はカエデだった。


カエデは先のミチルの護衛クエストにおいて、仲間を盗賊に殺され、途方にくれていた。


「オレたちと一緒でいいのか?、登録したばかりだからGランクなんだぞ。カエデはもっとランクが上なんだろう?」


「ああ、私はDランクだ。しかし、トオルは私より強い。ランクの違いなんかたいした問題じゃない。・・・それに、トオルと一緒にいたいんだ。仲間にしてくれ。」


カエデは真っ赤になって頭を下げた。


マチルダさんが受付の奥でニヤニヤしている。


リムとミチルは、アイコンタクトして頷きあうとトオルに向かって輝く笑顔でサムズアップしてきた。

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