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はじまりの街へ

ここから主人公の表記をカタカナのトオルに統一します。

街道の先に巨大な石壁が見えてきた。


「あれが私たちが住む街ファーストです。・・・聞いてます?、トオルさん。」


「うぅ、気持ち悪い。」


トオルは重度の馬車酔いに悩まされており、ミチルの膝枕で青い顔をしていた。


ミチルを挟んだ反対側でリムも青い顔をしてミチルの膝枕に顔をのせていた。


「気持ち悪い。なんとかしてぇ」


「あんなに強いのに、馬車に弱いなんて、変わった人たちですねぇ。」


ミチルは微笑ましい顔をして、2人の頭を撫でた。


(かわいい。)


馬車の中はほのぼのとしていたが、その後ろではロープで引きづられる盗賊どもが騒いでいた。




馬車は街の門の手前で止まり、御者台からカエデが門番の兵隊に声をかける。


「ただいま、ビル。」


「おかえり、カエデ。・・・なんか馬車の後ろが騒がしいようだけど。」


「ああ、盗賊どもを捕らえてきたんだ。」


「なに?」


ビルは馬車の後ろにつながれている盗賊どもを確認すると、あわてて門横にあった詰所に入っていった。


詰所の中から3人の兵隊を引き連れて戻ってきたビルは盗賊たちを詰所の牢に連れて行くよう指示を出していた。


「お待たせ。じゃあ、ちょっと話を聞かせてもらえるかな?、馬車の中にはミチルお嬢様もいるのかな?、」




街門横の詰所の中で、トオルたちは聴取を受けていた。


「そうか、セカンドの街へ行った帰り道の野営中に盗賊たちの襲撃を受けたのか、」


「ああ、ちょうど私が狩りにでていた時だ。狩りから戻ったら、他の護衛の冒険者が倒れていて、お嬢様も馬車もいなくなっていた。」


カエデは悔しそうにビルに語った。


「で、トオルくんたちは盗賊のアジトを偶然発見し、襲撃してミチルお嬢様を救出した・・・と?」


「はい、索敵能力には自身がありますから、」


「いやいや、6人もの盗賊をたった2人で撃退するなんて、腕っ節もたいしたもんだ。」


「不意をつけたので、なんとかなりました。」


そこに、ビルの部下と思われる兵隊が入ってきて、皮袋と書類をビルに渡した。


「・・・・ふむ、君たちが連れてきた盗賊どもは全員賞金首だったことが確認できた。これが賞金、金貨30枚だ。確認して、こちらの受け取りにサインをくれるかな。」


ビルは金貨が入っている袋と書類をトオルに渡してきた。


「・・・・確かに、はい、どうぞ。」


トオルは金貨を確認し、書類に目を通し、サインをして返した。トオルは盗賊の1人から得た知識により、この国の言葉を話すことも読み書きすることもできる。勿論、サインもこの国、サザン王国の文字でした。


「・・・よし、では、以上で聴取は終わりだ。おつかれさん。そして、ようこそ、ファーストの街へ!」

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