実体化
穴を掘って進みはじめて3日目の晩、徹たちは森の中にある湖の畔に設置された第4サイコロハウスの中にいた。
テーブルを挟んで徹の正面には全裸の金髪美女がいた。成長したリムである。歳のころは20くらいに見える。であった時の姿をそのまま大きくしたような感じでスレンダーなその姿はスーパーモデルのようである。ただし、背中の羽は今は消えており、ビキニアーマーもない。暗い室内でリムの体だけが仄かに光っている。
リムはテーブルに三つ指をついて頭を下げた。
『不束者ですがよろしくお願いします。』
「ああ、こちらこそ、よろしくたのむ。奥様。」
徹は立ち上がり、リムをお姫様だっこすると、アルミホイルベットに寝かせた。
その夜、2人は激しく愛し合った。
翌朝、徹が目を覚ますと、隣にはリムが寝ていた。
愛おしさがこみ上げてきて、その頬にキスをした。
「・・・?」
(なにか違和感がある。なんだろう?)
指でリムの頬をつついてみる。
「ん、、、んぅ、」
リムが若干不快そうに身をよじる。
(・・・・そうか!、昨日まで、ふわふわした感じだったのに、今はしっかりとした質感がある。・・・これはいったい?)
慌てふためく徹の横でリムが目を覚ました。
「おはよう、徹。・・・うまく実体化できたみたいね。」
リムは自分の体を確認しながら言った。
「実体化って、リム・・・」
「昨晩、徹から活性細胞をたっぷりもらったから、それをもとにあたしの体の魔粒子を全て実体化させたの。これで、あたしは徹と同じよ。」
「・・・オレと同じになってよかったのか?」
「勿論、あたしたちはもう夫婦、ずっと一緒・・・よね?」
「・・・リムぅ!!」
「あぁん!」
再び愛おしさが込み上げてきて徹はリムに覆いかぶさっていった。
「・・・さて、リム」
「はい」
1時間後、2人はテーブルでいつもより遅い朝食をとっていた。イモに加えて湖で取れた小魚を焼いたものもある。リムは実体化したことにより、魔粒子を表面上変化させて作っていた服をつくれず、徹のYシャツだけを着ている。金髪美女の裸Yシャツ・・・男なら誰もがムラムラしそうである。
「実体化して、オレと同じになったってことは、魔粒子の継続収集はできなくなってるのか?」
「そうね、徹と同じこの体は魔粒子を一切内部に入れることができなくなったから。」
「じゃあ、安全を確保するには一々魔粒子収集しなくちゃ・・・いけないのかな?」
「大丈夫、前の私の体の代わりになる器を用意すればいいのよ。見てて」
リムは立ち上がり、両手を頭上にかざした。
「光よ、我が手に集え!!」
魔粒子がリムの頭上に集まってきた。その規模は徹が全力を出したのとほぼ同じ規模に見えた。
「・・はあぁぁ、光よ、我が手の中でつながれ!」
集まってきた光をその手の中で握り込むような動作をした。
ガキン!
なにかが固まるような音がした。
コロン、
リムの手の中には、1辺2センチほどの透明なガラスのような立方体があった。良く見るとぼんやりと発光している。
「リム、それは?」
「魔粒子結晶よ、徹、これに魔粒子の時と同じように意識を移して、魔粒子継続収集をしてみて、」
徹は目を閉じて魔粒子結晶に意識を移した。
『魔粒子継続収集、光よ、我が体に集え!』
本体に戻って覚醒した徹はリムの手の中にある魔粒子を確認する。ポツリ、ポツリと魔粒子が結晶の中
に吸い込まれていくのが確認できた。
「これで大丈夫、さあ、今日もがんばって街を目指しましょう。」
「・・・・今日は、休みにしない?、新婚なんだし・・・」
「・・・・もう、しょうがないわねぇ」
新婚バカップルのイチャイチャは止まらない。




