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プロローグ

申し訳ありません。少し書き直したいので新しいプロローグを投稿いたします。

その後新しく1話と2話をその後に投稿します。

内容的には現在のプロローグが新しい2話に、現在の1話が新しい1話になります。

順番が前後し、整合とれるように細部を書き直しますが、大きな変更はないので旧プロローグと1話を読んだ方は飛ばしていただいて構いません。

力不足で書き直すことになってしまい申し訳ありません。

旧話は新話を全て投稿した後に削除いたします。            20161206

「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! どうして死なないのぉぉぉ!?」


 真っ白な世界に苛立ちが含まれた絶叫が響く。

 声を上げたのは桃色の髪をした1人の女性。両手で支え持った大きな水晶玉を必死の形相で覗き込んでいる。

 普段から騒がしいこの人物ではあるが、ここまで声を上げることは滅多に無い。



 この様子からは信じられないだろうがこの女、実はこの世界の神である。



 その神である彼女の側に仕える女が、主の突然の乱心に驚き後ろから声をかけてきた。


「モ、モモリス様。御声を荒げられてどうなさいました?」

「どうしたもこうしたもないっての! 死なないの! 何やっても死なないの!」

「ヒッ! し、死なない? どなたが死なないのですか?」


 モモリスと呼ばれた女は側仕えの女に向かい、グリンと聞こえるほどの勢いで首だけで振り返った。

 そのあまりの異様さに思わず上げかけた悲鳴をぐっと飲みこみ、側仕えの女は問いかける。


「勇者よ! 召喚しようとした勇者が殺せないの!」


 『勇者召喚』。

 それは現在魔王の脅威に晒されているこの世界の最後の希望である。

 側仕えの女も、数日前についにとある異世界で魔王を打倒できる可能性を持った勇者候補が見つかったと耳にしていた。

 そして、目の前にいる神がその人物を召喚しようとしていたことも知っていた。


「勇者が……ですか? しかし召喚していない以上は候補どまりですよね? 未だ何の加護も祝福もお与えになられてないのでは?」


 未だ召喚していないのだから当然のことと思いながらも、側仕えの女は問いを重ねる。

 自らが見落としている部分があるのではないかという思いと、もしもそうでなかった場合の異常性を考えたくなかったためだ。


「えぇえぇ、そのとおりです。何の特殊な力も持たないはずの人間が、他の世界だから弱まってるとはいえ神である私の因果操作による死の運命を撥ね除けてるの!」

「そ、それは運なのでは? まれに神の定めた運命にも抗う者がいると聞きますし」

「1回や2回ならこんなにならないわよ、もう既に3桁は弾かれてるわ」

「ッ!?」


 それが示すのは考えたくなかった異常性。

 その勇者はただの生身で神からの干渉に抗い、打ち破っているということだ。

 俄かには信じ難い話であった。


「もう、これ以上は私の神格に余裕がないし、あっちの世界の神にも気づかれちゃうわね……エイラ!」

「お呼びになりましたか?」


 先程よりはわずかに落ち着いた様子のモモリスが名前を読んだ次の瞬間、側仕えの脇に金髪の女が現れる。

 彼女はモモリスが最も信頼している配下の1人であった。


「エイラ、私達で直接あっちの世界に乗り込むわよ!」

「御意に」

「お、お待ちをお二方! 世界間干渉程度ならともかく、世界間介入なんかしたら大問題になりますよ!?」

「大丈夫大丈夫、迅速に殺ってすぐに帰ってくればバレないから問題ない!」

「問題大有りです!」

「さて行きましょう! 目標は日本在住の鶴万千亀(つるませんき)さん! パパッと殺してこっちの世界に呼んで、魔王を倒してもらいましょう!」

「お待ちをモモリス様! モモリス様ぁぁァ!」


 側仕えの女の呼び声空しく、モモリスとエイラの姿は一瞬でこの世界から消え去った。

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