43. アベル伯爵護衛依頼19
ごめんなさい(´・ω・`)
投稿の予約ができてませんでした(´д`|||)
「まだ泊まる場所が無い方!さぁいらっしゃい!宿屋閑古鳥いかがですかー!」
「おっ、まだ潰れてなかったか。」
立派な
建物なのだが宿屋の名前からして大丈夫なのか?と聞きたくなるような店の従業員が店先で客引きをしている。ロベルトは迷いない足取りでその宿屋に近づていくとその従業員に話しかけた。
「よっす!久しぶりだな。」
「おぉ!ロベルトの旦那じゃないですか!最近全く来てくれないんでとうとうくたばったのかと思ってましたよ!」
「んなわけないだろ!ちょっと忙しくて帝都から離れられなかっただけだよ。」
「旦那のご活躍はここまで聞こえていますからね!」
「相変わらずの情報網だな...あまり深く詮索しない方が身のためだぞ。最近やたらときな臭くなってきたからな。」
「そこらへんも分かってますよ!引き際はきちんとわきまえているつもりですから!」
なんというか...二人ともテンションが高い、というか共通しているためこんなにも仲がいいのだろうか。
「当然今日はここに泊まってくれるんですよね!」
「あぁ、そのつもりだ。っと、追加でこの二人もよろしく頼む。」
そういうとロベルトはレンヤとティアを順に指さした。従業員は気づいていなかったようでそこで初めてロベルトだけでないことに気付いた。
「これはこれは...旦那のご子息ですかい?」
「違う違う、同じ依頼を受けた仲間だ。」
「ま、そんなことだと思いましたよ。」
「レンヤとティアだ。部屋は...」
「二つで「同じでいい」お願いします。」
「同じで言いそうだ。よろしく頼む。」
「分かりました。少々お待ちください。」
そういうと従業員は丁寧にお辞儀して店の中へと入っていった。
「ロベルトさん、僕の意思ってのはないのでしょうか?というかティアさん起きてるなら自分で歩いてください。」
「...」
背負っているティアを見ると目を閉じて寝ている。
「...起きてますよね?」
「...ぐぅ―。」
「はぁ...」
「まぁいいじゃねぇか。そんな時もあるもんさ。」
「...もういろいろと諦めました。」
「三名様!お部屋の準備が出来ました!どうぞこちらへ!」
宿屋の中は見た目通りあちこちに細工模様が施され高級なホテルのような空間が広がっており、当然のことながら細かいところまで掃除が行き届いておりとても庶民の泊まれるような場所ではなさそうだった。階段を上がり三階へとつく。
「レンヤ様とティア様はこちらのお部屋となっております!ロベルトさんは向かいのこっちです。」
ロベルトだけ扱いが雑に感じたが本人も気にしてないようなのでこれが普通なのかと思った。
「では、何かあれば一階の従業員室にお願いします。風呂にございますのでご自由にお使いください。ではこれにて。」
従業員はレンヤとロベルトに部屋の鍵を手渡す。
「ありがとうございました。」
「ありがとな!」
従業員は再び一礼すると階段を下りて行った。
「ロベルトさんとあの従業員さんはお知り合いだったんですか?」
「ん?あいつか?あいつはここの宿屋をの店主だぞ。」
「...え?」
「店主だぞ。」
「マジですか...」
「はははっ、その様子だと店主だと思わなかったようだな。」
「なんというかフレンドリーな人で違和感ありすぎですね。」
「まぁあんな奴だが見た目で判断しない方がいいぞ。」
「強いんですか?」
「戦闘面じゃなくて頭がキレるってわけだ、商人らしくな。そのおかげでこの都市で五本の指に入る有名な宿屋になった。」
「確かに細かなところまでこだわりが感じられますね。思ったんですが宿代高いんじゃないんですか?」
「ホントはちょっとばかし高いんだが知人割で少し安くしてもらえる。銀板貨10枚だ。」
「それくらいなら...普通...なんですかね?」
「料金としてはそこらと同じくらいだが部屋はいいし料理も提供される。結構いいだろ。」
「確かにそうですね。ところでこれからどうしますか?」
「とりあえず荷物を置いてからそこら辺を軽く見て回るか。」
「そうですね、ティアさんはどうしましょう。」
「どうせ起きてるんだろ、ティアちゃんはどうしたい?」
ティアはわざとらしくあくび一つすると
「...部屋に籠ってる。」
「ま、そう言うと思ったがな。」
「ですね、まずは荷物を置きますか。」
「だな。」
レンヤとロベルトは自分の部屋のドアに鍵を差し込み開けると部屋に入った。
部屋の中は魔法具の照明と大きなベッド、テーブルと椅子、別の部屋に洗面所とトイレと一般的に必要なものはそろっていた。
レンヤはテーブルの上に必要ないものを置こうとするが特に置いていく物がないことに気付く。
「アイテムバッグくらいしか大きな、と言っても巾着くらいの大きさだしこれくらいなら持っていても大丈夫かな。」
いくら宿屋、しかもこの都市五本に入るとはいえあまり自分の荷物を置いていこうという気にならなかったため結局ティアをベッドに寝かすことにした。
「ほらティアさん、ふかふかのベッドがありますよー。」
ティアは無言でレンヤの背から降りると靴を脱いでベッドにもぐりこむ。
「では自分は出かけてきますので一人で留守番よろしくお願いします。一応鍵は僕が持ってますので寝ていてもいいですよ。」
「レンヤが帰ってくるまで起きてる。」
「でも暇ですよ?」
「帰ってきたら起こして。」
「分かりました。では行ってきますね。」
ティアの変わり身の早さに微笑すると部屋をでていこうとすると後ろから次の言葉が飛んでくる。
「...大丈夫だと思うけどケガしないでね。」
「今から戦いに行くわけではないので大丈夫ですよ。」
「...レンヤは優しいから何かに巻き込まれそう。」
「ティアさんも分かってますよね、僕はあまり他人事に首を突っ込まないことと容赦ないこと。」
ふと冷酷に盗賊を殺すレンヤの姿を思い出すがそれでもティアの頭に思いうかぶのは「大丈夫だよ。僕は君に危害を与えない。」とティアに拒絶されながらも困った顔をしながら手を差し伸べてくれたレンヤの顔であった。
「レンヤが分かってないだけ。できるだけ早く帰ってきて。」
掛け布団からわずかに顔を出しているティアの顔に若干の不安な色が浮かんだため反射的に頭を撫でていた。ティアは気持ちよさそうに目を細めると不安な表情は消えていた。
「では改めて行ってきますね。」
「ん。」
ティアももう余計なことは言わずに返事をするとレンヤを見送り何度目か分からない夢の世界へと旅立った。
「遅かったなレンヤ、お姫様がなかなか離してくれなかったか。」
レンヤは部屋の鍵を閉めると鍵をアイテムバッグにしまう。
「そうでもないですよ。ちょっと話をしていただけですよ。」
「そうか、じゃぁ行くか。」
「分かりました。」
外はもうだいぶ暗くなっているため街灯の明かりが輝いている。
がたいの大きな男から小柄であるが筋肉が引き締まっている男など様々な武装した人たちが大通りを歩いているが中には女性の姿もある。
こんなにも荒れてそうな人たちが集まっていれば当然穏やかなはずはなくあちこちで大声の怒鳴り合いや乱闘が発生しているが大騒ぎにならず国の兵士が出てきていないという状況を考慮するとよくある事として放置されているのかもしれないと思った。
「へへっ、姉ちゃんちょっと遊ぼうや。」
「なんだテメェ!どこ見て歩いてんだ!」
「あんら―いいオトコ!」
そんな声があちこちから聞こえてくるが気にしてはいけないのかもしれない。
「よし、ここだな。レンヤついたぞ。」
見た目は普通の二階建ての建物なのだがおかしいことに入り口が下へと続く階段となっている。
「レンヤ、ここではフードを被っておいた方がいいぞ。」
「そんなに怪しい店なんですか?」
「おいおい、俺がそんな店紹介するはずなだろ。ここではほとんどの客が顔を隠しているから逆に隠していないやつの方が人目を引くんだよ。」
「そういうことでしたか。」
答えるとレンヤはフードを被り人から顔が見えないようにする。
「しかし見えにくいのが弱点ですね。」
「やっぱりか、ならこれでも買っていくか。」
ロベルトが向いた方向には屋台で仮面を売っている店であった。この店に来る客がどういう人達で、加えて顔を隠す必要がある事を見越してここで仮面を売っているのであろう。
ただの白い仮面に目の所だけ穴が二つ開いてるのもからピエロのような仮面まで見たことあるものからないものまで様々なのもが取り揃えられていた。
「なんでもいいぞ、ここは俺がおごってやろう。」
「ロベ...「ここでは名前は禁止だ。」失礼しました。あなたは買いますか?」
「俺は自分のがある。どれでもいいぞ。」
「では...」
いろいろと種類がありすぎて逆に決められず、シンプルな白に目の所だけ開いたものを買ってもらうことにした。
「はいよ。」
ロベルトが金を払い、レンヤが仮面を受け取る。ロベルトはいつの間にか持っていた仮面を自分の顔につけたためレンヤもそれに倣い仮面をつけ、ロベルトに続いて階段を下りて行った。
ども( *・ω・)ノ
くまさんです。
今回は少し短いですがここまでという事で...
何かストレスの発散方法はないものだろうか...
前話のあったかも1は火曜の0時に消しますので良ければそれまでに見てあげてください( ´∀`)
という予定でしたが今回投稿が遅れてこの告知を見れてない人が何人かいたので来週の火曜0時に削除ということにします(`◇´)ゞ
誤字等ありましたらいつも通りで(*´∀`)
ではでは( *・ω・)ノ




