22.道中にて3
起き上がって体のあちこちをさわって確かめてみるが特に変わった様子はない。体内のマナの感覚が無くなったわけでもない。
《特に変わったとこはないか...》
レンヤは右手にマナを集めるとその場にしゃがみ、右拳で思いっきり地面を殴る。
すると殴った場所を中心に地面が陥没し全方向に地面が割れていく。
ステータスを確認してみると無くなっていたはずの“身体強化”が再び表示されていた。
《後天的に習得したのはまた覚えることができるのか...言語理解とられたら死ぬな。》
レンヤは収納していた刀やアイテムバックを取り出し、装着する。和樹たちの気配を探るとどうやら森の方に歩いて行っているみたいだった。
このまま村に着かれて村長に自分のことを言われるのはなるべく避けたいが、そうする時間もないので早くこの国から出ていく事の方が先だと考える。
《ここから和樹たちが村につくまで歩き、しかもペースは遅いからだいたい4日ほど、こっちもこのペースで行けば次の村には明日中に着くとは思うけど急いだ方がいいのかな?》
崖の上から下に飛び降りる。そこにはまだ先ほどのゴーレムの黄色の魔源核が残されており、中心にヒビが入っているだけできれいな状態のままだった。
《“魔源核”って言うくらいだからマナと関係有るのかな?》
試しにレンヤは片手に球をのせてマナを送り込む。レンヤのマナが核に吸い込まれていくが空気が抜けるようにヒビが入ったところから抜けていく。
《やっぱり壊れてたら使えないかな...》
試しに周りに散らばっていた欠片をヒビに埋めていく。幸い細かい欠片はなく大きな物だけだったたためヒビにはきれいに欠片が埋まり、見た目は完全な球へと戻った。
《これがもとに戻ればいいんだけどな...“錬成”とかかな?》
そんなことを考えていると邱を盛っていた手から球に向かって数本の緑色の電気が雷が落ちるように流れる。
そしてそれが数秒続いた後にはヒビなど存在しないきれいな球が手の上にあった。




