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世界の行方  作者: くま
21/58

21.道中にて 2

和樹は剣先をゴーレムに向けると叫ぶ。


「カラドボルグ、力を与えろ」


剣に文字列が浮かび上がり、刃の部分が薄い水色の光を発する。

レンヤは剣と和樹に向かって鑑定を行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 蔵田 和樹

種族 人間

身分 グライズの勇者


HP   1550

MP   1850

魔力  0

知力  20

敏捷  135

運   20


スキル

・言語理解 (ユニーク)

・鑑識 Lv5

・略奪 Lv2

・魅了 Lv3

・体術 Lv3

・剣術 Lv3

・弓術 Lv3

・槍術 Lv3

・身体強化

・気配察知 Lv2

・属性魔術 火 Lv4

      水 Lv4

      風 Lv4

      土 Lv4

      光 Lv5


--------------------


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―


・聖剣 カラドボルグ

聖剣の一つ。雷を宿し、全てを切るとされている。使用条件は剣に認められること。

持ち主が鞘から抜き、トリガーとなるワードを言うことでHP,MP共に+1000、敏捷+100となる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―


《うん、これムリだわ。絶対に勝てない。スキルにヤバそうなのあるしここは出ていかない方がいいか。》


レンヤは和樹のステータスを見て降りていかないことを決め、スキルについて考える。


《魅了はたぶんアレかな?和樹がいつも周りに女子を侍らせていたやつ。略奪も相手からスキルを奪う感じだろうけど隠蔽してるのは効くのかな?ここであえて出ていって略奪されることでそれも確認できるけど気配察知があるから僕がここにいることはもうバレてるかな?まぁ、結局様子見だね。》


その頃和樹はゴーレムの攻撃を避けながら本体に剣で攻撃をしているが、ゴーレムは傷がついたとたん修復していっているためダメージはないと考えられる。もともとHPが無限なのはこのせいだろう。

和樹は大きく後ろに飛ぶことでゴーレムと距離をとると剣にマナを宿す。剣の発する色が濃くなると和樹は剣を振りかざし、剣からは光の刃が飛んでいく。それはゴーレムをちょうど左右に分けるように切り裂き、それによってゴーレムの左半身から黄色に輝く丸い大きさが50㎝程のガラス玉が出現した。再生しようとその玉に右半身が引き寄せられていくが和樹は瞬時にゴーレムに近づくとガラス玉を剣で突き刺した。ガラス玉から光が発しなくなった事を確認すると和樹は剣を抜いた。


「勝ったぞー!」

「さすが勇者様だ!瞬殺したぞ!」


勝利したことが分かり、生き残った護衛たちは次々と和樹に賛辞を送る。馬車の中から一人の女性が降りてきて和樹に話しかける。


「和樹様、必ずや来てくださると思ってましたわ。さすがわ我が国の勇者です。圧倒的な強さですね。」


和樹は右膝を地面に着けて左膝を立てるようにしゃがみ、頭を下げる。


「心配して後を追いかけてきて正解でした、エリス姫。無事にあなた様の身を守ることができて良かったです。」


そう言うと和樹は差し出されたエリス姫の手に軽くキスをした。


「ところでそこで見ているやつは誰かな?」


和樹は立ち上がるとレンヤの方を向いて叫んだ。

和樹と目が合ってしまったことを確認するとレンヤはため息をつくとフード脱ぎ、刀とアイテムバックをアイテムボックスにしまい下へと降りることとした。


下まで一気に飛び降りたが足に身体強化をしていたため無事に着地する。すると和樹は相手が誰なのかに気付きこっちに近寄ってきた。


「久しぶりだね和樹。ところでここはどこだい?いきなり目が覚めたら森の中にいたんだけど。」


もちろん嘘である。だが、和樹がこちらの事情を知らないならばむやみに情報を与えないようにしようとするのは当然だろう。


「“鑑識”」


和樹はレンヤに会うとすぐにレンヤに向けて言った。


「ふふっ、ずいぶんとザコになったなレンヤ。異世界人なのにスキルが身体強化だけとは。ここは地球じゃない、いわゆる異世界でお前は俺の生け贄になったんだよ。何でこの世界にいるのかは知らないけどな。」


これで確信できた。今の和樹には隠蔽されたステータスが見えている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 レンヤ

種族 人間

身分 なし


HP  50

MP  0

魔力 0

知力 15

敏捷 5

運  15


スキル

・身体強化


--------------------


《うん、自分で作ったけど弱いな。》


和樹がステータスを見ている最中に偽装したステータスを思い浮かべた。


「お前は知らなかっただろうが俺はお前が嫌いだった。だから全部奪ってやる。全部だ!」


そう言うと和樹はレンヤの首を絞めるように右手でつかんだ。


「心配するな、殺しはしない。森のなかで無惨に魔物に殺されろ。」


和樹の右手にマナが集まっていき、頭が軽く痛くなる。

和樹の握力が弱いのかレンヤ自身が耐性があるのかは分からないが首を絞められているのはあまり苦しくなかったが、あえて苦しんでいるふりをする。


「か、和樹...何をしてるの?苦しいよ。」


和樹はレンヤの行動に満足したのか顔を醜く笑うと言った。


「まだ殺さないだけでも感謝しろ。」


和樹の右手に集まっていたマナが無くなっていき、頭痛が無くなる。


「お前は用済みだ消えろ。」


そう言うと和樹はレンヤを思いっきりレンヤが居た壁の上へと放り投げた。


「じゃぁな親友。」


見ているのも気持ち悪いくらいの笑顔で和樹は最後に言った。


身体強化をしようとしたが上手くいかず地面に着地した衝撃をもろに受けた。

下の方から和樹と姫の会話が聞こえてきた。


「勇者様、今の人は?」

「はぐれて一人になった盗賊みたいだったので軽く脅して逃がしました。あまり人を殺すのは好きではないので。」


まだ話しているようだがレンヤは横になったまま考えていた。


《誰が盗賊だ。しかし何で身体強化が出来なかったんだろ?さっきのやつが関係あるのかな?》


勇者一行がいなくなったことを確認し起き上がり、ステータスを確認する。


するとステータスから身体強化が無くなっていた。


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