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叫ぶ人 2
『叫ぶ人:山』
「あの山はきれいだよねぇ。」
「標高があるわよねぇ。」
「今日もきれいに見えるわ―。朝日もいいけど、夕日も素敵よねぇ。」
私はとりあえず、微笑んでおく。そして湯船で叫ぶ。
「うっせぇ!山が日本一だろうが世界一だろうが、登りやすかろうが、知ったことか!山なんぞに興味ねぇ!」
上に上がると、結構息が上がっている。
空気を吸い込んで再び潜る。
「噴火したら気にしてやる!色が変わろうが、雪が降ろうが、誰が登ろうが知ったこっちゃねぇ!しるか!」
私は湯船から顔を上げるとため息をついた。
「あ、でも土砂崩れとかは気になるかも。」